ヒグのサッカー分析ブログ

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勝ち負けより大切なこととは?J1 2ndステージ第9節 ベガルタ仙台vsアルビレックス新潟

 前節、アウェイで浦和に敗れ連敗を喫してしまった仙台。今節は順位が1つ下の新潟との対戦。勝てば勝ち点差8、負ければ2差のゲーム。f:id:khigu:20191218202116p:plain

 仙台は大幅にスタメンを変更。センターバックは上本と負傷明けの渡部。左サイドバック石川直樹ボランチにリャンを配置し2列目に金久保を起用。2トップはハモンと奥埜のコンビとなった。ベンチにはウイルソンが復帰。ミンテが久しぶりにベンチにすら入らなかった。

 新潟は小泉慶が前節の広島戦で負傷。ボランチ加藤大を起用し、2列目にマリノスからレンタルで来た佐藤優平が入った。

 

■前半~リャンをボランチ起用のわけ~

 仙台はスタートからリャンをボランチに置いている。このことがこの試合の仙台の狙い、またはやりたいことをより象徴していたように思う。というのも、新潟のストロングポイントはやはりレオ・シルバを中心とする激しいプレッシングからのショートカウンターであり、人に対して激しく行く守備が持ち味のチームである。

 そんな新潟に与えていけないのは、そういう激しさを出させることであり、いかに新潟に気持ちよくプレーさせないか、「勢い」を持たせないかが重要になる。ということで仙台はリャンをボランチに置くことで序盤から自分たちがボールを保持し攻めていこうという意味合いが込められていた。ボランチに捌くのがうまい選手がいれば、プレッシングを掻い潜れるというわけである。

 それに守備時には、反対に仙台も激しく球際に行くことがポイントになる。この試合はいつもより攻撃重視であるから、必要になってくるのは周りの選手との距離感であったりコンパクトな陣形である。そこで上本をセンターバックに置くことでより高いラインを維持しようという狙いはあったのかもしれない。鎌田が今週のトレーニングで別メニューだったらしいので、最初から上本で行こうと考えていたかは定かではないが、上本がいることでこの試合はよりコンパクトで高いラインの陣形が整えられていた。

 仙台はある程度は攻めれたし、シュートで終わる場面も多かった。しかしシュートは打てていても、守田を怖がらせる場面は1,2回程度で、シュートには行けてますね程度の感じだった。

 

 一方の新潟は決して主導権を握られているといった印象はなかったと思う。というのも、新潟も仙台の陣地に押し込み、チャンスを作っていたからである。カウンターを受けても大井を中心とする守備陣がしっかり防ぐことで、決定的な場面を与えることはほとんどなかった。

 ただ、新潟はシュートで完結するシーンは多くなくて、ラストパスの精度であったり、コンビネーションの部分で合わなかったりと、攻撃に課題があることを思わせるようなシーンが何度も見られた。

 

お互いに場面場面で激しさを見せるのだけれども、可もなく不可もなくで、「勝負は後半だね」が合言葉のような前半だった。

 

■後半~上本の退場~

 後半、仙台のやることは変わらなかった。後半の出だしも出足の早さとセカンドボールの奪取で、攻撃へとつなげていくシーンが見られた。あとは押し込みつつ、ベンチにいるウイルソンなり金園なり、菅井なりで勝負を決めに行こうという算段だったのかもしれない。それに新潟は何としてでも勝ち点3が欲しいゲームなので、時間を追うごとに前に出てくるだろうというのも渡邉監督の中にあったのだと思う。90分でゲームを考えていたはずである。

 新潟は、反対に仙台の高いラインの裏を1本のロングボールで狙うシーンが前半よりも増えていった。まずは相手のラインを押し下げて間延びさせ、自分たちが中盤を支配することでゲームの主導権を取りに行こうという狙いがあった。

 しかしこの裏狙いのが、意外のところで成果となる。59分にレオ・シルバがクリアしたボールが、山崎の裏に抜け、それを阻止しようとした上本が後ろから倒し一発レッドで退場。手の掛け方からいって、擁護できない退場だった。

 

 ということで完全にプランが狂ってしまった仙台。まずは守備なのだが、決して点を取りに行く姿勢を失うことはなかった。ひいては山形戦のデジャヴを狙って。

 仙台は75分に野沢から山本で、とにかく山本の裏から攻撃していこうとはっきりとした狙いで、点を取ることを諦めていなかったし、ハモンを置くことでハモンの一発のシュートとドリブル突破を信じて残した。ラスト10分過ぎにはガス欠となり、ウイルソンと代わるのだが、ハモンはよくやったと思う。

 

 仙台は勝ち点1でも御の字であったが、90+4分にコーナーのこぼれを山本康裕に見事に決められ、ついに決壊し、ジ・エンド。

 大事な大事な新潟戦であったが、自らがゲームを狂わしてしまい、勝つどころか相手に3を与えることになってしまった。

 

■最後に・・・

 もったいないというか、自分たちでゲームを壊したというかなんとも残念な試合だった。ゲーム自体は退場までプラン通りだったろうし、ベンチのメンバーを見ても十分勝機があった。それだけにあの退場が本当に悔やまれる。

 退場後のゲームの運びも良かったかどうかは疑問に残るが、勝つことを諦めなかった監督の判断に決して批判することはできない。守備に力を入れたところで今シーズンの仙台であれば失点する可能性はあった訳であるし。。押し込まれるだけの展開のほうが辛かったかもしれない。

 

 とりあえず7,8月の試合が終わった。状況は決して良くない、のかもしれない。というのもこの2ndステージに入って、仙台は現実的な試合をしていないと思う。もう少し勝ち点をシビアに取るような試合をしていれば、もう少し勝ち点は上乗せ出来ていたように感じる。しかしそうはしなかった。常に渡邉監督はチャレンジを止めず、すべての試合で勝ちに行こうしていたように見れる。それは仙台が次のステージへと登るために闘っているからであると思う。目先の勝ち点のために闘うのではなくて、もっと仙台が選手の成長を含めてチームとして成長するための闘いをしている。だから渡邉監督は点で見ているんじゃなくて、このチームを線で見ているんだと思う。

 改めて今シーズンは、新しいチームになり大幅に選手が入れ替わった。それに1stステージでいい成績も残し自身も付けた。だけど2ndステージになってもう一歩進もうというところで、なかなか結果でない。生みの苦しみと言ったらそれまでだが、結果が出ないことを悲観せずに監督も選手もチャレンジしているので、このチームがここを抜け出せたときもっといいチームになると思う。それまでの辛抱である。チームの育成と結果の両立は難しい、けど長い目で見れば勝負事よりもチームの育成は大切なことなので、これからは順位も気になるところであるが歩みを止めずにチャレンジを続けて残りの8試合闘って欲しい。