ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

あとがき2019

 さて、早いもので2019年も年末を迎えました。皆様は、いかがお過ごしでしょうか。

 今年最後の記事です。昨年に続いて、今年1年をぬるっと振り返る文章でございます。適当に読んでいただければなと思います。

 

今シーズンのベガルタ仙台について

 今シーズンの仙台は、天皇杯決勝を経験したメンバーが抜けたことで、多くのメンバーを入れ替えなければならないところからスタートしました。

 今年は、2018年シーズンまでのいい立ち位置からの攻撃に加えて、守備でもいい立ち位置を取ることで、攻守両面において主導権を握ることを目標に、2019年シーズンを迎えました。

 

 しかし、多くのメンバーが変わった現実は想像以上に重くのしかかり、開幕から苦しい戦いを余儀なくされます。

 守備では一定の向上が見られたものの、攻撃では昨シーズンのようないい立ち位置からの攻撃が見られず、チームのバランスは明らかに悪くなり、開幕5試合未勝利、そして最下位を味わうことになりました。

 その後、第6節・サガン鳥栖戦で今シーズン初勝利を挙げるものの、その後が続かずに開幕ダッシュに失敗する形となりました。

 

 最初の大きな変化は、第9節・ガンバ大阪戦でした。この試合前のルヴァンカップサガン鳥栖戦で4-4-2を採用し、このガンバ戦でも継続して4-4-2で挑みました。

 この目的は、守備で前から行きやすくすること、そして何よりボール保持の局面を改善するためのものでした。この試合からセンターバックにフィード能力とビルドアップ能力に長ける常田と金正也が組んだことや、松下がボランチの一角で起用されたことが、この変化の特徴の1つでした。

 このガンバ戦や広島戦でも劇的な勝利を挙げ、一定の成果を収めることができましたが、次は3バックから4バックにしたこと、またセンターバックをボール保持局面で特徴が出せる選手を起用したことで、失点数が増加。特に静岡連戦のときは、ボール保持できない、守備で耐えられないで、重要な試合を連敗し、再び苦しい状況に陥りました。

 

 次の変化は、第14節・名古屋グランパス戦でした。この試合からセンターバックを平岡とシマオ・マテへと変更し、またサイドハーフには上下動ができる関口と道渕が起用されます。ここからボール保持の局面はある程度捨て、守備局面で戦える、デュエル勝負ができる11人が、スタメンに名を連ねるようになります。

 守備により重きを置くようになったこの試合を皮切りに6月は全勝をマーク。月間MVPにシマオ・マテ、監督賞に渡邉監督が受賞されました。この6月にようやく仙台は今シーズンの最適解(最も勝点を稼げる戦い方)に出会うことになりました。

 

 しかし、その後も波のあるシーズンとなりました。夏場は前からプレスに行けなくなったことで、相手に押し込まれる時間が長くなり、苦しい戦いを強いられます。

 加えてダンがベルギーへと旅立ち、クバがキーパーになったことで、ダンのビルドアップとフィードがなくなり、よりボール保持を諦めるシーンが増えてしまいます。クバには数多くのシーンで救ってもらえましたが、ダンにあった足元の能力が無くなったことは、地味にその後の戦いに影響が出たなと思っています。

 

 それでも9月の第26節・北海道コンサドーレ札幌戦から前からプレスに行くことができるようになり、高い位置でボールを奪ってからのカウンターからゴールを決めることが増えました。9月以降はリーグ戦が中断することが多くなり、そのことで仕込める時間を作れたのは、仙台にとっては幸運なことでした。

 その後は、白星と黒星を繰り返し、連勝はなくても連敗のないシーズンを過ごし、最終的に12勝5分17敗。昨年と同じ11位でのフィニッシュでシーズンを終えることとなりました。

 渡邉監督にとっては、常に苦渋の決断を強いられるシーズンで、気がつけばやりたいサッカーと正反対のサッカーをせざるを得なかった非常に悔しいシーズンでした。

 しかし、これは渡邉監督だからこそできた決断だったと思います。でなければ、どこかで監督が代わっていたでしょう。監督が代わらずにここまでできるというのは、なかなか無いものだと思います。

 そして4-4-2に変更して以降も、特に守備おいてはシーズン途中ながらも、ちゃんと成長させ、よりクオリティを向上させたことは、本当にすごいでした。

 本当であれば、この悔しいシーズンを糧に来シーズンはもっと渡邉監督の目指すサッカーへと近づきたかったところでしたが、ここでお別れとなりました。切ない気持ちもありますが、まずは渡邉監督には感謝しかありません。本当にお疲れさまでした。

 

自分のことについて

 まずは今シーズンもこの拙文にお付き合いただき、ありがとうございました。

 今シーズンは、第15節・松本山雅戦以外の33試合を執筆しました。何だかんだでちゃんと書いたなというシーズンだったというのが、率直な感想です。

 

 前述の通り、今シーズンは非常の苦しく、そして悔しいシーズンでした。自分もこの状況をどう読み取り、書いていくかということに苦慮した年でしたが、渡邉監督が下す決断、そしてチームの変化を発見することが楽しいシーズンでもありました。そして何よりも渡邉監督の監督としての真骨頂が見れたシーズンで、本当にこの監督で良かったと思えるシーズンでした。

 

 

 また今年は、「ベガルタ仙台戦術藩(@vegatarian_)」が結成された最初のシーズンでした。だからと言って、何か自分が大きく変わったとかではないですが、束になることで、自分一人じゃ見ることができない景色を見ることができて、とても楽しい一年でしたし、何より腐らずにブログを書き続けて良かったなと思えた一年でした。

 まだまだ伸びしろしかないと思ってますので、これから戦術藩を盛り上げる一助ができればなと思います。

 

  渡邉監督から木山監督に代わり、またクラブのレジェンドであるリャンとも別れを告げ、仙台は転換期を迎えています。もちろん、最初からうまく行くことは難しいかもしれませんが、ベガルタ仙台というクラブが次の25年に向かって、進化・成長していくためには、みんながこのチームの勝利と成長を願って、各々が各々の役割を果たすことが大事だと思います。

 来年でこのブログも7年目を迎えるわけですが、そんな転換期を迎えるベガルタ仙台の変化を自分なりにポジティブにお伝えできればなと思ってます。また来年も何卒よろしくお願いします。

 それでは良いお年を。