ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

まぁ、1回、落ち着こうか~J1第32節ベガルタ仙台vsセレッソ大阪~

 ようやく長い中断期間が明け、リーグ戦再開。リーグ戦も残り3節、優勝争いもACL争いも残留争いも目が離せないJ1だが、仙台は今節、ホームでC大阪を迎え、残留争い直接対決となった。

 壮絶なゲームであったこの試合は3-3の引き分けとなり、両者痛み分けとなった。内容上はどっこいどっこいだったが、得点の流れを見れば仙台が勝ちたかったゲームであった。

 

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 仙台はこの中断期間のおかげで、負傷していたウイルソンが復帰、メンバーもベストメンバーの形に戻った。一方のセレッソフォルランがベンチ外で、カカウもケガ持ちのためベンチスタート、南野がトップのポジションに上がったのが大きな変更点である。

 

 前半、コイントスで勝ったセレッソがエンドを変えてキックオフ。しかし、試合序盤からエンジン全開だったのは仙台。序盤から激しいプレスでセレッソを押し込み始めると3分にセレッソスローインをかさらったウイルソンが右サイドをえぐりマイナスにクロス、これを野沢が正確に合わせて幸先よく先制する。その後も効果的な激しいプレッシングでゲームを支配する仙台。そうすると17分には右コーナーから赤嶺が合わせ追加点をゲット。試合は仙台有利なものとなった。

 が、しかし試合が落ち着き、セレッソがボールを持てるようになると展開が変わっていく。仙台はここまで継続してやれてきた守備ブロックがうまく機能せずに南野や杉本を捕まえ切れずに簡単に崩される場面がちらほら見られるようになった。この日の仙台は、ボランチに対してのFWのプレスがあんまりできておらず、扇原、長谷川が楽に縦パスを入れられるようになっていた。リャン、富田もボランチを見たいが、南野や杉本がもぐりこんでくるため、ボランチがそうとう苦労する時間帯が多かった。そして案の定38分に杉本にこぼれ球を押し込まれ1点返される。前半はこのまま2-1で折り返す。

 

 後半、守備の修正を図った仙台は、FWが下がって守備をするようになった。守備に多少テコ入れをしたものの今度は攻撃が出来なくなる。とくにボールを奪ったあとに素早く攻めたいもののセレッソの切り替えも早いためパスが乱れ、パスミスが多発。落ち着こうとボールを保持しても結局はシュートまで行けずに奪われる流れが続いていった。こうもなると点を決めたいセレッソ。そしてそれが実ったのは72分。杉本が右サイドから左足でクロスをあげると永井がそらし最終的に鎌田に当たりゴール。ぎりぎりで守っていたがついに決壊してしまった。

 こうなると攻めるしかない仙台はハモンを投入。しかしうまくハモンにおさまらず、セレッソの時間が続いていたが、88分に敵陣でリャン(?)がボールを奪うとそれをかっさらったハモンが中央28mあたりからスーパーミドルを突き刺して仙台が勝ち越す。このまま逃げ切れば勝ち点3ゲットだったが90+3分。混戦の中扇原が右のカカウに預けるとそこからファーサイドのネットに突き刺し再び同点。最後の最後に野沢のFKから石川が決めるもオフサイド。そしてタイムアップ。執念と執念のぶつかり合いはドロー決着となった。

 

 試合を振り返ればまさにエキサイティングな試合で見ている人からすればスーパーゴールもあり面白い試合だった。けど、残留を争っているクラブ同士、勝ち点3を取りたかったのが本音である。特に仙台は終盤に勝ち越したのに守り切れず、どこか今シーズンを象徴するようなゲームをしてしまった。

 内容的にはある意味互角の内容だった。両チームとも守備にスキが出来てしまって、簡単に崩れる場面があった。しかし前述のように得点の流れを見れば仙台が勝ちたかった試合だった。こういう内容が悪いゲームでしっかり勝ち点3を取りたかったところだが、今シーズンそれが出来ていないからここにいるという現状もまたしかりである。

 まぁ、終わったことは仕方ない。このロスタイムの失点病はこれっきりにすると胸に刻んで切り替えるしかない。やはり残留争いとなるとどこのクラブの選手、監督、サポーター、フロントとそのクラブにかかわるすべての人がドギマギし、プレッシャーにかられ、切羽詰った状況でいつもの力をクラブとして発揮できないものである。が、こういうゲームをしたからこそ1回落ち着きたいものである。こういう時こそ落ち着いて(笑)自分たちは運よく降格圏内ではない。ということは自力で残留を決めれるのである。だから実は周りのクラブのことはさほど気にしなくてもいいのである。自分たちが残りに2戦でしっかりと勝てば天と地がひっくり返ろうとも残留はできるのである。要するにいろんなことにもてはやされることなどしなくていいのだ。クラブが次のゲームに勝つために向かって行けばいいだけなのだ。サポーターも無駄な圧力をかけるのではなく、いつも通りでいればいいと思う。とにかく残りの2戦大切なのはいつも通り戦い、目の前の相手を倒すことだけ考えればいいのである。

 次は徳島。やりづらさはあると思うが、いつも通りの仙台のサッカーをすればいい。いつも通り、粘り強く楽しく闘い、勝ち点3を取ってもらいたい!!