さて、マッチプレビュー第三弾です。
今回はヴィッセル神戸戦を取り上げます。
■予想スタメン
ジュビロ磐田戦に勝利したことで、5年ぶりの連勝スタートを切ることができた仙台。磐田戦では悪かった前半の流れをハーフタイムで修正し、後半は見事な戦いぶりを披露した。磐田戦では、チームとしての完成度が間違いなく上がっていることを示してくれた。連勝ということもあり、スタメンは変わらないと予想する。
一方こちらも清水、新潟を破り連勝スタートとなった神戸。大型補強を敢行し、夏にはポドルスキがやってくる。レアンドロの離脱は想定外だったもののそれを補える選手層を保持している。気が付けば柏時代の教え子が揃い始めているので、柏戦は楽しみにしている。こちらも連勝スタートとあってスタメンに変更はないと予想する。
■攻撃のポイント
今回も攻撃と守備の2つに分けて書いていくことにする。
まずは攻撃から。
前節の磐田戦のマッチプレビューでは、磐田の4411の守備に対して、どうポジション優位でビルドアップしていくか、という内容で書いた。
答えから言えば磐田がしっかり準備してきたことで、前半は仙台が苦労する場面が見られた。今節の神戸も442を敷いてくるので、同じ対策を練ってくるかもしれない。ということで、ここら辺を詳しく書いていきたい。
仙台のビルドアップの生命線の1つとして、3バックからシャドーへのパスラインがある。このパスラインはシャドーにボールが入ることで、相手のブロックに侵入することができ、また攻撃のギアを上げるきっかけにもなる。
前節の磐田は、このパスラインに対して両サイドハーフが守備のときには中に絞り、パスラインを消すことで、仙台のパスの選択肢を限定させていた。よって、パスラインが確保されない大岩と石川直樹は裏一発のロングボールか、ウイングバックに出すしか選択できずに、ボール回しにリズムが生まれなかった。加えて、パスをカットされて、カウンターを浴びる場面が目立った。
しかし、0-0で折り返したことで修正できたのも事実。
後半に入ると、ビルドアップ時には、ダブルボランチの片方が下りてきて、4枚になることで、大岩と石川直樹がサイドバック化し、ボールを前進させることに成功する。また3バックの時よりも、外に広がることで、角度ができ、シャドーへのパスも増やすことができた。結果として後半は仙台が主導権を握り、奥埜の1点で勝利することができた。
今節神戸がどのような守備の立ち位置で守るかはわからないが、磐田と同様にしてきたらラッキーかもしれない。ただ、相手はネルシーニョ率いる神戸なので、さまざまなやり方を持っているはずだ。ゲーム中の両監督の采配は非常に楽しみである。
そして、2試合で石原、奥埜と前線の選手が結果を出していることは好材料。前線の連携もよくなってきているので、リャンや菅井といった選手にも得点を期待したい。
■守備のポイント
続いて守備である。
新潟戦を見ての神戸のイメージは、大型補強を敢行し、もう少し時間が必要なのかと。メンバーは揃っているので、ハマったときは強いんだろうけど、チームの完成度としては50~60%くらいなんだと思う。
神戸の攻撃の中心はガンバから新加入の大森だった。ガンバでは走りまくっていたイメージがあったのだが、神戸では攻撃の中心として、あらゆる場所で顔を出していた。また、レアンドロが離脱した前線だが、それでも渡邉千真と田中順也が前を向いたときは脅威だった。
よって、出し手である大森を自由にさせないこと、2トップに前を向かせないことが大切になってきそう。前節、カウンターから危ない場面は迎えたが、その数は減らしたいところ。そのためには攻撃の終わらせ方が大事にはなってくるんだけど・・・。
あとはセットプレーである。神戸の開幕2試合の得点はすべてセットプレーである。フリーキック、コーナーキックはもちろん藤田のロングスローにも警戒しなければならない。今回の補強で高さが加わった神戸のセットプレーは強烈である。昨年もロングスローから失点を喫しているだけに要注意である。
■最後に・・・
特別な日に行われる試合である。あまり多くを語らなくても、明日スタジアム駆けつける人たち、そして試合をする選手たちはそれぞれの想いをもって応援、プレーするはずだ。
お互いにフェアで熱いゲームを期待したい。そして90分間戦い続けた先には、ユアスタでオーラが響き渡ることを願っている。