ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

始まりは終わりじゃない~J1 1stステージ 第12節 アルビレックス新潟vsベガルタ仙台~

 前節、浦和と4-4という壮絶な打ち合いで連敗を止めた仙台は、今節アウェイで新潟との対戦となった。

スタメン

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 仙台は右SBに蜂須賀、右SHに奥埜を起用した。それ以外は前節から変更点はなし。

 一方の新潟、得点源であるラファエル・シルバが離脱中に加え、大黒柱のレオ・シルバまで離脱してしまい、結構まずい状況。レオ・シルバの代役は舞行龍ジェームズ。それ以外にもメンバーをいじってきた様子。

 

前半~守備の連動性の話~

 仙台がエンドを変えてキックオフしたこのゲーム。先にゲームに入れたのは仙台だった。新潟より素早い出足で、ミスを誘発させたり、相手にロングボールを蹴らせ、そのセカンドボールを拾うことで自分たちがボールを保持する時間を増やした。仙台はボールを持った時になるべくFWの近くにリャンと奥埜を配置することで攻撃に厚みを増そうという狙いがあった。

 仙台がゲームを優位に進めると10分にゲームが動く、六反のゴールキックの競り合いで金園が競り勝つと抜け出した奥埜が冷静に決め、前節同様に早い段階で先制に成功する。このシーンでは小林がクリアミスしたり、新潟のDF陣がクリアしきれないところを見るとゲームに入り切れていない印象だった。

 その後も仙台のターンが続く、というのも新潟のお家芸である猛烈プレッシングが発動せず、FWの二枚が追ってもそれに連動して後方から押上げがないので、仙台に簡単にプレスを掻い潜られていた。レオシルバがいないのが原因なのかははっきりしないが、この試合の新潟には守備の連動性をあまり感じられない印象だった。

 それでも新潟は15分過ぎあたりから良くなった。仙台のプレスにも慣れ始めたのだろう。FWが仙台のSBとCBとの間で受けることで、そこから起点に侵入していこうという意図は見えた。この後から3回連続でチャンスを作る新潟。

 ここでも守備の連動性の話だが、仙台の中盤が相手からボールに奪いに行って、はがされてしまった場合、中盤の4枚と後ろの4枚の間にスペースが生まれてしまい、新潟にチャンスを作られる場面が多かった。4-4のブロックを組んでいるときはほとんど破られなかったが、どうしても前の4枚と後ろの4枚の間の距離が空くとピンチを招いてしまった。

 なのですぐに修正。前と後ろの4-4のブロックの距離感を修正することで、守備のバランスを取り戻した。この後は押し込まれる場面もあったものの、しっかりと跳ね返し、前半をリードで折り返した。

 

後半~中盤の勝負~

 後半も仙台は4-4の距離感をうまく保ちながら、試合に入った。前半のような中盤とDFの間にスペースが生まれることなく、落ち着いた対応で新潟の攻撃を抑えていた。

 攻撃でもサイドを起点に多くの人が絡むことでポゼッションができるようになってきた。

 そして65分に相手のクリアミスを拾った奥埜が左斜め45度からきれいなミドルシュートを決め、追加点。この時の新潟のボランチの寄せがお見合いになってしまったところに、この試合の新潟の状況が現れているように思えた。

 もう代役・舞行龍は無理!と判断した柳下氏は、舞行龍を下げる。これで前掛かりになった新潟ではあるが、フィルター役がいなくなったことで、中盤がスカスカに。。おかげで仙台は中盤のエリアを完全に支配することができた。

 この日のミンテと富田のコンビは絶妙なコンビネーションで、新潟との中盤の勝負にことごとく勝っていた。

 79分には、成岡に当たったボールが裏へ抜け出そうとしたミンテの足元にきれいに通り、冷静に決め3-0。残りの時間も冷静にしのぎ切った仙台が、第3節・湘南戦以来のクリーンシートで勝利。8試合ぶりの勝利となった。

 

最後に・・・

 久しぶりの勝利である。前半に守備の距離感が空いたことで危ない場面もあったが、再度、距離感を直すことでうまく修正を図ることができた。言うことない内容ではあったが、新潟がレオシルバ抜きの状況で最適な準備をしてこなかったのにも助けられた印象がある。仙台が良かったというより、新潟にだいぶ問題があったというのが今節の正しい評価かもしれない。

 それでも勝ち点3を取れたことには変わりはないし、奥埜が点を取り始め、ミンテも思っていたよりも機能している。苦しい状況が続いたが、新しい選手の台頭もあって新ベガルタは成長できている実感が出きる。

 そしてこの勝利を次の勝利へとつなげるべく、次は甲府戦。甲府も監督を変えて一発目で勝利し、バレーも点を取ってポジティブな要素が多い。そんな相手に今節同様、冷静にゲームを進めることができるかがポイント。また次もいいゲームを期待したい!