さて、今回はカターレ富山戦を振り返ります。
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スタメン

ベガルタ仙台は、前節・ジュビロ磐田に2-3の敗戦。前半に2点を先行されるも、後半は猛攻を仕掛けて2点差を追い付く。しかし同点直後に失点を喫し、敗戦となった。
またミッドウィークにはルヴァンカップ1回戦・栃木SCとの対戦があり、こちらはリーグ戦の出場機会が少ない選手が中心となったが、スコアレスでPK戦に突入し、3-4で敗れ、昨年同様に1回戦敗退となった。
リーグ戦に関して言えば、3試合連続で先制点を許しており、特に直近2試合は2点を先行されている。まずはベースとなる守備の再整備が必要だろう。しっかり守りながらダブルボランチを中心とするボール保持攻撃でどれだけ押し込めるかがポイントだ。
今節の対戦相手であるカターレ富山は、非常にアグレッシブなチームで前から圧力を掛けてくることが特徴だ。また背後へのボールも多く、守備陣にはアラートに対応することが求められる。
アウェイであるが、まずは守備から試合に入り、ゲームを作っていきたい一戦だ。
今節は、左サイドバックに石尾が戻ってきて水戸戦と同じ11人となった。ベンチにはマテウス・モラエス、松井、オナイウ、安野らがメンバー入り。ルヴァンカップの悔しさを持っているメンバーが多く名を連ねた。
一方のカターレ富山は、前節・サガン鳥栖に0-1の敗戦。しかしながらルヴァンカップではジェフユナイテッド千葉に4-2で勝利している。特にホームでの成績が良く、甲府、磐田に勝利しており、今節も地の利を生かしたいところだ。
仙台との対戦は、2019年の天皇杯で対戦した以来。リーグ戦では16年ぶりの対戦となる。天皇杯、リーグ戦ともに仙台が勝利しており、今節はホームで仙台に初勝利をもぎ取りたいところだ。
今節は千葉戦で良かったメンバーを継続して起用している。センターバックの一角に酒井、右サイドバックに布施谷、ダブルボランチが末木と河井のコンビで、右サイドハーフに松岡、左サイドハーフに吉平、井上をトップ下にして、1トップは千葉戦でハットトリックを達成した碓井が起用された。
前半
(1)積極的なプレッシングによる立ち上がり
試合開始は、キックオフとともに富山が押し込む展開となった。左サイドから押し込みながらセットプレーを獲得し、仙台ゴールへと攻め込むが、仙台もしっかりと跳ね返す。
その後6分には相良が相手との接触で膝を負傷。一時はピッチに戻ったものの、プレー続行不可能となり、宮崎との交代を余儀なくされる。
相良の負傷もあり序盤は時間が止まることが長かったが、10分以降からようやく試合が動き始めた。
この日の仙台は、これまでの立ち上がりで見せていたミドルブロックで構える姿勢ではなく、積極的な前線からのプレッシングで富山ビルドアップ隊から時間とスペースを奪おうとしていた。

富山のビルドアップは基本的にオリジナルポジションのまま運用される。左右差で見れば右サイドバックの布施谷よりも左サイドバックの濱の方が高い位置取りをすることが多く、濱が高い位置を取った後ろのスペースに末木が落ちてビルドアップをサポートする形も見られた。
仙台のプレッシングの合図は郷家からだった。郷家がプレッシングのスイッチを入れると、2トップと荒木、ダブルボランチが連動して前からプレッシングを仕掛けていく。
富山が仙台のプレッシングに対してロングボールを選択すれば、センターバックが競り勝って回収し、自分たちのターンにしていく。
16分には郷家のプレッシングをきっかけに鎌田がインターセプトし、宮崎を経由してエロンのシュートへと繋げた。
(2)富山のプレッシングを分断した「使い分け」
序盤から積極的なプレッシングによって、守備が機能していた仙台。
時には富山にサイドから押し込まれる場面もありながら、全員が集中した守備で対応していくと、時間の経過とともに仙台がボールを保持する時間も増えていった。
富山のボール非保持は4-4-2のミドルブロックからスタートする。2トップの守備基準点は、仙台のセンターバックではなくダブルボランチだった。よって仙台のセンターバックは比較的フリーでボールを持つことが出来ていた。
仙台が後方でボールを動かしていると、2トップのセンターバックへのプレスを合図にプレッシングが開始され、富山のダブルボランチが仙台のダブルボランチへとマークが変わっていく。
富山が仙台のダブルボランチへと警戒を強めていたことで、どちらかと言えばサイドからの前進が多くなっていった。
また状況に応じて、エロンへのロングフィードを織り交ぜることで、仙台は地上でも空中からでも前進を行っていく。

