ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1第6節 浦和レッズvsベガルタ仙台+ここまで振り返って

 未だ勝利のない仙台、今節は浦和とアウェイゲームだった。

 結果はご存知0-4の惨敗。。

 とういことで今回はいつもと内容を変え、浦和戦の感想を含めて、ここまでの仙台について個人的な意見を書きたいと思います。

 

浦和戦・・・

 まずは、浦和戦の感想だが、とにかく不甲斐ないし、残念で仕方がない。失点するまでの40分間はDFラインと中盤が適度な距離感を保ち、うまく守っていたように見えた。しかし、失点すると奪いに行かなければならないという焦りから前掛かりになり、浦和のカウンターの餌食になっていた。浦和に対してはどこもある程度の策を練って戦うのだが、仙台にはそれが見えず、明らかにいつも通りやっていた。浦和が特殊な戦い方をするのは、こういう一般的なやり方を崩すためであり、やはり浦和に対しては用意周到な対策が必要なのである(たとえそれが水曜日にナビスコがあろうと)。

 また攻撃でも4-4-2にした意図が分からず、結局4-2-3-1の時と同様に手詰まり感の否めない遅攻ばかりで、カウンターの数も、ウイルソンや武藤が前を向いてプレーする時間が少なかった。

 以上が浦和戦の感想である。

 

今シーズンについて

 今シーズンについて、一番素直に思うことは、優勝争いしてきたメンバーとほぼ変わらないはずなのに、監督ややり方が変わっただけで、これだけ結果が出ないということだ。ここがチームが生き物であるといわれる所以の1つなのかもしれない。

 仙台がこれだけ結果が出ない一番の理由はもちろん監督のチームマネジメントの部分であることは間違いない。

 前任の手倉森氏と比べることにする。ここでは、大きく2つのポイントに絞って、書きたいと思う。

 まず、1つはチーム作りの考え方に差があるという点である。手倉森氏の場合4年間のコーチをしていたこともあり、選手の特性もだし、チームの事情をよく知ったうえで監督になったために、チームとしての決まりごとはあるものの選手の特性を殺さないようにしていた。特に仙台の場合は菅井の神出鬼没の攻撃、富田のボール狩り、太田の縦の突破からのクロスに代表されるようにマルチではなく一級品の武器で勝負する選手が多く、けしてスーパーな選手がいないのでこのチーム作りには効果的なチーム作りだったといえる。おかげで選手ものびのびプレーし、ACLに出れるまでチームが成熟することができたのである。

 一方のアーニーはどちらかというと、自分が理想とするサッカーに選手を当てはめるタイプの監督であるということだ。だから、選手は前任者との考え方のギャップに困惑しているのだと思う。そして自分の持ち味を出せていないのだと思う。特に菅井はゴール前に飛び込むシーンが格段に少なくなり、苦手なクロスを上げ続ける試合が続いているのがアーニーの監督のタイプが見えるいい例だと思う。だから一見今までのシーズンと変わらないサッカーだと思ってしまうが、実は、監督の考え方のギャップがこの結果の陰に潜んでいると個人的には考える。

 もう1つは交代カードの切り方含めて、流れの悪い中の修正力とアイデアの豊富さに差があると思う。チームがシーズンの中ででも、試合中でも流れの悪いときに手倉森氏はいくつかのアイデアがあった。守備ラインを下げたり、相手のキーマンに監視役をつけたりとその場その時でうまく対応していたのに対し、アーニーにはあまりそういうアイデアがないと思う。特にこの間の甲府戦、勝っていたのにも関わらず明らかに選手の体力は甲府よりも消耗していた。この時にあえて守備ラインを下げたり、サイドにボールを集めてそこからゆっくり展開していくとか、いくらでもできたはずだが、それができなかった。これは個人の憶測だが過去率いていたオーストラリアのチームは、リーグのレベルから見てもトップの戦力を誇っていたのではないだろうか。だから修正しなくても勝てていたのだと個人的には考える。

 さて、これだけ書いていたが、ほぼ監督批判になってしまった。その気はないがやはりここまで結果が出ないと矛先は監督に向いてしまう。しかし、選手も同じく成長しなければいけないのは確か。いくら監督が代わってやり方が変わって、自分たちがいままでやってきたことができないからって昨季までのやり方に戻すまで待つのはいけない。やはり互いに歩み寄らないといけない。そして、昨年まで手倉森氏とともに戦ってきたコーチ、強化部長がアーニーにレクチャーすることも大事である。このチームは今まで以上に窮地に立たされているのだから・・・。

 たぶん、ここまで悪いといろんな形の修正の仕方がある。それが監督交代なのか、アーニーがやりたいようにできる環境を準備するのか、それとも違うやりかたか・・。とにかく変化がこのチームに必要なのは確かである。