ヒグのサッカー分析ブログ

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【ここが耐えどき】明治安田J2第15節 カターレ富山vsベガルタ仙台

 さて、今回はカターレ富山戦を振り返ります。

☆前節のレビュー

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スタメン

 ベガルタ仙台は、前節・RB大宮アルディージャに1-2で敗れて今シーズン初の連敗。前々節のアルビレックス新潟戦同様に、クオリティの高い相手攻撃陣に一瞬の隙を突かれて複数失点を喫した。

 またマテウス・モラエスも筋肉系トラブルで負傷離脱と、連戦の最中で守備陣の層が薄くなる緊急事態。中2日で迎える今節は、攻撃力が自慢のカターレ富山だけに、押し込まれる苦しい展開が予想されるが、なんとか耐えて1点をもぎ取り連敗を阻止したい一戦となった。

 今節は5人のメンバーを入れ替え。左バックに奥山がスタートから入り、ボランチには今シーズン初先発の工藤、右ウイングバックに相良、左シャドーに浅倉、ワントップに宮崎が起用された。ベンチには怪我から帰ってきた五十嵐がメンバー入りとなっている。

 

 一方のカターレ富山は、前節・アルビレックス新潟に3-2で競り勝ち、ビッグスワンで初めて土を付けたチームとなった。百年構想リーグの好調そのままに今シーズンも上位に位置しており、その実力は本物。特に攻撃力があり、26得点はリーグ2位の数字。

 今節は百年構想リーグ決勝で敗れた仙台が相手だけに、上位対決以上に譲れない、リベンジを果たしたい試合となる。ここで勝てば順位が入れ替わるだけに、是が非でもホームで勝利を挙げたい一戦となった。

 富山は、センターバックの主軸だった岡本が前節負傷交代。代わりにカン・ミヌが3バックの中央に起用され、左バックには香川が起用された。また左ウイングバックに溝口、右ウイングバックに髙橋という両ワイドの配置。ベンチには前節決勝ゴールを決めた坪井や古巣対戦となる中島らが控える。

 

前半

(1)宮崎をターゲットにしたロングボールと浅倉の地上戦

 試合序盤から仙台は宮崎をターゲットにしたロングボールで前線に起点を作ろうとした。

 宮崎も後方から送られてくるロングボールに対して、しっかり頭で味方に落とすことで前進するシーンは作れていた。

 また、浅倉は地上戦において、自ら前を向いてドリブルで運ぶことで富山陣内へと侵入していく。

 試合序盤は彼ら2人の働きによって、相手陣内でのプレー回数を増やすことは出来たが、ペナルティエリア近くでフィニッシュまで持っていくことは出来ずに序盤の時間帯が過ぎていった。

 

 徐々に富山も宮崎との競り合いと浅倉の足元に対して厳しくマークをすることで、仙台は徐々にポイントを作る場所を失っていく。

 それでも右サイドでは武田、相良、岩渕を中心にボールを前進させていく。特に菅田から右ハイサイドを狙ったボールで深い位置まで取ることは出来ていたが、攻撃をやり切る回数は少なく、良くてコーナーキックを獲得するまでに留まっていた。

 

(2)多数のパスコースを形成する富山のボール保持攻撃

 仙台が攻めきれずにいると、宮崎と浅倉を抑え始めた富山がボールを奪い返して、自分たちがボールを保持する展開に持っていく。

 百年構想リーグ決勝でも感じたが、富山のボール保持は常に多数のパスコースを形成することで地上戦で繋いでゴール前まで運び崩しに掛かる。

 ボール保持の中心は谷本と竹中で、彼らは横並びというよりは斜めの位置関係になって角度を作ってパスコースを作りながら運ぶ。

 ダブルボランチに相手マーカーが食いついたら遅れてキム・テウォンがシャドーの位置から降りて3人目の中盤となりボランチの背後でボールを受ける。

 そんなキム・テウォンの動きに呼応して小川は積極的な背後へのランニングで仙台のディフェンスラインを押し下げ、古川は真ん中で楔パスを受ける役目を担う。

 またサイドにボールがあるときは、ボールサイドに人を掛けてオーバーロードで攻めていく。このときにもボールホルダーに対して平行(横)のサポートと斜めのサポート、そして背後へ抜ける選手がおり、常に数多くのパスコースを作りながら攻めていく。