地上から空中からとあらゆる手段でボールを動かしていくことで、富山の守備が徐々に前と後ろで分断していくようになった。
そして、その狙いがハマったのが29分のゴールだった。
CLIP📹
— ベガルタ仙台【公式】 (@vega_official_) 2025年3月30日
🦅明治安田J2 第7節
🆚カターレ富山
⚪️1‐0
🗓3/30 SUN 14:00
🏟️富山県総合運動公園陸上競技場
最終ラインから始まった先制&決勝ゴール⚽️#郷家友太 のスルーパスに球際で負けない💪倒れない💪#真瀬拓海💪
最後はスクランブル出場の #宮崎鴻🔥#VEGALTA #PASSION_限界を超えろ #07富山 pic.twitter.com/Pjdg7gYWdC
後方からのビルドアップから降りてきた郷家がビルドアップの出口を作り、高い位置を取っていた真瀬へスルーパス。1vs1を制した真瀬のマイナスクロスに宮崎が左足で流し込んで先制点を奪った。
このシーンでの富山は2トップがプレッシングをスタートしたものの、後方が連動しきれずに間延びした状態となった。
結果的に仙台が背後を取った時点でディフェンスラインが押し下げられ、富山のダブルボランチも戻り切れなかったことで、宮崎のシュートエリアが生まれることとなった。
プレッシングしたい前線と、宮崎、エロンを警戒するあまりに下がっていたディフェンスラインにより富山の陣形は間延びしていた。
そしてそのような状態にした仙台のボール保持が見事だった得点となった。
(3)再三光ったカウンターへの対応
先制点を奪った仙台は、まずはミドルブロックで構えながら行けるときはプレッシングのスイッチを入れてボールを奪いに行く。
また、この試合で再三光ったのはカウンターへの対応だった。特に奪われた後の最初のプレーが非常に集中しており、全員がボールから目を離すことなく富山のカウンターの芽を摘んでいった。
特にダブルボランチは中盤で入れ替われないように遅らせたり、自由を与えなかったりと前節・前々節でやられた教訓を生かしていた印象だった。
また、カウンターの対応だけではなくセカンドボールへの反応も素早く、一度押し込めれば跳ね返されてもセカンドボールを回収して二次攻撃へと繋げられたシーンは多々あった。
前半は相良のアクシデントがあったものの、その後は攻守ともに危なげない試合運びで、先手を奪い後半へと折り返す。
後半
(1)プレッシングの応酬
富山は後半スタートから河井に代わって竹中が投入される。
富山は、前半はミドルブロックからプレッシングのスイッチを入れる守備を見せていたが、同点を目指す後半はスタートから林までプレッシングを仕掛けるようになる。
一方の仙台も主導権を渡すまいと、前半同様にプレッシングを仕掛けていく。
よって後半は両者ともにプレッシングの応酬が続き、それを地上戦ではなく空中戦で解決しようするため、空中にボールが飛び交う時間が長くなっていった。
両者ともにそんな展開のなかで、セカンドボールを回収できた方がチャンスを作り出していく。
仙台は、前半同様に守備時は全員がアラートに対応していく。特にロングボールが多く飛び交う展開のなかで、ピッチも悪く、予測がものを言う状況のなかでも集中力を切らさずにボールを拾い続けてたことは非常に良かった。
富山は63分に3枚替え。吉平、井上、碓井に代えて伊藤、松田、武を投入。前線にフレッシュな選手を入れた。
一方の仙台は再びアクシデント発生。今度はエロンが左腿を抑えて倒れ込む。こちらもプレー続行不可能となり、名願との交代となる。また同時にイエローカードを貰っていた武田に代えて松井も投入された。
(2)守備強度を保つ仙台
アクシデントによる交代が続いた仙台は、ベースは変わらずにしっかり守備ブロックを敷きながら、時にはカウンターで出て行く。
71分には荒木がミスパスをカットするとカウンターが発動。郷家のミドルシュートは田川にセーブされ、こぼれを荒木が狙ったものの、こちらも田川に防がれる。
後半最大の決定機を決めきれなかった仙台は、徐々に逃げ切り体制を図る方向へと舵を切る。
アディショナルタイムが迫った87分には、鎌田と荒木に代えて奥山と安野が投入される。奥山はそのままボランチで起用され、安野は逃げ切りを図る時間帯にJリーグデビューとなった。
そんな安野はセンターバックに対して積極的なチェイシングで自由を与えない。懸命にチェイシングを掛ける安野のプレーはディフェンスラインにとっては助かるプレーだっただろう。
アディショナルタイムに入っても、集中した守備は途切れることなく最後まで守り切った。
仙台は富山を1-0で下し、4試合ぶりの勝点3獲得となった。
最後に・・・
4試合ぶりの勝利は1-0と、森山ベガルタらしいスコアとなった。後半の郷家、荒木の連続チャンスを決めきれればさらに良かったが、決定機の数からいってもウノゼロは妥当なスコアだろう。
何よりも守備の集中力が高まった試合だった。特にカウンターを受けそうな場面では全員が集中して芽を摘むことで富山の攻撃をスピードに乗らせることはなかった。
また打たれたシュートはわずかに2本。富山の攻撃に課題があったとはいえ集中して守備が出来た何よりの証拠だろう。
しかし、勝利とは引き換えに大きな痛手を負ったことも確か。相良とエロンの離脱は決して小さくはない。復帰までしばらくかかる可能性も十分あるだけに、「ギラギラ」したリザーブメンバーの奮起に期待したいところだ。
次節はホームでブラウブリッツ秋田との対戦。昨シーズンは1分1敗で、とりわけホームでは苦杯を喫した相手である。今シーズンも堅固な守備は継続され、エース・小松蓮は7戦7発と絶好調。もちろん侮れない相手である。
仙台は前述した相良、エロンの離脱に加えて武田が出場停止となる。堅牢な秋田の守備には武田のアイデアが頼りになるところだったが不在となる。そんな台所事情のなかで誰がトレーニングからアピールし、出場のチャンスを掴むのか。
リザーブメンバーにとっても、ミッドウィークのルヴァンカップで悔しい想いを味わった選手が数多くいる。そんな選手たちにとって悔しさを晴らすチャンスでもあるだろう。そんなギラギラした選手がこのチームをより高いところへと引き上げてくれるはずだ。
次節も決して楽な試合とはならないはずだ。全員の力で秋田に立ち向かい、今シーズン初の連勝といきたい!!
ハイライト