ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

現実路線で得た勝ち点3~J1 2ndステージ第14節 清水エスパルスvsベガルタ仙台~

 J1は最終盤。残りの試合は「4」。今節、仙台はアウェイ・日本平で今節での降格の可能性がある清水との対戦となった。f:id:khigu:20191218203919p:plain

 清水は天皇杯で敗退したこともあり、この代表ウィークに試合はなく、この仙台戦に照準を合わせて準備を進めてきた。スタメンにはヨンアピン、枝村、白崎、澤田、デュークが前節と変わってスタメンに名を連れている。チョンテセは出場停止。

 一方の仙台は、水曜日に天皇杯・大宮戦を戦っての今節。大宮戦ではほとんどのメンバーを入れ替えたのであまりダメージがない。スタメンには出場停止の鎌田に代わり、石川直樹センターバックで、左サイドバックは二見。中盤ではキムミンテが久々のスタメンで、リャンが左サイドハーフで起用された。

 

■前半~無理をしないところ~

 前半4分で試合が動く。先制は仙台だった。f:id:khigu:20191218203951p:plain

 右のコーナーからハモンが決めるのだが、清水はマンツーマンでコーナーを見ていて、この時のハモンのマークがヨンアピンであったが、ヨンアピンはハモンに距離を離したままマークしており、ハモンに勢いを持たせてヘディングを合わせられてしまった。

 ヨンアピンのような距離を離すマークは、ボールと相手を同一視野で見やすいため、思わずディフェンスはやりがちだが、今回のように高精度のキックを点で合わせられ、なおかつマークしている相手が自分の背後を回ると簡単にはがしてしまい、また勢いを持ってシュートを打たれてしまうので基本的にはやらない方がよいマークの仕方である。

 仙台もスカウティングで、だいぶ清水のセットプレーは研究したらしいのでその成果が出た結果だった。

 

 早い時間帯に先制をしたことで、仙台は自分たちのペースで試合を進めることに成功する。

 仙台はあまりショートパスで繋がずに、簡単にサイドの裏にボールを蹴るシーンが多かった。そこにハモンと奥埜を走らせ、ボールをキープするか、相手に渡った場合は、素早い押し上げで、前プレを掛け、相手の自由を奪うとともに、セカンドボールを奪取し、攻撃へつなげる場面が前半は非常に目立った。仙台は全体の陣形をコンパクトにすることで、より連動したプレスを掛けることに成功し、また複数人で囲い込むシーンも多々見られ、球際も強く行っていた印象だった。

 

 清水はそんな仙台の戦いに飲み込まれる時間が長かった。とりあえず2トップにロングボールを放り込むぐらいしか突破口がなく、地上戦では、出し手が悩んでしまう場面が見られ、仙台の素早いプレスの前にうまく繋げていけない展開が続く。

 途中から本田が気を利かせて右サイドバックのポジションに落ちてボールを落ち着かせるのだが、前線とかみ合わなくて効果的なビルドアップができていたわけではなかった。

 仙台も決していいわけではなく、危ない取られ方をして、清水にもチャンスは来るのだが、決めきることは出来なかった。

 

 前半は、仙台が早い時間帯で先制したことで無理をせずに、それでも清水をうまくハメて主導権を握っていたような展開だった。

 

■後半~戦い方の切り替え~

 後半のスタートも前半同様に仙台が、高い位置からのプレッシングで清水をハメていく時間帯が続いた。

 清水はなかなか自分たちのペースになるきっかけを掴むことが出来ずに、前半と同じような戦いに序盤は終始してしまった印象だった。それでも後半の58分に枝村が石川直樹に倒されてフリーキックを得たあたりから次第に清水が押し込む展開になっていく。

 清水はウタカを投入することで、より前線の活性化を図った。実際に前半よりも自分たちで惜しいシーンを作る場面が増えていった。

 

 というのも、仙台は60分を過ぎたあたりから、運動量が落ちきて、それまで出来ていた前線からのプレッシングが次第に弱まっていった。このことが原因の1つとして挙げられる。おかげで角田あたりから、自由にボールを蹴らせる場面が後半の途中から目立っていた。

 それならばと、仙台も戦い方を変えて、自陣に撤退し、攻撃は2トップを中心としたカウンターへのスタイルへと変えていった。仙台は山本、蜂須賀、武井を投入しながら守備の強度、それから最低限の前線のプレッシングを行いながら清水の攻撃を凌いでいった。

 

 清水も決死のパワープレーを試みるも、仙台の守備をこじ開けることは出来なかった。

 こうして仙台が上手に戦い切り、1-0で勝利。残留に向けて大きな3ポイントを鬼門でゲットすることに成功した。

 

■最後に・・・

 まずはこの試合に勝てたことで残留に向けて大きく前進できたことはなにより。あとがない清水に対して受け身にならずに、自分たちが準備してきたやり方を完遂できたことが、この試合の最大の勝因だと思う。内容は決していいとはお世辞にも言えないが、全員でもぎ取った勝ち点3である。

 

 清水はこの敗戦と、その後行われた新潟が勝利したために今節での降格が決まった。この試合を見る限りだと、月並だが、選手は一生懸命戦っているし、気持ちは見せているんだけど、どこか目指すベクトルがバラバラで、いろんな方向に向かってしまっていて、チームとしてのまとまりがなかった。それに対仙台戦まで2週間という期間があったにも関わらず、田坂監督は仙台に対してどういう準備をしていたのか、ハッキリと見えなかった。たぶん清水はバラバラのまま、うまく歯車がかみ合わなかったのだと思う。まずはチームとしてこの歯車=方向性をハッキリして戦わないと、厳しい現実が待ち受けてしまうと思う。

 

 仙台は次節、ガンバをホームで迎える。ホームラストゲームでぜひ残留を決めてもらいたい!!