 ペナルティエリア内でも、3人以上の関係が出来ているので、相手守備としては掴まえづらく、少しでも前が空いてればシュートを狙う姿勢もあった。

 

 対する仙台は、5-4-1ないしは5-3-2の守備ブロックで構える。その中でも武田は富山の心臓である谷本を掴まえに行くために前に出て守備を行うシーンが何回か見られた。

 その代わり工藤はアンカー気味に中盤のフィルター役を担う形になる。

 武田がリスクを負って掴まえにいくぶん、どうしても降りてくるキム・テウォンへはパスが通される場面があったが、富山の前線3枚に対して仙台は3バックがマークを受け渡ししながら、迎撃守備と背後のカバーリングを行う。

 ただ、キム・テウォンの降りる距離が遠いと髙田はなかなか掴まえに行けずに、そこを逃がして自陣で守備ブロックを形成する時間が長くなっていった。

 

 富山のパスワークと背後への抜け出しに対して、仙台も徐々にスタミナを削られて、なかなか前から行けない状態となっていった。

 次第に富山が仙台陣内でボールを握って押し込む時間が長くなっていき、仙台としても自陣で耐える時間が長くなっていく。

 24分にはキム・テウォンのシュートがバーをヒットし、35分にもキム・テウォン、39分にも古川にシュートを打たれるが、枠を逸れていった。

 

 中2日の連戦、しかもアウェイでの戦いで疲労が溜まるなか、仙台は耐える時間が続く。ボールを奪ってもカウンターでゴールに狙いに行くというよりは、ボールを持ちながら、呼吸を整える時間に当てていた。それだけ前半から苦しい試合を強いられていたのだろう。

 前半は、富山の攻撃をなんとか耐え抜いてスコアレスで折り返す。

 

後半

(1)梅木の投入で前線から追い掛け回す仙台

 仙台は後半開始から宮崎に代わって梅木。富山は小川に代わって國武を投入する。

 

 前半の仙台は、富山のボール保持攻撃に自陣で耐え凌ぐ時間が増えていき、苦しい展開となった。

 後半は梅木を投入したことで、まずはシンプルに梅木を狙ったロングボールで起点を作る。宮崎と違って梅木は広範囲に動きながら相手と競り合いができる。特に林のロングボールに対して富山のボランチと競り合うことで、ポイントを作ることができていた。

 また、梅木が入ったことで前線から追い掛け回すことで、前線から制限できるようになっていく。高い位置でボールを奪って、そのまま攻撃に転じる場面も増えていった。

 49分には押し込んだ二次攻撃から右サイドに展開。相良のクロスに岩渕が合わせるも平尾の正面に飛ぶ。

 

 一方の富山も、前半のように地上戦で進めながらも、前半よりもシンプルに背後へ1本のパスで前進することが多くなった。

 ハイサイドで起点を作って、仙台を押し込むことで前半同様にダブルボランチを中心に地上戦からコンビネーションで崩しに掛かる。

 52分には溝口に代わって松岡が投入され、右ウイングバックに起用される。それに伴い髙橋が左ウイングバックに配置されたが、この交代後から両サイドを起点にウイングバックが縦に仕掛けたり、ウイングバックのキープからオーバーラップで3バックが上がってきてクロスを上げるシーンも増えていく。

 中央からサイドからとあらゆる攻め手を使って仙台を揺さぶることで、徐々にゴールへと迫っていく。

 

(2)鎌田、中島、荒木の投入で変化を加えようとする仙台

 梅木を起点に攻守で修正を図った仙台だったが、気が付けば前半同様に押し込まれる時間が長くなっていく。それでも林と3バックを中心に耐えながら無失点を継続し、交代カードで流れを変えていこうとした。

 

