あけましておめでとうございます!今年もぼちぼち頑張っていきたいと思います!
ということで、今回は開幕戦・サンフレッチェ広島戦を振り返ります。テグの帰還。
スタメン
昨シーズン17位に終わったベガルタ仙台。今シーズンは手倉森誠監督が8シーズンぶりに就任。チームの立て直しを託された。震災から10年という節目のシーズンでもう一度「希望の光」となりたいシーズンだ。
キャンプからケガ人も少なく、順調にチーム作りを進められた様子。スタメンでは、11人中6人が新加入のメンバーとなった。既存選手と新戦力の融合が鍵となるなかで、どういったサッカーをしていくかに注目していきたい。
一方、昨シーズンは8位でフィニッシュしたサンフレッチェ広島。堅い守備をベースに、安定した成績を残している城福浩監督だが、今シーズンは4バックへトライする。就任1年目の2018年シーズンも4バックをメインに戦っていたが、そのリバイバルなのか、それとも新しいトライなのか見ていきたい。
4-2-3-1のシステムで、ドウグラス・ヴィエイラの下に、横浜Fマリノスから加入したジュニオール・サントスが入る形となった。
前半
(1)ボールを保持する広島と構える仙台
前半序盤は落ち着かない展開を過ぎていくと、ボールを保持する広島と、それに対して構える仙台という構図でゲームが進んでいった。
今シーズンから4バックにトライしている広島だが、ボール保持攻撃では、基本的に同サイドで攻撃を完結するスタイルと取っていた。
仙台が、4-4-2のブロックを組み、あまり前からプレッシングを掛けてこなかったこともあって、サイドバックにボールを付けることで前進させていった。
サイドではボランチとサイドバック、サイドハーフ、そこにトップ下のジュニオール・サントスが絡んでいく攻撃が多かった。特に右サイド。
ジュニオール・サントスが落ちたり、サイド裏へランニングしたりすることで、シマオ・マテを引き出し、空いたスペースに浅野や野上が入り込んでいくというのがパターンとなっていた。
それに対して仙台は、2トップに対してはセンターバック意識を強く持ちながら、逆サイドの選手がスペースをカバーリングする立ち位置を取ることで、広島の攻撃に対応していった。
あまり危ないシーンを作らせてはいなかった。しかし懸念される点として、相手のクロスがファーに上がったときに、逆サイドでフリーの選手を作らせてしまったこと。
🟡 好 守 連 発 🔵
— Goal Japan (@GoalJP_Official) 2021年2月27日
スーパーセーブを何度も見せ、#ベガルタ仙台 の勝点1 獲得に貢献したGK #ヤクブ・スウォビィク。86分の東俊希のヘディングシュートも止める!#GoalJ1リーグ
🇯🇵 2021 #明治安田J1 開幕節
🆚サンフレッチェ広島×ベガルタ仙台
📺 視聴は #DAZN で ▶ https://t.co/DXa7iUapZ0 pic.twitter.com/PocAhosw68
映像は後半のクバのビッグセーブだが、前半にも同様のシーンがあった。
どうしても全体がボールサイドに寄ってしまうので、逆サイドにスペースが生まれる。そこをサイドハーフなどがカバーしてないと、スペースを与えてしまうことになり、決定機に繋がりかねない。
この試合全体でもいくつかあったので、その辺りをどうバランスを取って守っていくかは今後の懸念事項の1つだろう。
(2)前進した先にスペースがなかった仙台のボール保持
序盤から広島の素早いトランジションの前になかなかボールを落ち着かせることができなかった仙台だったが、時間の経過とともにボールを保持できる場面も増えてくるようになる。
この試合の仙台は、4-4-2で構える広島に対して、吉野が落ちて3枚+上原という形でビルドアップ隊を形成し、前進を目指していく。
ブラジル人コンビがそこまで守備意識が高くなかったこともあって、仙台は2トップの脇からボールを前進させていく。
特にアピアタウィア久は、自身で大きく前進していくところが何度も見られた。高さとスピードも買われている部分だが、ボールを運んでいく能力も買われて、この試合ではスタメン起用されたのだと思う。この試合ではグループでなかなか前進してくことができなかった中で、アピの前進は効果的だった。
しかし、その先でなかなか広島の守備を崩し切ることができなかった。
広島は仙台のサイドバックに対して、サイドハーフが付いていき、4バックはペナルティエリアの幅での守備を行うため、スペースがない。
広島同様にサイドからコンビネーションで突破したい仙台にとっては、終始苦しい状況が強いられた。
また、2トップ脇からの前進を阻害しようと青山が前に出て邪魔をしてくることもあり、ボール保持においてはなかなか糸口を見出せなかった内容となった。
(3)シマオ・マテの退場
ゲームの潮目が変わったのは25分だった。
仙台のスローインを広島のカットされカウンター発動。ジュニオール・サントスがアピの股を抜き、独走状態に入ると、シマオ・マテが背後からスライディングで止める。
このプレーがDOGSOと判断され、シマオ・マテは一発退場。仙台は10人での戦いを強いられる。判定としては妥当な結果だと思う。
仙台は吉野と関口が1列ずつ降りて、4-4-1に変更。まずはしっかりと守ってスコアレスでの折り返しを狙った。
