さて、今回はカターレ富山戦を振り返ります。
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スタメン

ベガルタ仙台は、前節・ジュビロ磐田とのシックスポインターを1-0で制して2位に浮上した。試合内容としては、磐田に押し込まれる展開が長く続いたが、林やディフェンスラインを中心に守り切ると最後に小林の移籍後初ゴールで勝利することが出来た。
今節は、ホームに戻ってのカターレ富山戦。森山監督の言う通り、いいゲームが出来た次のゲームは内容が良くないことが多いので、ある意味仙台としては、ここがポイントとなるゲームだ。中断期間まで残り2試合になるが、この勢いをさらに加速させて中断期間へと突入したい一戦だ。
仙台は、真瀬と鎌田がスタメンに復帰。この試合では荒木が左サイドハーフで起用され、エロンと小林が2トップでコンビを組む。ベンチには相良やオナイウ、梅木、そして前節ゴールに絡んだ中田らが控えている。
一方のカターレ富山は、前節・ジェフユナイテッド千葉に1-0の勝利。スコアこそ1点差での勝利だが、千葉相手に20本以上のシュートを放ち、17試合ぶりの勝利を挙げた。
安達監督が就任して以降は、特にボール保持での安定感が増しており、それが良い攻撃にも繋がっている印象だ。
富山にとっても残留に向けて負けられない一戦である。今節も上位との対戦だが、仙台には天皇杯2回戦で勝利しており、悪い印象はないだろう。ここで仙台を倒してさらに勝点を上積みしていきたい一戦となった。
富山は左サイドバックが布施谷から深澤に代わっている以外は変更点なし。ベンチには、佐々木、松岡、井上が前節と変わってメンバー入りとなっている。
前半
(1)整理されている富山のボール保持と準備していたセットプレー
この試合は、富山がエンドチェンジして開始された。
富山としては、前回ホームで対戦した甲府同様に仙台サポーターの大声援のなか体力のある前半は耐えて、後半にチャンスをモノにすることを狙っていただろう。
前半開始からゴールキーパーの田川は、あえてゆっくりゴールキックを蹴るなど細かいところまで準備してきた感はあった。
そんな前半は両チームともに、開始からボールを保持したい意思は見て取れたものの、両チームともにアグレッシグなプレッシングの掛け合いで落ち着かない展開が続く。
そんな中で仙台は、セカンドボールの奪い合いを制して、オープンスペースへの展開からチャンスを作り出し、序盤からセットプレーを獲得していった。
しかし、序盤のせめぎ合いが落ち着き始めると富山が徐々にボールを握り始めるようになる。

富山のボール保持はシンプルで非常に整理されていた。
まずビルドアップ隊は、センターバックとダブルボランチの4人で形成される。形を整えたい時には田川までボールを下げることもあったが、基本的には4人で前進を目指した。
特にキーマンとなっていたのは、末木と瀬良のダブルボランチで、彼らはポジションに拘らずにセンターバックの列に落ちたり、仙台の2トップ脇にポジショニングするなど、気の利いたポジショニングでボール保持の安定を図っていた。
また守備においても、アラートな守備と危機察知能力で中盤をカバーしており、まさに富山にとって重要な存在となっていた。
富山の前進は主にサイドからだった。特に右サイドからの前進が多く、4-2-4で構える仙台に対してセンターバックからサイドバックへのパスで仙台のサイドハーフを越えていくと、そこからハーフスペースにポジショニングしているサイドハーフが仙台のサイドバックの裏へランニングしたり、そのランニングで空いたバイタルエリアへ楔パスを差し込むことでアタッキングサードへの侵入を目指していた。
18分には、まさにこの右サイドの前進から左サイドへ展開し、深澤のアーリークロスは井上にクリアされるもコーナーキックを獲得する。
GOOOOAL!!!⚽#髙橋馨希 選手のCKをニアで #深澤壯太 選手がコースを変え、#伊藤拓巳 選手が頭で押し込む⚽️
— カターレ富山 (@katallertoyama) 2025年7月5日
伊藤選手の開幕戦以来のゴールが、チームを連勝に導く👏#カターレ富山 https://t.co/aldFv92DVx pic.twitter.com/LsozMuBl3t
この右コーナーキックからニアで深澤がフリックすると、ファーで伊藤が合わせて富山が先制に成功する。
富山としては、ボール保持からの前進で獲得したコーナーキックであり、また準備してきたであろう形での得点ということもあって、まさに狙いがハマった一連のシーンとなった。
仙台としては、フリックした深澤への対応であったり、ファーに走り込む選手への寄せであったりが甘かったように感じたシーンだった。
(2)いつもと違う形でゴールを目指す仙台
序盤こそ押し込んでいたものの、セットプレー一発でやられてしまった仙台は、失点後も富山のハイプレッシングに苦しみながらも、富山陣内への前進をトライしていく。