 56分に工藤に代わって鎌田を投入。まずは中盤の底で武田とともにボールを握って押し返そうという狙いの交代だった。

 続いて62分には浅倉と岩渕に代えて中島と荒木を投入。中島のパンチ力とラストパス、荒木の機動力を期待しての交代だった。

 彼ら3人が投入されたことで、少しずつ押し返すことはできていたし、チャンスも作れていた。64分には林のパントキックに反応した梅木が落とすと、荒木がミドルシュートを放つ。これがバーにヒットし、そのこぼれを荒木自身が拾ってゴール右隅に流し込んだものの、トラップ時のハンドを取られてノーゴールとなった。

 

 少しずつ押し返せるようになった仙台だったが、68分にゲームを均衡を破られる。

 中盤での攻防からボールを奪われキム・テウォンへ縦パスが入る。キム・テウォンのポストプレーを潰し切れずに國武に通されると一気にドリブル突破で前進。そのままファーサイドへクロスを送られると髙橋に流し込まれて先制点を奪われる。

 

 少しずつ押し返せていた展開のなかで、中盤での攻防に敗れ、キム・テウォンを潰し切れなかった。結果的に富山に速攻の機会を与えて失点を喫してしまった。

 

(3)ベテラン勢の力を借りながら逃げ切る富山

 追う展開となった仙台は、中盤で鎌田と武田が丁寧にゲームを作りながら、サイドのコンビネーションで突破を目指す。

 特に右サイドの髙田もここまでは攻め上がる回数も少なかったが、リスクを負って攻め上がると、武田のスルーパスに反応してクロスを上げるが、中と合わない。

 81分には相良に代えて小林を投入。右サイドに荒木を配置し、小林が右シャドーとなった。小林が積極的に背後へランニングを繰り返すことで、富山のディフェンスラインを押し下げ、空いたスペースで中島や武田がボールを受ける場面は相当数作れたが、富山も自陣で人数を掛けて守る方向に舵を切っていたため、なかなか攻め込めない。

 

 富山も81分に香川とキム・テウォンに代わって今瀬と中島を投入。ベテランの投入で、しっかり守備を締めながら、1点を守り切る意識を高めた。

 

 仙台は、前節の終盤のように菅田をパワープレーで上げるのではなく、丁寧に攻め込むことを選択。中盤でボールを動かしながら両サイドからクロスを送るも、中央を固める富山に弾き返されるばかりだった。

 アディショナルタイム4分間も最後までゴールを決めることが出来ずにタイムアップ。

 仙台は上位勢3チームに3連敗を喫する格好となった。

 

最後に・・・

 中2日でのアウェイ、しかも負傷離脱者も多く、今シーズン一番苦しい状況での試合であったことは確かだった。

 前半から富山のボール保持攻撃に、足を動かされ、スタミナを削られてしまい、攻撃に出て行くパワーを失った。

 それでも守備で持ちこたえながら、交代カードで息を吹き返すゲームプランだったのだろう。梅木、鎌田、中島、荒木を順に投入して攻撃にパワーを復活させるベンチワークは決して悪いものではなかったと思う。

 しかしながら、少ない勝ち筋を残していくなかで、今節も中盤で潰し切れずに速攻から失点を喫してしまったのは課題となった。本来、フィルター役として中盤で使いたい松井が不在で、奥山も台所事情により3バックの一角でプレーせざるを得ない。ディフェンスラインもカバーリング能力に長けたマテウス・モラエスや井上もいないとなると、やはり速攻への対応は厳しくなる。

 まずは負傷離脱者が早く戻ってくることを願いながら、いるメンバーでやりくりしていくしかないだろう。

 守備ではコンパクトさを保つことができれば、ある程度守れると思うので、なるべくオープンにせずコンパクトさを意識しながら、まずは無失点でゲームを進めることが求められるだろう。

 

 次節で3連戦も終わる。中4日で今度はホームにヴァンフォーレ甲府を迎える。百年構想リーグでは地域ラウンドで首位となり、仙台とも準決勝で相まみえたが、今シーズンはここまで最下位とかなり苦しい戦いを強いられている。

 苦しい状況の甲府なだけに、ホームで勝点3は必ず欲しいところだが、勝ち急いでしまっては、また隙が生まれてしまう。まずはしっかりとした組織的な守備で無失点でゲームを進めながら、先制点を奪いたいところだ。リードしていれば、自ずと相手も出てくるので、そこでカウンターで追加点を奪い、勝点3を引き寄せたい。今シーズンの仙台はまさにこれが勝ちパターンだっただけに、この戦いを忘れずにしたいところ。

 森山体制になって3連敗は初めてだが、ここで崩れては意味がない。まだまだ上位は団子状態であるし、一戦一戦しっかり戦って勝点を稼いでいけば、自ずと順位も上がっていくはずだ。

 苦しい台所事情は続くだろうが、ここは踏ん張りどころ、まずは自分たちが勝ててきた戦いを思い出し、そしてその戦いをユアスタで表現することで、勝点3を引き寄せて欲しい!!

