お久しぶりです。だいぶ雲隠れしていました。これからも雲隠れすると思います。完全復活はしばらくありません。
今回は、鹿島アントラーズ戦を取り上げます。
開幕から3勝1敗と上々といっていいスタートを切った仙台だが、川崎戦から流れが悪くなった。前節の浦和戦では7失点での大敗。新しい戦術とシステムに問題が多発している状況だ。今節のスタメンはミッドウィークに勝利したルヴァン・磐田戦から変更なし。王者相手に思い切った采配をしてきた渡邉監督である。
一方の鹿島も前節セレッソに敗れ、ACLも敗戦と少しトーンダウンした印象。しかし腐っても鹿島である。今節はオール日本人で挑む。ベンチにレオシルバとペドロジュニオールがいるなんてズルとしかいいようない。
■前半今の仙台の問題点
前半のマッチレポでは、失点シーンを中心に何が問題なのかを考えていく。
まずは1失点目。
1失点目はゴールキックの流れから。曽ヶ端のキックを西が胸トラップして、そのままドリブルで中央に侵入し落ち着いて流し込んだ。
一番の問題はボランチだろう。ゴールキックの瞬間に下がっていない。その前に鹿島がつなぐ意識を見せてボランチが前に引っ張られたが、蹴られた瞬間に下がっていないのは頂けない。
相手ゴールキックの原則としてしっかり全体(特にディフェンスと中盤)がラインを下げるというものがある。ディフェンスだけ下がって中盤が下がらないとセカンドボールが取れなくなる。今回のシーンは少し違ったが、ボランチが下がってスペースを埋めてない時点でダメ。
ここははっきり言って意識の問題。高校生でもできるはずなので、しっかりやらないと。
2失点目は仙台の現状を物語るシーンだった。PKを取られたシーンを振り返る。
仙台のクリアから鹿島ボールになったところ。昌子のスルーパスに中村充孝がダイアゴナルで抜け出し、思わず石川直樹がスライディングで引っ掛けてPK獲得。これを金崎が決めて追加点というシーン。
まず問題なのは昌子に対してプレスを掛けられていないこと。仙台の課題は、541のときのファーストディフェンダーが明確になっていないことである。だれがボールホルダーにプレスを掛けるかハッキリしていないので、ディフェンスラインが低くなり、最終的に自陣で541を築くことになっていることが多い。これが甲府や松本ならいいだろう。しかし仙台はそれを良しとしていないと思う。各々の選手の動きを見ても、前から行きたい選手はいるんだけど、全体として意思統一ができていない印象だった。
次に問題なのはディフェンスラインにギャップができていること。この場面では中央の平岡が金崎をマークするために釣り出され、完全にギャップができてしまった。そこに中村がうまく入り込んでいったシーンだった。
これ以外の場面でもディフェンスラインにギャップができていたり、ダイアゴナルについていけない場面が多い。特に川崎戦から多発している。ディフェンスラインもどうすべきか各々で考えが違うのではないだろうか。前で潰したい選手、オフサイドトラップを掛けたい選手で意思疎通が図られていない場面が今シーズンは非常に目立つ。要修正。
そして3失点目。
仙台のチャンスから鹿島がカウンターで遠藤が仕留めた得点。
チャンスを迎えた場面は良かった。匠とクリスランの関係からシュートまで持って行けたのはよかったと思う。
しかし、そのあとが軽率。競り合いがいくつかあったの中で鹿島ボールになっていった。一番いいのはボールを切ることなんだけど、それもしない。かといってファウルで止めて流れを止めるわけでもない。どことなく中途半端な判断が連続して失点を招いてしまった印象がある。
この失点に関しては個々の判断とチームとしてどこまで割り切れるか(ファウルで止めることを良しとするのかなど)が大事だと思う。中途半端が一番よくない。
といった感じで鹿島にボコボコにされた前半である。抱えている問題をなかなか解決できていないという印象の前半である。
■後半今後の希望となるか!?
仙台は後半、茂木と藤村に代えて、永戸と晋伍が登場する。
後半の仙台は死なばもろともに近いプレッシングを掛け始める。前から行けと発破をかけられた仙台である。相手敵陣でのゲームを増やすことに成功した仙台は、50分に三田のコーナーキックからクリスランが合わせて1点返す。残り2点。
その後も死なばもろとも前からガンガン行くが、次第にペースダウンしていく。鹿島ももちろん王者らしく、うまくゲームを進めた。相手に合わせずに時間とスペースを味方に与えながらチャンスを作っていく。前半の3点リードもあって鹿島は決して慌ててはいなかっただろう。
仙台はサイドからチャンスを作ろうとする。しかし、永戸のクロスはことごとく鹿島の選手に当たる。リャンを投入し、より活性化させようとするがあまり状況は変わらなかった。
それでも仙台が後半良くなった。選手のプレーする矢印が前になったからだと思う。死なばもろともではあったが、前半よりはボールホルダーにプレスが掛けられていたし、ラインも高かった。その証拠にロングボールをダンが対応するシーンがいくつか見られた。
チームとして攻守両面において、どうやって自分たちのプレーの矢印を前にするかが、今後の浮上のカギを握りそうだ。
ゲームはアディショナルタイムに途中出場のペドロジュニオールにやられて万事休す。1-4での敗戦となった。
■最後に・・・
やるべきことがまだまだある。昨年のまとめで書いたように渡邉監督の最適解を見つける旅はまだまだ続きそうだ。
それでも後半は希望が見えたように思う。
それは、いかにチームの矢印を前にするか、重心を前にするかである。チームとしてしっかりラインを押し上げること、ファーストディフェンダーを明確にし、ボールホルダーにプレスを掛けられる状況をいかに作り出すかは、これから取り組むべき課題である。
反対に状況に応じては、割り切って541で自陣撤退をすることも判断の1つとして行わなければならない。その判断をチームが意思疎通をしてできるかが守備の立て直しを行う上で非常に重要になってくる。
攻撃に関してもまだまだな部分が多い。ディテールの部分を話せば、味方に時間とスペースを与えることができるか。苦し紛れのパス回しではなく意図を持ったポゼッションを心掛けてほしい。
攻撃では特にシャドーがカギになることは、ここまでの試合で気が付いた点である。シャドーの選手が前を向けるかがこのシステムを機能させる重要なポイントになってくると思う。
ここ最近の試合では奥埜が下がってボールを受けることで前を向けたり、佐々木匠がサイドに流れてボールを受けたりと変化を見せてくれる選手も出てきた。シャドーはもっと自由に振る舞っていいと思う。
とまぁ、たまっていたものを吐き出すように今回のブログは書かせていただきました(笑)これでもまだまだ思っていることはあるわけで。完成してくるのはまだまだ先かなと思っています。今は我慢のときというよりもトライ&エラーをしながら課題を解決していくことが重要です。そういう積極的なチャレンジ一つ一つを応援していきたいなと思います。
次節はアウェイ・広島戦。積極的なチャレンジの先に、明るい未来があることを期待しています!!