さて、今回は北海道コンサドーレ札幌戦を振り返ります。
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スタメン

ベガルタ仙台は、前節・モンテディオ山形とのみちのくダービーで3-1の勝利。前半に先制されるも後半の早い時間帯に逆転し、そして宮崎の追加点もあり今シーズン初の逆転勝利となった。
先制されたものの前半から仙台らしくアグレッシブな守備で主導権を握り、90分間タフに走り続けた。自動昇格圏とも勝点を縮めているなかで、残り8試合も同様な高い強度で相手に襲い掛かっていくことで勝点を稼いでいきたいところ。
今節の対戦相手である北海道コンサドーレ札幌は、個々人の能力が高く難敵ではあるが、前節同様の戦い方を見せることで連勝したい一戦となった。
仙台は、武田が出場停止となっている。また荒木も体調不良で欠場し、代わって山内が加入が初スタメンとなった。ベンチにはルーキーの湯谷や安野ら練習試合で結果を出している若手をメンバー入りさせている。
一方の北海道コンサドーレ札幌は、前節・徳島ヴォルティスに2-1の勝利。4人の出場停止者がいながらも既存戦力で堅牢な徳島の守備を攻略した。
札幌は、柴田監督が途中就任後に攻撃的なサッカーにリトライし昇格プレーオフを目指している。プレーオフ圏を争うチームの背中が見えているなかで、上位の仙台を倒して、いよいよ本格的に争いの中へ加わっていきたいところ。
さらに今週は下部組織から札幌一筋でプレーしていた深井一希が現役引退を表明。そんな深井とのラストシーズンを笑顔で締めくくるためにも諦めずに上位を目指したい一戦となった。
札幌は、今節も荒野が出場停止となっている。スタメンは西野に代わって家泉が3バックの真ん中に起用され、スパチョークが右シャドーとなっている。ベンチには出場停止明けの宮澤、バカヨコ、マリオ・セルジオが復帰している。
前半
(1)余裕を与えない仙台のハイプレッシング
試合開始の無秩序な時間を過ぎていくと、主導権を握ったのは仙台だった。
この試合でも、仙台はいい守備からゲームに入ることで主導権を握ることに成功する。

札幌のビルドアップは、右バックの高尾が右片上がりの形になる。
対する仙台は、4-2-4の布陣で2トップが背中でダブルボランチを消しながら、家泉と浦上に対しては相良、山内の両サイドハーフが外切りをしながら睨みを利かせる。
そこから横パスが入れば、一気にハイプレッシングを仕掛ける。パスミスを誘発したり、楔パスを取り切ることで仙台はカウンターやボール保持などに局面を移行させていく。
この試合の仙台はとにかくボールホルダーへの寄せが早く、もし一列目の守備を越えられたとしても後方の選手のカバーリングやスライドで対応し、札幌に簡単に運ばせない。水戸戦、山形戦に続いて強度の高い守備を行うことが出来ていた。
(2)ファジーな山内と背後を狙い続ける2トップ
仙台はボールを保持できるようになっていくと、札幌のマンツーマン気味の守備に対して上手く手前と背後を利用して攻撃していく。

札幌は5-2-3のミドルブロックを軸に、自陣では5-4-1の守備に切り替わる。
基本的にはディフェンスラインを高くして前線からの積極的なプレッシングを狙っていたが、前半20分すぎからはミドルブロックへと切り替わっていった。
札幌の3-2の前線守備に対して仙台はセンターバックとダブルボランチがボールを動かしながら、時にはサイドを使ったり、時には3-2のブロック内でボランチが受けるなどして効果的にボールを動かすことが出来ていた。
前線では、山内が札幌の5バックとダブルボランチの中間ポジションに顔を出すことでボールを引き出し、ボランチからボールを受ければ狭いスペースでボールを受けてドリブルやパス、時にはフリックして2トップを走らせるようなパスを繰り出していく。
ファジーなポジションを取る山内に対してマンツーマン気味で守る札幌は誰がどこまで付いていくかが曖昧になって、札幌にとって非常に厄介な存在となっていた。
