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【高い集中力を誇った東北対決】明治安田J2第37節 ブラウブリッツ秋田vsベガルタ仙台

 さて、今回はブラウブリッツ秋田戦を振り返ります。

↓前節のレビューはこちら

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↓前回対戦のレビューはこちら

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スタメン

 ベガルタ仙台は、前節・ロアッソ熊本に2-0で勝利。前半はボールを保持される展開だったものの集中した守備で対抗すると後半に宮崎と小林のゴールが生まれ勝利できた。いよいよ残り2試合となったJ2だが、6位の仙台は連勝すればプレーオフ圏以上に位置することができる。他会場がどうしても気になりがちだが、いかに自分たちに矢印を向けて戦えるかがポイントとなる。

 今節の対戦相手であるブラウブリッツ秋田とは常に接戦の試合が続いている。前回対戦も勝利はしたものの、後半は終始ロングボールとセットプレーで押し込まれる展開だった。

 今節も厳しい戦いが予想されるが、熊本戦同様に相手のペースのときは耐えて、自分たちのペースのときにはボールを動かして攻勢を強めたい試合となった。

 仙台は右サイドバックに古巣対戦となる髙田がスタメン。左サイドバックには出場停止明けの石尾が起用された。ベンチには前節までスタメンだった奥山や真瀬、また第19節モンテディオ山形戦以来に南がベンチ入りを果たした。

 

 一方のブラウブリッツ秋田は、前節・いわきFCに2-0で勝利し自力での残留を決めた。いわき戦でも秋田らしくセットプレーとカウンターから得点を奪っている。

 今節はホーム最終戦であり、クラブとしては最多動員記録を目指す試合となった。前売り段階ではアウェイ・仙台サポーターの動員もあり、目標はクリアしており、あとは天候次第といったところだった。

 最多動員のサポーターの前でひたむきに戦う姿勢を見せて、ホーム最終戦を勝利で飾りたい一戦となった。

 秋田はセンターバックに畑橋、右サイドバックに尾崎が起用され、右サイドハーフには吉岡がスタメンとなった。ベンチには鈴木陽成、梶谷が前節から代わってメンバー入りとなった。

 

前半

(1)序盤かららしさを見せる秋田

 試合開始から自分たちのターンへと持ち込んだのは秋田だった。

 仙台陣内へロングボールを蹴り込み、高い位置でのスローインを獲得すると、ロングスローを投げ込み、チャンスを作り出そうとする。

 開始15分間でロングスロー4回とコーナーキック1回を獲得している。5分には尾崎が投げ込んだロングスローのこぼれ球を才藤が狙うも枠の上を越えていった。

 それ以外にも秋田は、前線からの積極的なプレッシングで仙台に襲い掛かっていく。

 後方からボールを動かして、秋田の様子を伺いたかった仙台だったが、秋田のプレッシングを正面から受けてしまいパスミスを起こし、スローインになったり秋田に回収されることとなった。

 ただ、仙台も秋田のセットプレーに対しては序盤から集中した対応を見せ、前述の才藤のシュート以外は打たせることなく抑えたことは良かった。

 

(2)相良と髙田によるサイドアタックと厚みのある中盤のボール保持

 試合序盤の秋田の攻勢を抑えて、仙台は自分たちのターンへと持ち込みたいところだったが、なかなかロングボールのセカンドボールを拾えずに苦労し続けた。

 そんな中で流れが変わったのは16分のプレー。仙台の左サイドでの攻防から相良が大きなサイドチェンジで髙田へと展開する。髙田は勢いよく縦に仕掛けてクロスを上げると、ニアの才藤に当たってバーにヒットする。このプレー辺りから徐々に仙台に流れが来るようになる。

 徐々にセカンドボールやセカンドボールの次のボールを回収できるようになると、ようやくボール保持の局面を迎えられるようになった。

 秋田の4-4-2の守備ブロックに対して、仙台は後方3枚+アンカーに武田の3-1-4-2のような布陣。熊本戦同様に荒木が中央に移動してダブルボランチと近い位置でプレーしながら、秋田のダブルボランチ周辺で段差を作り出すことで、バイタルエリアへと潜り込んでいく。

 また中央を締める秋田にサイドからの仕掛けも重要になるが、仙台は相良と髙田が大外から仕掛けて抉っていくシーンをいくつも作り出した。

 相良はキレのあるドリブルで仕掛け続けペナルティエリアの奥深くまで自力で運ぶ。

 髙田も久しぶりのスタメンとは思わせないパフォーマンスで、攻撃では勇気を持った縦の仕掛けからのクロスを上げ、守備では攻撃の核である佐藤に仕事をさせなかった。

 

 ボールを保持し、押し込めるようになった仙台はチャンスを作り出していく。20分には相良のアーリークロスにニアで荒木が合わせ、30分には武田のコーナーキックにニアで井上が合わせ、さらに35分には左サイドに流れた郷家のクロスを宮崎が折り返して荒木が押し込むものの、いずれのシーンも山田にセーブされる。

 このシーンのどれかがネットを揺らしていれば、かなり優位にゲームを進められたはずだ。

 

 前半は試合序盤こそ秋田の攻勢に遭ったものの、次第にボールを保持できるようになり、チャンスも作り出したが秋田の牙城を崩すことが出来ずにハーフタイムを迎えることとなった。

 

