さて、今回は水戸ホーリーホック戦を振り返ります。ユアスタでの声出し応援実証試合。2年半ぶりにユアスタに声援が戻ってきた試合でした。
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スタメン
ベガルタ仙台は前節・ジェフユナイテッド千葉に敗れ、今季初の3連敗。自動昇格圏内とも大きく離れて4位となった。残り9試合での巻き返しを図るなかで、課題であるセットプレーの守備を改善し、ここ2試合無得点の攻撃陣の奮起が連敗脱出へ必須となる。今節はハードワークを信条とする水戸の勢いに飲み込まれず、ホームの声援を力に変えたい一戦だ。
仙台は第7節・大分トリニータ戦以来久々にリャン・ヨンギがボランチで起用された。また佐藤とキム・テヒョンのセンターバック、左サイドバックに内田が戻り、中島が左サイドハーフ、遠藤がトップ下という配置になった。ベンチには富樫が帰ってきている。
一方の水戸ホーリーホックは、前節・FC琉球相手にスコアレスドロー。順位的にもプレーオフ圏内に行けるかどうかの瀬戸際である。通算対戦成績ではわずか1勝しか挙げられていない仙台相手だが、調子を落としている相手だけに勝点3を奪ってプレーオフ圏内へと近づいていきたい一戦だ。
前節から4人のメンバーを入れ替えている。右サイドバックに後藤田、ボランチに高岸、右サイドハーフに杉浦、トップ下に古巣対戦となる金久保が入った。
前半
(1)クローズドにゲームを進めたい仙台
前節の千葉戦を振り返ると前半は、ロングボールを多用する千葉に対して左サイドハーフに起用された加藤が下がって5バック化し、千葉のロングボールに対応することで前半をスコアレスで折り返した。
ここ最近、失点が多い状況や新型コロナウイルス感染者の影響によってコンディションが整わないこともあり、恐らく原崎監督は、前半はある程度クローズドにゲームを進め、後半に仕掛けていくのがプランなのではないかとここ数試合を見直して改めて感じたことだ。
この試合も前半は、どちらかと言えば前へ前へと仕掛けることよりもボール保持率を高めていくことにウェイトを置いていた感がある。
この試合でリャンや遠藤を起用したのはそんな狙いもあるのかなと。この試合ではリャンがセンターバックの列に降りることが多く、また遠藤も時間の経過とともに降りてボールを触る回数が増えていった。
水戸が前線からプレッシングを掛けてきたときは、その背後を中島や加藤、時には真瀬らが抜け出すシーンもあったが、基本的にはボールを保持したいという意思がより強かった。
しかし、GW明けから遠藤がトップ下に入る「遠藤システム」を幾度となくトライしているが、上手くいっていないのが現状である。遠藤が自由に動くのに呼応して、各選手が立ち位置を調整する必要があり、そこでうまく立ち位置が取れずに安定したボール保持がなかなかできていない。立ち位置が取れていない状況でボールを保持するとノッキングが起きてカウンターを受けやすくなってしまう。
実際にこの試合でも立ち位置が曖昧な状態でボールを保持し、コントロールミスからボールを奪われ、カウンターを受けるシーンがあった。
また水戸も時間の経過とともに仙台のボール保持にアジャストしていき、金久保がフォギーニョ番をして、両サイドハーフを押し出すプレッシングを行うことで、より仙台のボール保持に対して時間とスペースを奪っていった。
そして29分に仙台のビルドアップからボールを奪うとショートカウンターから水戸が先制点を奪う。
#0903仙台戦 チャンスを見逃さなかった#杉浦文哉 選手のJリーグ初ゴール⚽#髙岸憲伸 選手のパスを受け
— 水戸ホーリーホック (@hollyhock_staff) 2022年9月3日
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(2)水戸のボール保持へのチャレンジ
水戸は前線からの積極的なプレッシングをベースに戦う。また奪ったボールを前田、高岸の両ボランチがシンプルにサイドへ展開することでカウンターを発動するシーンが目立った。
そんな中で水戸もボール保持へチャレンジするシーンが何回か見られた。
水戸のボール保持の特徴は仙台の2トップ脇にどちらかに「遊び」を作ることだった。
前田が2トップ間に立つことで2トップをピン止めし、高岸が2トップ脇へ立ち位置を取る。高岸がいない方にはサイドハーフや金久保が降りてボールを受ける。降りてボールを受ける選手をトリガーにサイドバックが高い位置を取ったり、降りた選手がもともといた立ち位置に他の選手が移動することでパスコースを形成することで、列を越えることを目指した。