 

ハイライト


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公式記録

【タフな守備を取り戻せ!】明治安田J2第14節 ベガルタ仙台vsRB大宮アルディージャ

 さて、今回はRB大宮アルディージャ戦を振り返ります。

☆前節のレビュー

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スタメン

 ベガルタ仙台は、前節・アルビレックス新潟との首位攻防戦に1-2で敗戦。杉山の今シーズン初ゴールで先制するも、その後はミスを突かれてロングカウンターから2失点を喫し逆転負け。決して悪い内容の試合ではなかっただけに、ミスが響いた試合となった。

 仕切り直しとなる今節から再び連戦が始まる。今節の相手はRB大宮アルディージャで、1位と6位の上位直接対決となる。新潟同様に前線にはリーグ屈指のタレントを擁しているだけに、隙を作らずにいかに攻め切るかがポイントとなる。優勝・昇格を目指すためにも連敗は許されない試合で、ホームの勢いを持って挑みたい一戦となった。

 仙台は第1子が誕生した梅木が戦線復帰となり、2トップの一角に起用された。ベンチには前節スタメンだった宮崎らが入り、大きなメンバー変更はなかった。

 

 一方のRB大宮アルディージャは、前節・横浜FCと2-2の引き分け。直近3試合勝てておらず、6位まで順位を落とした。今シーズンからスペイン人のナルシル・ペラッチ・ナダル監督が率いており、ハイライン・ハイプレッシングをベースに若手選手の積極的な起用をしながら昇格を狙う。

 直近では、そのハイラインの背後を狙われて失点していることもあり、チームスタイルを維持しながら、そのような失点をいかに減らしていくかが問われる。

 首位との対戦で勝てば勝点差が3に縮まるだけに、この6ポインターを制したいところだ。

 大宮は、加藤玄が出場停止となっており、前節から4人のメンバーを入れ替えて、システムも4-2-3-1を採用。センターバックにガブリエウ、右サイドバックに関口、ダブルボランチを中山とエドワード真秀が組み、トップ下に山本が起用されている。ベンチには16歳の迫田や18歳の小林などの若い面々や豊川、杉本らベテラン勢も控えている。

 

前半

(1)大宮のボール保持との向き合い方

 仙台は開始早々にアクシデントに襲われる。カプリーニにプレッシャーを掛けに行こうとしたマテウス・モラエスが筋肉系のトラブルで交代を余儀なくされる。開始7分で鎌田と交代となり、奥山が左バックに入った。

 

 試合序盤は大宮のビルドアップとそこへプレッシングを掛ける仙台の構図で試合が進んでいく。

 大宮のビルドアップを整理すると、右サイドで可変をする形になっていた。ダブルボランチでエドワードが内側に位置し、右ウイングのカプリーニが落ちてくる。この動きにより関口が高い位置に張り出して石井をピン留めする。

 対する仙台は、前線3枚がセンターバックやゴールキーパーへプレッシングを掛けに行こうとするが、落ちてくるカプリーニと中央でパスコースを作るエドワードに出口を作られて、簡単に前進を許してしまっていた。

 大宮はそこからダイナミックに両サイドに張り出す関口と泉へ展開して、一気にサイドから仕掛けようというのが狙いだった。

 前半序盤は、大宮が自陣から中盤を経由して前進することで、仙台陣内で押し込む時間帯を作り出していた。

 

 なかなかプレッシングがハマらない仙台は、15分すぎから守備の基準点を修正する。

 今度は前線3枚の守備基準点を大宮のダブルボランチに設定することで、ミドルブロックへ移行する。大宮のセンターバックやゴールキーパーにはボールを持たせながら、横パスが入ったときにはプレッシングをチャレンジするが、基本的にはコンパクトに陣形を維持することで組織的な守備が構築できた。

