ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

拝啓、渡邉監督

 渡邉監督、まずは6年間、本当にお疲れさまでした。

 

 2014年4月。日産スタジアムでの渡邉監督の初陣を昨日のことのように覚えてます。

 赤嶺の2ゴール。広大と抱き合い、力強いガッツポーズを何度も繰り返す渡邉監督。そして声高らかに歌ったAURA。私はあの試合で号泣しました。

 今思えば、とてもドラマチックな初陣でした。

 

 それからの6年間は、山あり谷ありの6年間でした。堅守速攻型のチームから脱却を図ろうと、さまざまなスタイルを模索し続けました。

 2015年から2016年に掛けて、「堅守賢攻」を掲げ、4-4-2をベースとし、カウンターからの攻撃もさることながら、ボールを保持して崩していくスタイルを目指しました。

 菅井、富田、リャン、ウイルソンといった現有戦力に加えて、長崎から帰ってきた奥埜やハモンロペス、三田などの活躍もあり、ボールを保持して崩していくスタイルに一定の手応えを感じたものの、思うような成績を上げることができませんでした。

 

 そして2017年。ヨーロッパから帰ってきた渡邉監督は、新たに「5レーン」、「立ち位置」をキーワードとし、3-4-3へとシステム変更。ポジショナルなサッカーへの挑戦を試みました。 私個人としては、渡邉監督体制で一番楽しかったシーズンです。

 シーズン初めは、思うようにいかなかったことが多かったですが、試合を追うごとにどんどんチームが成長していく姿は、見ていて楽しかったです。

 鹿島であろうが、ガンバであろうが、川崎であろうが、どの相手にもボールを保持し、果敢に攻めていくスタイルは野心に溢れ、とても痛快でワクワクしました。

 このシーズンこそ、堅守速攻型のチームから脱却を図れた年で、手倉森体制から続いてた呪縛から解き放たれたシーズンだったと思います。

 

 2018年には、17年のチームをベースにより結果を求めるシーズンとなりました。シュミットダニエルの成長や西村の覚醒もあり、トップ5を狙える位置に付けていましたが、最後に思うように成績が残せず、目標のトップ5は達成できませんでした。

 

 そして今シーズンは、とても苦しいシーズンでした。多くの主力が抜け、今までやってきたサッカーが浸透できず、一時は最下位を味わうこととなりました。

 しかし、そこから泥臭く勝点を取るサッカーへと舵を切り、最低限のノルマである残留を決めることができました。

 渡邉監督自身としては、苦渋の決断だったと思います。それでも、その苦渋の決断をして、結果を残すことができる。これは渡邉監督の監督としての真骨頂だったように思えます。今シーズンは、そういう意味で思い出に残るシーズンでした。

 

 この6年間で、渡邉監督の残してきた功績は数多くあります。ルヴァンカップベスト4進出。天皇杯準優勝。西村を筆頭に、シュミットダニエル、板倉を海外へと送り出しました。

 ただ、この功績以上に、私は低予算のこのチームを6年間、ほとんど残留争いに巻き込まれずに日本のトップリーグに居続けさせられたことが、最たる功績ではないかと思います。

 毎年のように主力が抜かれ、それでも知恵を絞らせ、若手を育てて、仙台のスタイルを模索し、日本のトップリーグで戦い続ける。並大抵のことではなかったと思います。

それをやり遂げた渡邉監督は、本当に素晴らしい監督です。

 

 最後に。渡邉監督、選手コーチ時代と合わせて19年間、本当にありがとうございました。私もまた、あなたに魅せられたサポーターのひとりです。渡邉監督とともに闘えて、本当に楽しかったです。

 次、再開するときは対戦相手で対戦する可能性が高いと思いますが、どうかお手柔らかにお願いします(笑)

 

 どうかまずは、ベガルタ仙台のために注いできた身を癒してください。

 本当にありがとうございました。そしてまたどこかのスタジアムで指揮を取るナベさんの姿を期待しております。