しかし、33分に広島が先制点を奪う。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) 2021年2月27日
🏆 明治安田生命J1リーグ 第1節
🆚 広島vs仙台
🔢 1-0
⌚️ 33分
⚽️ ジュニオール サントス(広島)#Jリーグ#サンフレッチェ広島vsベガルタ仙台
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/A7EmtjnDNp
ジュニオール・サントスがPA外からミドルシュート。吉野に当たってコースが変わると、それがゴールへ吸い込まれた。
仙台としては痛手となる失点だったが、この1点に抑えて前半を折り返す。
広島が1点リードで後半へ。
後半
(1)耐え凌ぐ仙台
仙台は、後半開始から氣田に代わって松下が投入される。
仙台は10人になったことで、やることがハッキリした。広島の攻撃に対して10人で粘り強く守りながら、両翼の関口とマルティノスを活かしたカウンターという戦い方へシフトしていく。
当然広島のボール保持の時間は長くなるし、守る時間は増えていく。その中で集中を切らさずにクバや吉野、アピを中心として守ることができていた。
またカウンターを繰り出すこともでき、関口のキープを起点に全体で仕掛けてフィニッシュまで持って行けることもあり、悪くない内容でゲームを進めることができた。
(2)石原崇兆のポジショニングと真瀬拓海の馬力
粘り強く守れているなかで、仙台は交代カードを切りながら同点ゴールを目指していく。
62分に皆川に代わって崇兆が投入される。これで最前線にマルティノス。左に崇兆、右に関口という配置になる。
崇兆に託された役割は主に2つだった。
1つは、ボールを持てたときにボランチのフォローをしてボールを落ち着かせる手伝いをすること。
2つ目に、後半に入り右サイドから前進できていたので、そこに関口を置いて強調させながら、左の崇兆も流れて関わることで、攻撃の厚みを作るプラスマルティノスのフォローをすることだった。
この崇兆の投入で、カウンター一辺倒だった仙台はボールを落ち着かせることができ、ボールを持ちながら攻め込む&ボールを持つことで守備を休むことができた。とても効果的な起用だったと思う。
78分には秋山に代えて真瀬を投入。
真瀬は右サイドハーフに。崇兆が左サイドバックで、その前に関口という配置にした。
真瀬に求められたのは、パワーを持って相手陣内へランニングしていくこと。また東が疲弊したところに投入することで、より右サイドで優位性を持たせたかったのもあったと思う。
真瀬は馬力のあるプレーで、攻撃では背後へのランニング。また守備ではプレスバックでボールを奪い返すことで、仙台のターンが増えていった。
またこの交代でサイドバックになった崇兆も、引き続きボランチのフォローをしながら、関口が大外にポジショニングできる位置取り(偽サイドバック)を取っていた。
(3)チームを救った赤﨑秀平
そして85分に足の攣った吉野とマルティノスに代えて平岡と赤﨑を投入する。
一方の広島は、東に代えて今津を投入。逃げ切りを図る。
広島が、逃げ切りを図ろうとしたことでボールを保持できた仙台。そして90分に待望のゴールが生まれた。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) 2021年2月27日
🏆 明治安田生命J1リーグ 第1節
🆚 広島vs仙台
🔢 1-1
⌚️ 90分
⚽️ 赤﨑 秀平(仙台)#Jリーグ#サンフレッチェ広島vsベガルタ仙台
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXumQp pic.twitter.com/mUyKUnXstL
左サイドの崩しから関口のシュートのこぼれを赤﨑がプッシュし、ついに同点に追いつくことに成功した。
実はこの得点シーンは、1分以上のボール保持攻撃から始まっている。
前半から繰り返し行っていた2トップ脇からの前進を起点に、右サイドから左サイドへ展開。上原と松下に対して青山が食いついたことで、中央のスペースが開き、そこへ関口がドリブルで侵入して生まれた同点ゴールだった。
守備で耐えながらも、終盤に丁寧につないだ結果が、このゴールに結びついた。
その後は、再度集中した守備で広島の攻撃を凌いだ仙台。10人になりながらも、最後まで諦めなかった仙台が、勝点1をもぎ取る結果となった。
最後に・・・
退場者を出し、しかも先手を取られてしまう展開だったが、全員のハードワークと意思統一された戦いで、同点に追いつくことができた。
また交代カードを切りながら、じわりじわりと自分たちのターンに持っていくことができたことも追いつけた理由の1つだろう。キャンプからケガ人が少なく進められたことで、交代カードも含めた戦略的な采配を執ることができた。
また、クバと関口の活躍はとても大きかった。後半は集中した守備でも決定機を与えてしまい、そこでクバがチームを救ってくれた。関口は90分間、頭を負傷しながらも攻守にタフに戦ってくれた。
もちろん、まだまだ懸念材料はあるし、決して勝てたわけではない。それでもここで勝点1を取れたかどうかはチームのモチベーションとしてかなり変わってきたと思う。そういう意味では、大きな1だと思う。
次節はホーム開幕戦。相手は王者・川崎フロンターレ。もちろん厳しい戦いになると思うが、チーム全員の力で王者へ立ち向かっていってほしい!!