ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

サッカーの用語・言葉を整理するコーナー

 お久しぶりです。ヒグチです。皆さま、このコロナ禍をいかがお過ごしでしょうか。

 このブログもコロナの影響によるリーグ中断によって、しばらくお休みをしていました。

 過去の試合を書こうかとも思いましたが、やっぱりモチベーションも上がらずに今日まで至りました。

 ただ、リーグ再開の目途も立ち、そろそろ動き出したいなと思い、今回の記事となります。

 

 今回は、試合レビューではなく、このブログで頻出する用語や言葉を改めて整理しようという記事です。

 自分自身、記事を書くときに心掛けていることとして、難しい言葉(ポジショナルプレーとかディアゴナ―レとか)や曖昧な言葉(ポゼッションとかリトリートとか)をなるべく使わないようにしています。

 ただどうしても説明上、使用したい言葉もあって、それは括弧書きなどで補足をしながら書いてました。今回はその辺も含めて整理できればなと考えています。

 もし意味合いが間違っていたり、解説してほしい言葉があればコメントなどに書いてください!

  では、さっそく行ってみましょう!!

 

サッカーにおける4つの局面

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 サッカーの4局面のお話から。

ボール保持・ボール非保持

 要約するとどちらかがボールを持っていて、どちらかがボールを持っていないというよくサッカーに見られる光景のことである。

 ボール保持は、自分たちがボールを持ち、後方から組み立ててゴールを目指すことである。いわゆるビルドアップからの攻撃のこと。

 反対にボール非保持は、相手がボールを持っているときに、それに対応することを指す。これも前線からプレスを掛けて高い位置でボールを取ることを目指すチームや、11人が自陣に撤退し後方で堅い守備組織を築くチームもある。

 各チームによってその特徴が出やすいのが、ボール保持とボール非保持の局面である。

ポジティブトランジション・ネガティブトランジション

 トランジションとは英語で直訳すると「切り替え」を意味する言葉。

 ポジティブトランジションとは、「守備から攻撃への切り替え」のことを指す。いわゆるボールを奪った瞬間。ポジティブトランジションが早ければ、相手の守備は整っていないので、カウンターを打つことができる。反対に相手がすぐに対応してきたら局面はボール保持へと変わっていく(速攻から遅攻へ)。

 ネガティブトランジションはその反対で、「攻撃から守備への切り替え」のこと。いわゆるボールを奪われた瞬間。ネガティブトランジションが遅ければ、相手にカウンターを許すことになるし、反対に早ければすぐにボールを奪い返し、再び攻撃することが可能だ。

ピッチの分割

横に3分割する

 続いてはピッチに線を引いて分割していきたい。まずは横に分割。

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 横に分割するときは、3分割することが一般的である。自陣からデフェンシブサード、ミドルサードアタッキングサード

 この各エリアを攻撃または守備のときに、どう攻略ないしは利用していくかは考えていく。

縦に5分割する

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 ピッチを5分割する。いわゆる「5レーン」というやつ。ピッチを縦に5分割することで、どこの立ち位置(ポジション)を取ればボールがうまく回せるか、というのを分かり易くするもの。

 また守備のときもレーンを意識する(レーンを埋める)ことで、相手の攻撃に対応することが求めらている。

 そして5レーンの中で肝となるのが、「ハーフスペース」と言われる2番目と4番目のレーン。ここをどう攻略するか、またどう防ぐかという駆け引きが重要になってきている。

   

列・列移動・レーン移動・ライン間

列・列移動

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  このブログでも頻出するワードの「」。FWを1列目とし、中盤以降を2,3,4列目と定義する。なので、いわゆるセカンドトップのことを1.5列目というのは、1列目と2列目の間だから。アンカーが3.5列目って言われないなとふと思ってみたりする。

 

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 なので、列移動は自分がいる列から移動することを言う。上図で言えば、富田がセンターバックの間に移動している。これに伴って、他の選手も列移動を行い、可変をして、ボール前進させて、相手を押し込んでいく。