この日の仙台は、いつもと形での攻撃にチャレンジしていた。
いつもであれば、右サイドは真瀬、左サイドはオナイウが大外に張る形になっているが、この日は荒木が左サイドーハーフで、石尾が左サイドでは大外に張り出すことが多かった。
全体の形としては4-2-2-2のような布陣となっており、より中央に人を集めるようになっていた。仙台も富山同様にセンターバックとダブルボランチがビルドアップ隊となり、ボール保持の安定に努める。
この試合は小林とエロンが2トップということもあり、小林の背後の抜け出しを狙ったボールで富山の高いディフェンスラインを突破していくことを目指しながらも、サイドバックを始点に、郷家のポケットへのランニングであったり、斜めの楔パスから中央からのコンビネーションで崩していこうという狙いを持っていた。よって前半はいつもよりクロス数も少なく、押し込めばボールを動かして相手の隙を狙うような形となっていた。
しかしながら、初めてのチャレンジということもあり、上手くいかないことの方が多かった。エロンと小林は初めてコンビを組んだがお互いの距離が遠いことで繋がることが少なく、小林の背後へのボールも増えたことでエロンが消えるシーンも多かった。
左サイドでも荒木と石尾の距離が遠く、荒木は中央へ潜り込んでのプレーを優先するあまりに、石尾は孤立気味になることが多かった。ゆえに左サイドから突破するシーンは僅かだった。
右サイドは、真瀬、郷家、松井と顔なじみのメンバーだったので、前半は唯一可能性を感じるエリアだった。36分には真瀬のスルーパスから郷家がシュートを放つも田川の正面にシュートが飛んだ。
アディショナルタイムには、3連続でコーナーキックを獲得するも、いずれも活かし切れずにハーフタイムを迎える。
富山がコーナーキックから先制点を奪って、後半へと折り返す。
後半
(1)いつもの形に戻す仙台

仙台は、後半開始からエロンに代えて髙田を投入し、真瀬を一列前に配置する。
前半は、セットプレーからリードされ、攻撃では中央からのコンビネーションによる突破にチャレンジしたものの不発に終わった。
1点リードを追う展開のなかで、仙台はいつもの形に戻すことで攻撃のテンポアップと活性化を目指した。

ビルドアップ隊は、センターバックとダブルボランチに石尾が加わる3-2の形となった。
富山は後半序盤から前半同様にハイプレッシングで仙台のビルドアップ隊に襲い掛かってくるが、仙台はシンプルに前線へのロングボールで回避。小林が競ったセカンドボールを回収することで、前進することが出来るようになった。
また右サイドでは髙田が高い位置に張り出し、井上からのパスを引き出すと背後へ抜け出す真瀬へパスを送ることで右サイドの深い位置に入っていけるようになる。
左サイドも石尾、郷家、荒木の3人のユニット攻撃になって前半よりも活性化することができた。
富山の守備に対して徐々にペナルティエリアへ侵入できるようになったことと、前半よりもシンプルにクロスを上げる回数も増えたことで、時間の経過とともに仙台が押し込む時間が増えていく。
63分には、井上のパスを起点に髙田からバイタルエリアにポジショニングしていた真瀬へ楔パスを差し込み、真瀬の落としに荒木が抜け出してフリーでシュートを放つも田川に阻まれる。仙台にとっては、この試合一番きれいに崩せたシーンだっただろう。
前掛かりになる仙台は後方の人数が薄くなるも、井上と菅田、そして松井がカウンターの芽を摘むことで富山に攻撃を許さない。
富山も防戦一方になると、足を攣る選手が続出し、60分には松田と古川の2トップに代えて浦と松岡が投入され、69分には深澤に代えて大山が投入される。
一方、なかなか富山ゴールをこじ開けられない仙台も荒木と小林に代えて武田と相良を投入する。

