ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

【オフ企画】仙台の堅守とは何だったのか?#2~2011年第15節ベガルタ仙台vsガンバ大阪~

 オフ企画という名の暇つぶしです。第2弾は2011年vsガンバ大阪戦です。

 この試合で10試合目。そして負けなし。けどこの前の試合までは終盤に追いつかれるという試合が続いていた。スタメンには松下がいて4231のシステム。赤嶺と松下で鹿実コンビなんて言っていた日があったのを思い出す。懐かしい。ベンチには柳沢の姿が。

 一方のガンバはこの年が西野監督ラストイヤー。スタメンを眺めるとあまり変わっていない印象もある。右には佐々木勇人、ベンチには武井(後半から出場)と、その後ベガルタへ加わる選手もいた。

■ガンバ相手でも・・

 もちろん、この試合はボールを保持するガンバにどう対応・対策をしていくかが、ポイントになってくる。昨日書いた浦和戦では、浦和がサイドから単調に攻撃するので、仙台は自陣深くにブロックを築き、サイドに誘導して数的優位または数的同数を作って、簡単にボールを奪えることに成功している。

 でも、ガンバは、前線の4人(アドリアーノ、二川、宇佐美、佐々木)が流動的に動き、ゾーンで守る相手の間でボールを受けて、細かいパス交換からシュートへと持っていこうする。もちろん、その前線のユニットを動かすのは遠藤である。

 そんなガンバの攻撃であるが、仙台は442でブロックを組み、1列目(赤嶺と松下)は基本的に相手のセンターバックは放置し、後ろの4との距離を意識するので、ガンバのボランチは、2トップの脇に位置する場面が多い。そしてボランチがそこで受けて、サイドで数的優位を作ることを意識する。

 あとはサイドバックサイドハーフボランチの関係で、崩していこうという狙いだった。まぁ、これはこの試合に限った話ではなく、ガンバの攻撃の特徴であるが。

 

 そんなガンバに対して、仙台も集中し、バイタルでやらせなければいいという守備を行う。昨日も書いたように仙台の守備ブロックは距離感がいいため、すぐに囲い込むことが出来るし、チャレンジ&カバーがしっかりと出来ている。だからこの試合のガンバに対しても、相手の時間の中で、要所要所でしっかりと締まった守備が出来ていた。その証拠にこの試合でのガンバのシュート数は、4本。どれだけやらせてないかが良く分かる数字である。

 そしてこの試合では、お互いにボールを保持する時間があった。仙台の場合は激しくプレッシングせず、自陣撤退というチームカラーなので分かるが、ガンバも仙台にボールを奪われると無理にプレスを掛けずにボールを持たせる場面が多かった。この理由として考えられるのは、連戦の中であったことと、仙台は自ら崩すチームではないので、ボールを保持させても大丈夫だということであったと推測される。なので仙台もボールを持った時は、リャンにボールを預けるか、サイド攻撃からのクロスという選択しかなく迫力はなかった。

 しかし時間を経るとともにガンバの裏を突けるようになり、一本のパスで決定機を作る場面が見られる。赤嶺、菅井の飛び出しがきれいだった。こういうのを見るとガンバの守備が当時はどれだけひどかったのかが良く分かる。

 

 ゲーム自体は後半に動く。コーナーから菅井。この当時の仙台の得点源であるセットプレーからの先制だった。その後、アドリアーノの個人突破で同点にされるが、ラスト5分で角田、柳沢、赤嶺で勝ちこして、勝利し10戦負けなしというゲームだった。

■最後に・・・

 この試合を見返してみると、ガンバ相手にもう少し崩されていると思っていたが、想像以上に堅い守備であった。やはり中央を破られないということ、バイタルエリアのスペースをしっかり消せるとJリーグではある程度守れるのかもしれないと感じた。

 その一方で、仙台の攻撃では2列目に松下が入っていたので、攻撃はサイド攻撃が多かったが、2列目が流動的にプレーが出来ていて、また中盤でタメが出来るのでサイドバックが上がれる時間があったということが改めて見て分かった。

 それでもこの年は、得点力不足ということが課題で、2点目が取れない問題を抱えていた。それを解消し、いよいよ優勝争いへと挑戦していく2012年があるのだが、次回はその12年を振り返りたいと思う。

にほんブログ村