なかなか列を越えることはできなかったが、チャレンジとしては面白いな感じた。
水戸は先制点を奪うと、前から積極的行くことは少なくなり、基本的にはコンパクトな4-4-2の陣形で仙台のボール保持に対応する時間が増えていく。
前半の仙台は、最後までチャンスシーンを作り出すことができずにハーフタイムを迎える。0-1で後半へ。
後半
(1)攻撃のギアを一段階上げる仙台
両チームともにメンバー交代はなかったが、仙台は遠藤と中島のポジションを入れ替えた。
後半の仙台は、リャンやフォギーニョがセンターバックの列に降りることが減り、本来のボランチの位置でプレーすることが多くなったことで彼らの配給から水戸を押し込み出す。
加えて狭いスペースでも前を向ける中島が2トップの一角になったことで、前半より水戸のブロック内に侵入していけたし、両サイドバックも高い位置を取れるようになったのでサイドを抉ってクロスを上げる回数も増やすことができた。
後半開始から怒涛の反撃を見せた仙台だったが、山口のビッグセーブに阻まれ、同点に追いつくことができない。
それでも前半に比べれば、攻撃のギアが一段と上がった仙台だった。
(2)繰り返されるセットプレーからの失点
水戸は早い段階で交代カードを切りながら守備強度を保っていく。54分には前田と木下に代えて新里と安藤を、66分には杉浦と金久保に代えて土肥と安永を投入した。
仙台の猛攻を受けながら、山口のビッグセーブもありなんとかしのいだ。
仙台としては、攻撃のギアを上げて決定機を幾度となく作っただけに同点までには持っていきたかった時間帯だった。
そしてそういうチャンスを生かせないと相手にチャンスが来るのがサッカーというもの。この試合でもセットプレーから失点を喫してしまう。
#0903仙台戦
— 水戸ホーリーホック (@hollyhock_staff) 2022年9月3日
セットプレーからの #土肥航大 選手のゴール
ライン際で素早くさばいて
ゴールネットを揺らした追加点👊
次のホームゲームは #0914長崎戦
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チケットはコチラ👉https://t.co/oVBkgUt1qi#武器は声と手拍子#水戸ホーリーホック pic.twitter.com/bsuEUFfWDw
左サイドからのフリーキックをファーで折り返され、最後は土肥に押し込まれる。中島がラインを押し上げ切れていなかったため、ノーオフサイドとなった。
繰り返されるセットプレーからの失点。この失点は6月のみちのくダービーと一緒で、一直線に並ぶラインの手前を利用された形となった。いい加減、なんとかしないといけないだろう。
チャンスを作れた時間帯で追いつけず、逆にワンチャンスを生かされた仙台。攻めるしかない状況のなかで、名倉、吉野、富樫を立て続けに投入する。
そして83分にコーナーキックの流れで後藤田がハンドをしてPKを獲得。これを中山が冷静に沈めて1点差へと詰め寄る。
その後、水戸はタビナス・ジェファーソンを投入して5バックにして逃げ切りを図る。仙台は終盤にカルドーゾを投入して同点を目指すがあまりにも時間が足りなかった。
試合は1-2で終了。仙台はこれで4連敗となった。
最後に・・・
前述した通り、仙台のゲームプランとしては前半はクローズドにゲームを進めるというがあったものの、自分たちのミスから失点を招いてしまったのは痛かった。
ボールを保持するということは自ずとプレースピードもゆっくりしなければならず、より速くプレーして勝ってきたチームのなかでまだまだアジャストし切れてないのが現状だと思う。もう少しスタッフ陣が立ち位置やタスク等を整理する必要もあるのかなと感じる。
強いてこの試合に希望があったとするなら、後半序盤の攻勢は良かったし、あの時間帯は今シーズンの仙台らしさが出ていた。そこで同点に追いつくことができれば一気に逆転へと持って行けたと思う。
厳しい試合が続くが、目の前の試合を1つずつ集中して戦っていくことに変わりはない。次節はアウェイで大分トリニータとの対戦。プレーオフ圏内を争う直接対決だけに、是が非でも連敗脱出したいところだ。ここを越えればまた1つチームとして強くなるはず、次節こそ意地を見せて欲しい!!