後半

(1)拮抗した展開に持ち込む秋田

 スコアレスで迎えた後半は、秋田が拮抗した展開に持ち込む。

 前半は仙台のボール保持に対して、前から行くのか後ろで行くのかの判断が曖昧で、ブロックの隙間にボールを通されていたが、後半はしっかりとしたミドルブロックで対抗。特に中央のエリアではダブルボランチが気の利いたポジショニングでカバーするシーンが目立った。

 

 また秋田はさらに球際への寄せが素早くなり、仙台としては前半同様に回収したボールを繋いで押し込んでいく展開を作り出したかったが、秋田がそれを許さない。

 秋田の寄せが早いので、ボールホルダーに余裕が生まれずにアバウトに蹴ってしまうシーンが後半は増えた印象だった。

 

 それでもなんとかセカンドボールを回収して、攻め込む場面を作り出すが、いずれの攻撃も単発で終わることが多く、前半よりも秋田に上手く守られてしまったこともあるが、なかなか厚みのある攻撃を繰り出すことはできなかった。

 なかなかシュートまで持ち込めないと、今度は秋田にも速攻を許す場面も増えていく。結果的に行ったり来たりの状況となり、そこでスタミナが消耗してしまった形となった。

 

(2)拮抗した展開を打破しようとする交代選手たち

 最初に交代カードを切ったのは秋田。56分に鈴木翔大に代わって梶谷が投入される。その梶谷は69分にスローインの流れから佐川のフリックに反応し左足を振り抜くも林がセーブする。後半初めの決定機はこのシーンだった。

 さらに秋田は吉岡と佐川に代わって大石と石田を投入。梶谷と佐藤が2トップを組む形に配置が変わった。

 

 一方の仙台は、良くもないが悪くもない展開でなかなか選手を変えなかった。恐らくスタートで出たメンバーが森山監督のなかで一番得点確率の高いメンバーだったのかもしれない。最初の交代は75分で石尾に代わって真瀬を投入。髙田が左サイドバックへ移った。

 81分には相良と宮崎に代わって中田とリーグ戦デビューとなる南を投入。中田は高さで起点を作る動き、南は右サイドからの仕掛けを期待されての投入だった。リーグ戦デビューとなった南は縦への突破で相手を振り切ろうとするもスローインに割れたり、83分には真瀬からボールを受けるとミドルシュートを放つがディフェンスにブロックされた。緊張もあり、なかなか持ち味を出せなかったデビューだった。

 さらに87分には荒木に代わって小林が投入され、中田と2トップを組む。この時間からは仙台が押し込む場面も増えはじめ、88分には小林が逸らしたボールに中田が反応するも、またも秋田ディフェンスのシュートブロックに阻まれる。

 これで得たコーナーキックには菅田が合わせるも、叩きつけたヘディングシュートは枠の上を越えていった。

 

 アディショナルタイム4分間は菅田をパワープレーに押し上げるも、最後まで秋田のゴールを割ることが出来ずにタイムアップを迎えることとなった。

 試合はスコアレスドロー。仙台は勝点1の上積みに留まった。

 

最後に・・・

 ソユースタジアム最多動員となる13,172人の前で、両チームともに非常に集中度の高いゲームを繰り広げた。

 決勝戦のような戦いを仙台は得意としているが、そんな仙台に対して秋田も負けじとしのぎを削って戦い、両チームのテンションがまさに決勝戦のようだった。

 シーズンの最終盤。昇格を目指す仙台にとっては勝点3が是が非でも欲しい状況だったが、この試合内容は引き分けが妥当だったと個人的には思う。

 

 仙台としては、前半ペースを握った20分以降に作り出したチャンスを活かしたかった。前半でも書いたが、ここで決まっていれば勝利を手繰り寄せる確率は高くなったと思う。一方で後半は単発で終わる攻撃が反省点となった。仙台が得意とする相手を押し込んで、クリアボールを拾って二次、三次攻撃へと繋げる展開へと持ち込めなかったのは悔しかったところ。少し焦る気持ちもあったのかゴール前へ素早く攻め込むことが多く、後半も焦れずにボールを動かしながら攻撃を仕掛けて欲しかった。

 ただ一方で守備の集中力は素晴らしかった。前半のセットプレー守備をはじめ、後半も前傾姿勢になりながらも菅田と井上の両センターバックに加えて、髙田の気の利いたカバーリングで秋田の攻撃の芽を摘むことができた。この高い集中力で無失点に抑えられたことは次節への自信にも繋がるはずだ。

 

 いよいよリーグ戦は残り1試合となった。今節の結果によって自動昇格の可能性は潰えたが、6位をキープしたために勝利すればプレーオフ進出が決まる。ということで、他会場の結果を気にすることなく、まずは自分たちの戦いにフォーカスすることが最重要項目だ。

 そんな次節はホームでいわきFCを迎え撃つ。前回対戦では、2-1で勝利したものの内容としては苦しい内容を勝ち切ったものだった。後半戦だけで見ればいわきはリーグ2位の成績。秋田同様にリーグ屈指の強度を誇り、エース谷村が移籍しても得点力が衰えないチームだ。

 仙台としては、自分たちのやるべきことは変えずに、いわきの高強度な戦いに対して熊本戦、秋田戦で培った集中力の高い守備をベースに試合に入っていきたいところ。焦れずに戦うことが出来ればボールを保持しながら攻め込むことも出来るだろう。

 

 泣いても笑っても残り1試合。次のステージへと繋げるためにも必勝と行きたい一戦だ。満員のホームユアスタで、全員の力で勝利し、まずはプレーオフ出場権を獲得したい!!!

 

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