そこに加えて2トップは背後への抜け出しを意識的に行っていく。札幌の3バックは前で潰す意識が高いゆえに背後のカバーリング意識が甘い。よって宮崎や郷家の抜け出しで簡単に背後を取ることができ、そこから札幌を押し込むことが出来ていた。
札幌の守備はややアラートさに欠けるために、ディフェンスラインの前と後ろをうまく活用することで、札幌の陣形を崩していくことに成功し、ゴールに迫っていった。
チャンスを作り出していたことで、少しずつゴールに迫っていった仙台は、39分に均衡を破る。
CLIP📹
— ベガルタ仙台【公式】 (@vega_official_) 2025年9月27日
🦅明治安田J2 第31節
🆚北海道コンサドーレ札幌
⚪️3‐0
🗓9/27 SAT 14:00
🏟️大和ハウス プレミストドーム
🦅先制点は #相良竜之介 & #宮崎鴻 のフリック&ワンツーから巻いたボール✨
空中戦を競り勝った #奥山政幸 のガッツポーズも🫶#VEGALTA #PASSION_限界を超えろ #31札幌 pic.twitter.com/kCa3PBXlUf
山内の素早いリスタートから奥山が折り返すと、相良と宮崎のワンツーで崩して、相良が高木との1vs1を制して冷静に流し込んだ。
このシーンでもファウルになった直後の札幌の選手たちは戻りが遅く、反対に奥山は機転を利かして高い位置を取ったことで生まれたゴールとなった。
常に集中力を保っていた仙台が、札幌の隙を突いた得点となった。
その後も札幌陣内でプレーする時間を増やすと、前半ラストプレーで追加点を決める。
CLIP📹
— ベガルタ仙台【公式】 (@vega_official_) 2025年9月27日
🦅明治安田J2 第31節
🆚北海道コンサドーレ札幌
⚪️3‐0
🗓9/27 SAT 14:00
🏟️大和ハウス プレミストドーム
前半終了間際の追加点🔥#山内日向汰 のゴラッソ。ただ、ただゴラッソ。#VEGALTA #PASSION_限界を超えろ #31札幌 pic.twitter.com/F03g01iZCA
きっかけは郷家と相良がコーナーフラッグでキープしたところから。一度はクリアされたものの、素早い切り替えから相良が再びボールを奪うと中央の宮崎へ。宮崎のキープに対して高嶺が寄せたところでファウルをもらい、フリーキックのチャンスを獲得する。
そのフリーキックは山内が沈めて、仙台は前半ラストプレーで札幌を引き離す。山内のキックは文句なし。素晴らしい軌道でゴールへと吸い込まれた。
前半は、前線からのハイプレッシングで主導権を握り、ボールを持っては札幌ディフェンスラインの手前と背後を上手く利用することで揺さぶりながらゴールへと結びつけ、2点リードで後半へと折り返した。
後半
(1)手を緩めず主導権を握り続ける仙台
後半序盤は、2点を追う札幌が攻撃に出て行く。47分には高嶺がミドルシュートを放ち、49分には高嶺のアーリークロスにファーサイドで近藤が狙う。53分には高尾のスルーパスを受けたスパチョークがゴールを狙うも決め切ることが出来なかった。
仙台としては序盤の時間でシュートは打たれたものの、いずれのシュートもしっかり体を寄せており、そこまで危険なシーンにはならなかった。
その後は前から死なばもろともにプレッシングでボールを奪いに来る札幌に対して、効果的にボールの動かし方で仙台がゲームを進めていく。

特に札幌の両ウイングバックが前半よりも高い位置でプレーするようになったことで、ウイングバックの背後を利用したロングボールが効果的に。ディフェンスラインからのロングフィードに郷家が抜け出し、盤面をひっくり返すシーンをいくつか作り出すと再び仙台が主導権を握ってプレーしていく。
後半は前からボールを奪いに行きたい札幌に対して、仙台は前述のロングボールを活用することで札幌を間延びさせて、中盤でセカンドボールを回収することで敵陣でのプレータイムを増やしていった。
60分には鎌田がセカンドボールを回収し、山内へ繋ぐとそのままドリブルで仕掛けてシュートを狙うが、ゴール右へと外れた。
