ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

粘って、粘って、粘って~J1第29節 名古屋グランパスvsベガルタ仙台~

 前節、首位・浦和を撃破し連勝を飾った仙台。ミッドウィークで迎える今節はアウェイで勝ち点4差の名古屋グランパスとの対戦になった。

 結果はスコアレスドローで勝ち点1を獲得。勝てば1差となっていたが今の自分たちの状況を考えればアウェイでの勝ち点1はある程度ポジティブに考えてよい結果だったのではないだろうか。f:id:khigu:20190502123556p:plain

 仙台は前節から変更なく4試合続けて同じスタメン。

 一方の名古屋は前節退場になったダニルソンに代わって小川。システムも4231から442にし、川又と松田の2トップにしこの試合へ臨んだ。

 

 試合は、開始わずか7分で仙台にアクシデントが起きる。右からのクロスに競ったウイルソンが着地時に左ひざを痛め、柳沢との交代を余儀なくされる。試合の内容はまさしくミラーゲームといった展開で両チームとも狙いは似ていた。まずは失点を避けるために守備ブロックを築き奪ったら早めにカウンターで仕掛けていく、また遅攻では決してリスクを負わずにゆっくり攻めていく、とてもオーソドックスな戦い方で、雨でピッチがスリッピーなのも影響してか互いに慎重なゲームの運びだった。

 そんなゲームも次第に変化していき、名古屋がボールを保持する時間が長くなっていった。その要因には名古屋が個の技術面で仙台よりも上にいたこともあるが仙台がウイルソンがいなくなったために攻撃に推進力を失い、なかなかカウンターで相手ゴール前まで持っていくシーンが作れなかったこともあった。仙台は攻撃面で少しばかし混乱していたように見えた。

 しかし、仙台も攻撃できないならまずは守備を我慢強くやろうじゃないかと言わんばかりに、ここ数試合同様に低めにラインを取り、しっかりと守りの態勢を築けていた。おかげで相手のボランチにボールを持たれる場面が多かったものの最後のところ締めて守備をしていた。危ない場面もいくつか見られたが、何とかしのぎ前半を折り返すこととなった。

 

 後半、前半の構図がより一層濃くなる展開になっていった。後半に入ってより名古屋の攻撃がギアチェンジしたのと、前半よりも名古屋はボランチを経由してよりピッチをワイドに利用し、仙台の守備を揺さぶりにかかろうとしていた。その影響で仙台はクロスが上がった時に中の選手につき切れず、シュートを打たれる場面がより増えていった。また、仙台は奪ったボールをうまくカウンターにつなげられず、2次、3次攻撃につながれるシーンが目立っていった。

 それを見かねた渡邉監督が、早い時間帯で角田を投入し、守備の立て直しを図った。この交代におかげで多少は守備に落ち着きは取り戻したものの、それでも危ないシーンの連続であった。その後は、体を張った粘り強い守備でなんとか名古屋の猛攻を退け勝ち点1を持ち帰ることに成功した。

 

 試合内容からすれば勝ち点1でも十分に価値のあるゲームであった。ウイルソンの試合早々のアクシデントもあり、ゲームプラン通りに試合が進められない中で、よく最後まで我慢強く闘ったと思う。特に急きょ出場することとなった柳沢はウイルソンとは役割が違えども自分の役割をしっかりこなし、ベテランらしいプレーぶりを見せてくれた。

 ただ、いくら勝ち点1を拾えたからと言って満足するわけにはいかない。攻撃陣はもう少し頑張らないといけなかった。決定機という決定機も前半の野沢のシュートくらいでそれ以外なかった。やはりもう少し前線が頑張らないと守備が楽にならない。また、守から攻へ移る時のミスが少し多いように見えたこれが疲労が原因であれば仕方ないが、おかげで名古屋により押し込まれる展開になってしまった。守から攻へ切り替えた時の1つ目のプレーをより大事にしてもらいたい。

 守備面ではよく無失点で終えられたもののクロスに対して中のマークが外れていた場面が少し多かった。そこの改善は次までにしたいところであるし、ラインを低めに設定しているため、どうしてもフリーでクロスを上げられるが、それを全員がハードワークしてなるべくクロスをフリーで蹴らせないことも大切なってくるポイントである。

 

 次節は、ここ2試合で鹿島、ガンバを倒した柏との対戦。柏は柏でネルシーニョラストイヤーであるし、未だACL圏内を十分狙える位置にいるためモチベーションが高いはず。こういうチームにしっかり前述したところを修正し、闘えるかが大切になる。次はウイルソンの欠場が濃厚。そんな中で代わりの選手が自分の役割をしっかりこなすことが大事になってくる。ここまで来たら総力戦、最後まで全員で仙台らしく戦ってもらいたい!!