ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

監督交代+J1第7節横浜F・マリノスvsベガルタ仙台

 昨日のマリノス戦を振り返る前に、監督交代について少し触れたいと思う。

 

 仙台は、水曜日にアーノルド監督を事実上の解任とし、後任としてヘッドコーチの渡邉晋氏を監督に就任すると発表した。成績が振るわなかった結果としてこれは、仕方のないことである。

 後々、様々な記事を読むとアーニーの要望をフロント側が応えきれなかったところでズレが生じたようだ。仙台には潤沢な資金があるわけではないし、クラブの規模も決して大きくない。よってフロントもなかなか応じられなかったのは想像に難くない。また、アーニーは若手をうまく育成させながら戦っていく監督だったらしく、ベテランと中堅層が厚い仙台はアーニーとしてやりずらい環境だったと思う。

 今回の解任について個人的には、やはり監督と選手、フロントが互いに歩み寄れきれなかったのが一番の原因ではないかと思う。前任が長かっただけに選手も慣れてしまい、違うことをやるのに違和感や戸惑いがあったのだと思うが、互いに互いのことを理解しようという部分が薄れていた。

 ただ、仙台のために努力してくれたアーニーには感謝したい。

 そして、渡邉新監督。気が付けば選手時代から仙台に14年も在籍している人である。2月にS級ライセンスが下りた新米だが、さっそく与えられた仕事がこれだからかなりハードな仕事になると思う。

 おそらくフロントとしては渡邉氏を監督にする計画はあったと思う。その前に様々な監督の下で経験を積ませてから昇格させようとしていたのではないだろうか。しかしこの状況になってしまったので早めに舵を切らぜるを得なくなったというところだろう。

 しかし、先ほども書いたように仙台の酸いも甘いも知る人なので、いい仕事をしてくれると期待している。

 

横浜FM

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 ということで、今週いろんなことがあった中でのマリノス戦だったが、結果は2-0で初勝利を挙げることができた。長いトンネルだった・・・。

 仙台は、昨季までのスタイルに戻し、攻撃的な守備からのカウンターを主体としたサッカーを展開した。選手もリミッターが外れたように伸び伸びとプレーしていた。特に太田は90分間上下動を繰り返し、太田らしさが戻っていた。

 試合の内容自体はどちらに転んでもおかしくない内容で、マリノスにも決定機はあった。拮抗した中で勝負の分かれ目となったのは、選手一人一人がしっかりハードワークしていたかどうかというポイントである。この点昨日の仙台は全員がハードワークし球際の激しさがあった。また、齋藤や中村に対して2、3人で囲むことができていた。

 そしてなにより、赤嶺である。ここまでベンチにいる時間が長く、とてもくすぶっていたはずである。それを昨日の試合で爆発させたようだった。

 特に2点目はこぼれに対して誰よりも早く詰めていった。徐々にストライカーとしての嗅覚を取り戻しつつあるのではないだろうか。

 また、今シーズンはリャンの蹴るセットプレーもさえており、久しぶりに武器になっている。あとは流れの中で決めきりたいところである。

 昨日、あらためて分かったのは、いい点においては自分たちには立ち返る原点があるということ、悪い点では変革できず、新しいことを取り入れる柔軟性が欠けていることである。今、おそらくチームは転換期である。何を変えて何を継続するのかしっかり考えなければいけない。

 本当の勝負はここからである。