 特にミドルブロックへ移行したことで両サイドの守備が安定。左サイドでは奥山と石井の関係性が良くなり、石井は対面の関口を監視しながら奥山はカプリーニへプレッシャーを掛けるようになる。

 右サイドでも髙田が泉を管理しながら、いざというときは杉山もプレスバックしてダブルチームで泉を抑えに掛かる。この20分すぎから守備が安定し始めて、次第に仙台がペースを握るようになっていった。

 

(2)カプリーニ周辺と梅木をターゲットにした前進

 攻撃時の仙台の前進方法を主に2つだった。

 1つ目はカプリーニ周辺を利用した前進。4-2-4ないしは4-4-2でミドルブロックを形成する大宮だったが、カプリーニにところは守備がルーズで奥山から石井にボールが渡ったときは、カプリーニは攻め残るためにプレスバックをしてこない。

 石井はカプリーニと関口の間のポジションでボールを受けることで攻撃の起点となる。石井にボールが渡れば、中島は関口の背後を取るランニングでボールを引き出したり、梅木や岩渕は大宮ディフェンスラインの選手間を積極的にランニングすることで、ハイラインを敷くディフェンスラインをブレイクしていこうとする。

 そこに対して石井も中島を使ったり、梅木と岩渕を目掛けてアーリークロスを送るが、これが後半の同点ゴールにも繋がってくる。

 また押し込んだときには、武田と鎌田を中心に揺さぶりながら押し込んでいく。結果的に鎌田が早い段階で中盤の底でプレーしたため、押し込んだときの攻撃のアイデアを早い時間から出すことは出来た。

 

 もう1つは梅木をターゲットにしたロングフィードだった。この試合では比較的梅木が競り勝つことが出来ており、梅木の周辺を衛生的に動く岩渕がセカンドボールを回収してチャンスメイクするシーンは多かった。

 14分には梅木が競り勝ったボールを起点に岩渕と杉山の連携から岩渕が右サイドを抜け出してマイナスクロスを送ると、中島が強振するもののトム・グローバーにセーブされる。

 19分にも梅木の競ったボールを岩渕が回収して、右サイドを強襲。髙田がポケットに侵入して岩渕を経由して、またも中島が狙うもゴール右へと逸れた。

 その後も数多くゴールに迫ったのは仙台で、そのうち1つでもチャンスを活かせれば良かったが、トム・グローバーに阻まれるシーンが続いていった。

 

(3)再び一瞬の隙から失点

 守備の安定からペースを握ってチャンス数も仙台の方が数多く作っていたなかで、前節同様に一瞬の隙を大宮に突かれてしまう。

 きっかけとなったのは、仙台のチャンスシーンから。菅田のロングフィードに抜け出した梅木が左足でゴールを狙うもトム・グローバーの正面に飛ぶ。

 トム・グローバーは素早くエドワードにボールを渡して、ドリブルで陣地を進める。仙台のダブルボランチの間から顔を出した山本へ縦パスを通し、泉へパスしたところでスピードアップ。泉はカルリーニョス・ジュニオへパスを送って自身が潜り込んでいくと、冷静に右足で流し込んで、大宮が先制点を奪う。

 一瞬の隙からクオリティの高さを発揮した大宮と、一瞬の隙を作らせてしまった仙台だった。山本へ渡った時点で菅田が前に出て守備をした結果、最終的にカルリーニョス・ジュニオへの対応が遅れて、泉のところでエアポケットを作らせてしまった。

 前節同様に、オープンな状況になった瞬間に個人能力の高い相手にチャンスを作られて失点を喫してしまう格好となってしまった。

 

 前半は、守備の安定から攻撃に繋いでチャンスを作っていた仙台だったが、大宮の一瞬の隙を突かれて先制され、前半を1点ビハインドで折り返す。

 