 

レーン移動

 縦の移動を列移動とするのならば、横の移動がレーン移動となる。

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 上図で言えば、サイドハーフである崇兆と海夏がサイドからハーフスペースに移動している。このことで、外レーンを空けて、サイドバックを高い位置へと促す(もちろん松下の列移動も関係しているけど)。

 レーンの移動は、プレーエリアを被らせないため、的確な距離と位置関係を保つことでボール保持を確実するなどの狙いがある。もちろんレーン移動の複雑系はさまざまあるが、ここでは割愛することとする。

 

ライン間

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 ここ最近では、あまり耳にすることも少なくなったライン間という言葉。どこを指しているかというと、3つライン(DF-MF-FW)の間のエリアを指す。ここ使うのが得意なのが香川真司

 守備面から言えば、このライン間が広ければ間延びしていることとなるし、逆に狭ければそれだけコンパクトだという証拠にもなる。

 攻撃面から言えば、このエリアでボールを受けられれば、相手を引き出し、その背後のスペースを空けることができるなど、相手に先手を取れるエリアでもある。

 

攻撃(ボール保持)にまつわる言葉たち

ピン止め

 ここからは攻撃(ボール保持)の解説をしているときに使用している言葉を見ていきたい。

 まずは、当ブログ頻出ワードであるピン止めから。

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  ピン止めは、ボール保持側の選手が、ボール非保持側の選手の前に立ったり、選手と選手の間に立つすることで、ボール非保持側の選手の動きを制限させるポジショニングを取ることである。

 このポジショニングで、ボール非保持側の選手は、ピン止めしている選手を見るのか、マークせずにプレスに行くのか選択に迷うことになる(マークを外せば、ピン止めを役割としている選手がフリーになる。)。

 このようにボール非保持側の選手を制限させることで、相手よりも有利な状況を作り出し、押し込んでいく。

  これも配置論的、いわゆるポジショナルプレー的な要素の1つなのかもしれない。

 

サイドバック・アラバロール

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 ペップ・グアルディオラが発明したサイドバック。時にはアラバロールなんて言われることがある。

 偽サイドバックは、上図のようにサイドバックが中に絞り、ハーフスペースを軸にプレーすることである。サイドバックは外に張ってろ!という従来のイメージをぶち壊したのは記憶に新しい。

 この偽サイドバックのメリットは大きく分けて2つ。1つは、サイドバックが中に絞ることで、ビルドアップ時に多くの人数を掛けることができ、安定したボールを保持を行えるようになる。また、ネガティブトランジション時にも、真ん中にいることで相手のカウンターへの対策になることがメリットである。

 国内のチームではマリノスがこの筆頭チームだが、ここ最近ではさまざまなチームがトライし始めて、徐々にどこのチームでもやるようになっているのが現状である。

 

守備(ボール非保持)にまつわる言葉たち

カバーシャドウ

 続いて、守備(ボール非保持)のとき。~たちとは言っても1つだけ。

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 カバーシャドウは、あまり出てきてないワードであるが、解説しておきたい。

 カバーシャドウとは、自分の背後にいる相手選手へのパスコースを切りながら、プレッシングに行くこと。上図で言えば、ハモンのプレッシングに当たる。

 これができるとパスコースを消しながら相手へプレスができているので、パスコースが制限され、後方の選手も次にどこへプレスに行けばいいのか明確になる。

 よって、プレスの強度が高まり、より強烈なプレッシングを行い、ボールを奪うことができる。

 余談だが、昨年の仙台が9月以降に成績が良くなったのは、これができるようになったから。カバーシャドウができるようになり、前からボールを奪いに行くことが増え、高い位置でのプレーが多くなった。それに加えてショートカウンターからの得点も上げられるようになった。

 そういうところもあり、この言葉は紹介したかった。

 

最後に・・・

 ひとまずは、こんな感じで。また言葉が増えたら都度都度増やしていければなと思います。ということで、また再開後に!!