また前半の仙台は札幌にカウンターを許すシーンも少なからずあったが、後半はカウンターを発動させないために、前半よりも強度を高めて素早いネガティブトランジションで寄せていき、札幌にカウンターを発動させない。奪えなくても攻撃を遅らせることでしっかりミドルブロックを形成して札幌のボール保持攻撃に対抗していった。
後半も手を緩めずにしっかりゲームをコントロールできていた仙台だった。
(2)ダメ押しの3点目
札幌は60分に3枚替え。家泉、木戸、スパチョークに代えて中村、宮澤、マリオ・セルジオを投入する。中村、宮澤で後方のボール保持を安定させながら、前線にはターゲットになれるマリオ・セルジオを入れて攻撃に変化を加えようとした。
続く73分には白井に代えてバカヨコ、78分にはパク・ミンジェに代えて田中宏武を投入し5枚の交代カードを切り終えた。
仙台は、疲れの見え始めた選手を変えることで守備強度を保ちながらも3点目を狙いに行く。65分に奥山と山内に代えて石尾と髙田を投入。真瀬が久しぶりに右サイドハーフへポジションを上げた。
79分には相良と宮崎に代えてエロンと中田を投入。郷家を左サイドハーフに配置する。中田を投入することによって、セットプレーの高さ対策も抜かりなく行う森山監督だった。
そしてダメ押しの3点目が入ったのは83分だった。
CLIP📹
— ベガルタ仙台【公式】 (@vega_official_) 2025年9月27日
🦅明治安田J2 第31節
🆚北海道コンサドーレ札幌
⚪️3‐0
🗓9/27 SAT 14:00
🏟️大和ハウス プレミストドーム
球際で負けないプレーの連続から生まれたゴール😤#鎌田大夢 のどのパスコースでもない冷静なラストパス🤯走り込んだ #石尾陸登 が一閃✨#VEGALTA #PASSION_限界を超え pic.twitter.com/6qIffirLAP
高木のロングキックを回収すると、中田が近藤をスクリーンして鎌田にボールが渡る。鎌田はドリブルで相手を引き付け、落ち着いてラストパスを送り、最後は走り込んできた石尾が決めた。
球際で勝ち、最後まで足を止めることなく仕掛けた仙台が試合を決定付ける3点目を決めることが出来た。
仙台はラストのカードで鎌田に代えて工藤を投入しゲームのクロージングさせに行く。工藤も短い時間ながらも、ストロングポイントである読みの早さでボールを回収するなど存在感を示せた。
アディショナルタイム5分もしっかり守り切った仙台が3-0で勝利。2試合連続3ゴールで、久しぶりの連勝。自動昇格圏に勝点2で縮める勝利となった。
最後に・・・
個々人の技術が高い札幌に対して90分通して手を緩めることなく、プレッシングを掛け続けたことで主導権を握り続け、3ゴールを奪うことが出来た。まさに完勝と言っていい内容だった。
ここ3試合続けて先制されていたが、今節はようやく先制点を奪い、前半ラストプレーには追加点が取れた。特に追加点を取れたことは精神的に楽になり、余裕を持って後半はゲームを進めることが出来た。
そんな追加点を決めた山内は攻守において見事な活躍。移籍後初スタメンとなったが、攻撃ではファジーな位置取りからアイデアあふれるプレーと仕掛けで違いを見せて、守備でも奪われた後の切り替えが早く、ハードワーク出来ていた。
荒木、武田が不在のなかで山内のような選手の活躍は大きな収穫であり、選手層の厚さを見せつけることが出来た。また、山内の活躍のようにこの試合で出場できず、悔しい想いをした選手の更なる台頭を期待したい。
次節はホームに帰ってRB大宮アルディージャとの対戦。大宮とは何と言っても前半戦の完敗をリベンジしたいという気持ちが強い。大宮は、長澤徹監督が解任となり、RBザルツブルグでコーチを歴任した宮沢悠生氏が就任。連敗中だったがジュビロ磐田との激戦を制してユアスタへ乗り込んでくる。
仙台としては、このいい守備からいい攻撃へという流れを継続しながら、大宮に優る強度でこの上位対決に勝ちたいところ。とにかく球際での攻防が勝敗を左右するだろう。局面で負けないことがこの試合のカギを握る。
やるべきことは変えずに、さらに強度を上げていき、大宮に襲い掛かっていきたい。5月のリベンジを果たし、さらに連勝を伸ばして欲しい!!
ハイライト