後半

(1)セカンドボールの回収と前半の伏線回収

 両チームともに交代なしでスタートした後半。仙台とすれば、決して悪い流れではなかったため、後半も継続していきたいという意思を感じた。

 後半序盤も前半同様に梅木へのロングボールから活路を見出す。前半と変わったのはセカンドボールへの意識で、特に大宮がカウンターを発動しようというところで武田と鎌田が遮断し、自分たちのターンへと持っていけた。前半の失点では、彼らが中盤で引っ掛けられずに失点を喫していたので、森山監督から厳しく言われたのかもしれない。

 ダブルボランチが頑張ってセカンドボールを回収したところからチャンスを作り出していくようになる。50分には武田がセカンドボールを回収し、鎌田→中島を経由してゴール前の岩渕へ。岩渕は相手を背負いながらも杉山へスルーパスを送り、杉山がゴールを狙うもサイドネットに外れる。

 しかし、前半同様にいい守備からいい攻撃へ繋いでいくと、53分に追い付く。

 鎌田とカルリーニョス・ジュニオが競ったところでプレーが止まり、仙台のドロップボールで再開すると、奥山から石井へ展開。石井は早めのアーリークロスを送ると岩渕がジャンピングボレーでネットを突き刺して同点に追い付く。

 ドロップボールからの再開で大宮に隙が生まれていたことは確かだが、前半から前進ルートとなっていたカプリーニ周辺エリアから石井がフリーでボールを受けれたことで高精度のクロスを繰り出せた。ここ最近ゴールが取れていなかった岩渕にもスーパーゴールが生まれたことで、スタジアムの雰囲気は一気に逆転ムードを高めていった。

 そのままイケイケ状態で押し込んだ仙台は、続く56分にも菅田からのフィードを受けた石井からポケットへ侵入した中島へ。中島のクロスに岩渕が合わせるもポストをヒット。

 そのこぼれから武田がトム・グローバーが倒されたかに見えたがノーファウルの判定となった。一連の流れが良かったので決めたかったところ。また、武田が倒されてPKではなかった場合はシミュレーションで武田にイエローカードが提示されてもおかしくなかったが、提示されなかったのは不思議だった。仙台としてはリーチとなっている武田にカードが出なかったのはラッキーだったが(笑)

 

(2)左サイドの攻撃を修正した大宮

 逆転ムードの高まるスタジアムだったが、大宮は冷静さを取り戻そうとボール保持からゲームを落ち着かせる。そんな大宮は、前半の攻撃から修正を図っていた。

 主に修正したのは左サイドの攻撃で、前半は泉の単騎での仕掛けがメインだったが、仙台も髙田と杉山がダブルチームで防ぐことが出来ていた。

 後半は髙田のところに山本が走ることで、髙田が泉へ寄せに行けなくなる。そうなると杉山は泉を見なければならなくなり、今度は左サイドバックの加藤聖が空くようになって、大宮がそこから前進していくようになる。また山本がサイドへ流れるようになったため、今度はカプリーニが中央に位置してバランスを調整するようにもなった。

 59分には、そんな左サイドを起点に加藤聖から中央で受けたカプリーニがループパス。抜け出したカルリーニョス・ジュニオはシュートを打てなかったが、こぼれを関口、エドワードと狙い、さらにそのこぼれを山本が押し込むもオフサイドの判定となった。

 しかし、その4分後に大宮は勝ち越しに成功する。

 左サイドから流れていたカルリーニョス・ジュニオが仕掛けて杉山と髙田を引き付けるとオーバーラップした泉へスイッチ。泉のシュートは林が阻むものの、弾いたところで山本に当たりゴールへと吸い込まれていった。

 このシーンの起点も狙っていたものの、中山から加藤聖へパスを出したところで、フリーで前進できており、加藤聖が運んだところで杉山と武田が寄せたものの、降りてきたカルリーニョス・ジュニオを経由して背後の泉へ通されたところからの侵入だった。

 このシーンだけで見れば、岩渕が加藤聖に対してプレスバックして対応したかった場面だったし、杉山と武田はどちらが出るのかはっきりしたかった。

 失点シーンでは後方からオーバーラップした泉に誰も付いていけず、アラートさに欠けてしまったのも悔いが残る。今治戦でもあったが、後方から駆け上がる相手選手への対応が甘く、仙台らしい集中力の高い守備が出来ていないのもこういう部分が抜けているからだろう。

