ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1第5節 ベガルタ仙台vsヴァンフォーレ甲府

 未だ勝利のない仙台は、前節マリノス相手に今シーズン初勝利を挙げた甲府との一戦となった。

 

 まずはスタメン。

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  仙台は今季から採用している4-2-3-1から慣れ親しんだ4-4-2に戻した。2トップは柳沢とケガから復帰のウイルソンボランチに同じくケガから復帰の角田、右SHにマグリンチィ、右SBにはケガの菅井に代わって石川大徳が入った。

 一方の甲府は、キーパーが岡西から荻に代わった以外前節と同じメンバー。ケガだった盛田、ジウシーニョがベンチに入った。

 

前半

 前半は、下馬評通り堅い展開になる。仙台は前節と比べて、すぐに2トップにボールを預ける形が多く、収まればそこからサイドに人をかけて攻めていた。比較的今までやってきたやり方に戻した印象だった。おかげで、ボールがスムーズに前まで運べることが多く、シュートは打てなくともコーナーに持っていくことができた。

 甲府はまずは仙台の高いディフェンスラインの裏を狙っていた。しかしクリスティアーノが裏に抜け出しても仙台のDF陣が落ち着いて対応していたため、チャンスを作り出すことが少なかった。それでも自分たちのペースになれば、ピッチを広く使って攻撃していた。

 そんな中、37分にゲームが動く。柳沢がドリブルで侵入したところで青山の足に当たりコーナーを獲得。そのコーナーを角田が合わせて先制。久々のコーナーからの得点だった。

 前半は初めて仙台リードで折り返す。

 

後半

 後半も展開としては変わらなかった。しかし、仙台は守備を修正した甲府の守備に対してシュートを打てなくなってしまう。ペナルティエリア内に侵入することが減り、奪われてカウンターを受け、徐々にガス欠状態になっていった。甲府はそんな仙台をよそに盛田、ジウシーニョを投入し、攻撃に厚みを増した。その後、水野を入れ、盛田の1トップにクリスティアーノと水野のシャドー、ジウシーニョボランチにする攻撃的な布陣を敷いた。この布陣のおかげで甲府は押し込むことに成功する。

 そして、このゲームが大きく動き出す。73分、富田からボールを受けたウイルソンはドリブルでペナルティエリアに侵入、それを山本が倒してPK!かと思ったら、ウイルソンのシミュレーションを取られた。その4分後、甲府が右斜め45度でFKを得ると最後は青山が押し込み同点にする。

 その後、互いに点を決めれず引き分けとなった。

 

最後に

 まず、このゲームの分岐点はウイルソンのシミュレーションの場面だったと思う。ここでPKだったらおそらく仙台が勝っていただろう。個人的な意見を言えば、あのシーンはPKだったと思う。映像で確認してもウイルソンが抜いた後に山本の足が出ていて、決定機会の阻止だと思う。ウイルソンは確かに故意に倒れたかのように見えたけど、後ろからタックルされれば、倒れるのは当然である。しかし、審判も後ろからちゃんと見ていての判断なのでここは、審判のジャッジを尊重したい。

 内容的な話で言えば、引き分けが妥当なゲームだったと思う。仙台は明らかに後半にガス欠を起こし、シュート自体も1本に終わっている。やはり、もっと多くのチャンスを作り出さないと勝つことはできないし、何しろDF陣が落ち着くことができない。

 しかし、前節のことを考えれば守備は角田が復帰したことでよくなったと思う。球際の激しさは出ていた。しかし、今節の相手が攻撃に比重を置かない甲府相手だったから守れたものの、次は格段に戦闘能力の高い浦和なので、今節以上の集中力と連携が大事になってくる。

 今節は、昨季までのやり方に戻した感じがあった。原点に戻ることは大事だが、原点に戻っても結果でない事実もある。けど、こういうサッカーに戻せるアーニーの決断力は褒めるべきだと思う。継続と変化が仙台には必要である。

 

 水曜日にナビスコ杯、仙台はF東京と甲府は柏と対戦。

 リーグ戦は仙台は浦和と甲府は清水と対戦する。