この交代によって郷家を頂点に鎌田がトップ下のような布陣となる。
鎌田がトップ下になり、松井と武田のダブルボランチとなったことで3人のパス交換からより中央からの侵入を増やしていく。さらに中央へ富山の守備を引き付ければ、サイドへ展開し、サイドからポケット侵入を狙うなどありとあらゆる形で富山ゴールを目指した。
富山は77分に末木と伊藤に代えて河井と竹内を投入し、早い段階で5-4-1にシステム変更を行い、虎の子の1点を守り切る方向へ舵を切った。
(2)不発に終わったパワープレー
5バックになった富山に対して、さらに攻撃の圧力を強める仙台は79分に相良が得意なゾーンからシュートを放つも田川にセーブされる。
さらに82分にはコーナーキックの二次攻撃から髙田がミドルシュートを狙うも、これも田川にセーブされる。
どうにかしてこじ開けたい仙台は、81分に郷家に代えて中田を投入。さらに87分には鎌田に代えてマテウス・モラエスを投入し、菅田を前線へ上げるパワープレーへと打って出る。
後方からのロングボールからゴールを目指す仙台だったが、疲労と高い集中力を誇る富山のディフェンスに跳ね返される。
何度かシュートチャンスはあったものの、いずれも枠には飛ばずに最後までゴールを決め切ることが出来なかった。
計17本ものシュートを放った仙台だったが、田川を中心とした集中力の高い富山ディフェンスを攻略することが出来なかった。セットプレーからの失点が重くのしかかった仙台は7試合ぶりの敗戦を喫した。
最後に・・・
富山にしてやられたゲームだった。エンドチェンジに準備してきたであろうセットプレーからの得点、その後は集中力の高い守備で跳ね返された。
エンドチェンジされるとスタジアムの雰囲気も相まって、少し掛かり気味になってしまうので、恐らく思っていた以上にプレーが速くなってしまう。さらに張り替えが終わったユアスタの芝生はボールがよく走るため、ボールコントロールもいつも以上に苦労しているようにも感じた。
せっかくユアスタに戻ってきたところで、色んな部分でアジャストしなければならないな感じた試合だった。
また、この試合ではいつもとは違う攻撃の形にチャレンジしていた。荒木の左サイドハーフというのも、前々節に甲府に対策されてしまったようにこれからスカウティングされてしまう可能性があるからこそ、あのようなチャレンジをしたのではないかと考えている。正直、連携不足も否めずリードした富山が撤退守備で構えたことで、より攻略する難易度は増した。
ただ先を見据えてのチャレンジという意味では、森山監督は目先の結果を追い求めながらも、先々のことを考えているんだなと感じた。
前節の磐田戦では耐えて耐えて1点を奪えたが、今節は真逆のゲーム。何度も何度もシュートを放ってもゴールを決めきれなかった。これもまたサッカーである。次こそ決め切れるように、日頃のトレーニングからさらに質の向上を目指していって欲しい。
中断前ラストとなる次節は、アウェイで藤枝MYFCとの対戦。難敵である藤枝には前回対戦で勝利を挙げられたものの、ピッチを幅広く使った攻撃にとても苦労した。
次節もこの藤枝の攻撃に苦しめられるだろうし、耐える時間も長いだろう。今節とまた違う毛色のゲームになるはずだ。前回対戦のように隙を突いたカウンターなどを活かしたいところ。
2週間ぶりの静岡でのゲーム。連敗だけは阻止したい。酷暑で多湿な環境下でのゲームになると予想されるが、粘り強い守備から攻撃時には全員で襲い掛かって、勝点3を掴んで欲しい!!
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