 同点に追い付けたものの、その10分後に再び大宮に突き放されてしまった。

 

(3)選手交代で攻め手を見出そうとする仙台と両サイドを締める大宮

 失点直後の仙台は、65分に菅田の楔パスから鎌田が中央で受けて梅木へスルーパス。梅木はカットインして左足でゴールを狙うもトム・グローバーにセーブされる。

 

 仙台は70分に杉山と岩渕を下げて相良と浅倉を投入。80分には武田と梅木を下げて荒木と小林を投入し、中島と鎌田をダブルボランチにする攻撃的な布陣で同点を目指す。

 

 一方の大宮も勝ち越したことで、改めて守備を見つめ直す。特に前進を許していたカプリーニだったが、リード後は少し下がった位置で石井に対応するようになり、時には5バックのようになることもあった。

 大宮は75分にカプリーニとカルリーニョス・ジュニオに代えて小林と豊川を投入する。小林は石井のケアを任し、機動力のある豊川は前線での追い回しを期待されての投入だった。

 

 両サイドをケアされ始めた仙台は、少しずつ攻めあぐねる時間が増えていくも、中央でほじっていける浅倉が入ったことで、中央突破から打開を図ろうともした。

 84分には石井の横パスから浅倉が相良に落としてゴール右隅を狙うも僅かに外れる。87分にもセカンドボールを奪って中島が小林へスルーパスを送り、抜け出した小林が右足を振るもゴール左へと逸れた。

 

 大宮はエドワードに代えて西尾を投入。5バックへシステム変更し、逃げ切りを狙う。

 アディショナルタイムは9分と非常に長い時間あり、チャンスを作るのには十分な時間が与えられた。そんな仙台は、菅田を前線に上げてパワープレーから同点ゴールを目指すも、逆に攻撃が雑になり、大宮を守りやすくしてしまった。テクニックのある浅倉や潜っていける荒木らがいたので、もう少しサイドで揺さぶったり、引き付けてから菅田や小林を狙ったボールを送れれば良かったが、焦りからか菅田へのロングボール一辺倒になってしまった。

 

 アディショナルタイム9分間も集中した大宮の守備陣を前にゴールを割ることが出来ずに試合終了。前節に続いて敗れた仙台は連敗となり、ホーム初黒星を喫した。

 

最後に・・・

 新潟に続き上位勢の大宮にも敗れ、手痛い連敗となった。試合内容も前節同様にいい内容で戦えていたなかで、一瞬の隙を突かれての失点だった。

 どうしても攻撃時に速攻を狙いたいし、そこに人数を掛けるため、奪われたときにはカウンターのリスクが高まる。そこを上位の攻撃陣は見逃さないし、しっかりゴールを奪ってくる。

 ゴール数は増えている一方で失点数が増えているのは、自分たちが攻撃時にリスクを負っているためで、それが下位チームだと守れたり、ミスに助けらえるが、上位の相手は見逃してくれない。

 

 悪い内容ではないが、1つの隙や守備の甘さでの失点がここ数試合続ている。まずは守備の引き締めが大事になってくるだろう。もう1回仙台らしい体を投げ出して守るようなパッション溢れた守備をしていきたい。そのためには個々の集中度もだし、守備時のコンパクトさが大事になってくる。

 次節は中2日でのアウェイ・カターレ富山戦。百年構想リーグ決勝で戦ったが、決して新潟や大宮のような個人能力の高い選手はいないが、組織としての攻撃力はリーグ屈指だ。だからこそ守備の集中力やコンパクトさ、戦う姿勢が求められる。

 今節でマテウス・モラエスが負傷し、井上、五十嵐、松井ら守備陣の負傷が相次ぎ、台所事情はかなり苦しいなかでの連戦となる。こんなときこそチャンスを掴んだ選手たちに期待したいところだ。厳しい連戦だからこそ、本当の意味での総力戦となる。

 まずは自分たちのベースとなる守備の厳しさ、タフさを発揮したい。富山の攻撃に苦しむ時間帯は長くなるかもしれないが、チャンスがないわけではない。泥臭くハードワークして、チャンスを活かして、勝点をもぎ取って欲しい!!

 

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