ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

殴り合わない~J1 1stステージ 第5節 川崎フロンターレvs浦和レッズ~

 たまには他の試合も感想を書こうじゃないかということで、今回は川崎vs浦和を取り上げる。まぁ次が川崎というのもあるだけどね(笑)f:id:khigu:20190813204522p:plain

 川崎は小林悠、杉本がケガ、352で森谷がトップ下に入る。3バックを見るとCBというCBが角田しかいないのが何とも川崎らしい。一方の浦和、前線の3枚は日替わり。今節は高木、ズラタン、石原という3枚。プレーシーズンでよかった橋本はベンチ。

 

前半~森谷と車屋

 この試合は伝統的に殴り合う(らしい)。それはお互いに攻撃が大好きのチームだから。けど今回の試合は様相が変わった。浦和はコイントスでコートをチェンジし、試合の入りから川崎にボールを持たせる展開へと持ち込んだ。いかにもアウェイチームらしい慎重な入りを浦和は選択した。

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 ということで、試合の開始から上図のようなシーンが目立っていた。浦和は541で守備をセット。一方の川崎は憲剛を落して、後方のビルドアップをお手伝い。ズラタンの周りには常に三角形が出来ていた。前線に目を向けると川崎の2トップに対して槙野、森脇がしっかりマンツーマンで見る形。そして森谷は、相手の3列目と2列目の間で顔を出し続け、大島や憲剛のパスを受けようと動き続けていた。見方を変えれば2トップが槙野、森脇を抑え込むことで森谷を自由に動かしていたというとらえ方もできる。2人とも下がって受けることはあったが、2トップが槙野、森脇をつらせる担当をしていたように思えた。

 しかし、浦和も中央からの突破はやらせない。縦パスが入ったらすかさず潰しにかかっていた。ということで川崎は攻撃の狙いどころを変更。浦和の守備にボロが出るとしたら、守備がそこまで得意ではない関根のサイド。15分過ぎから川崎は左サイドからの攻撃が目立っていく。外中外というボール循環で、川崎は関根サイドをぶち破ろうとする。マッチアップの車屋がイケイケのおかげで序盤は前線に顔を出していた関根を全く上がれない状況になっていった。そして35分にレナトからパスを受けた車屋が関根を振り切り、えぐると最後は間を獲り続けた森谷がきれいにインサイドで合わせ先制。この場面でも、レナトに森脇がしっかりついていたおかげで、車屋と関根は1vs1の状況になれたし、ペナの中で森谷は3列目と2列目の間でフリーになっていた。しっかり伏線が張られていたわけである。

 ということで前半は1-0で川崎リード。せっかくエンドも変えたのに浦和はビハインドで折り返すこととになった。

 

後半~膠着状態~

 後半、浦和も引っ込んでられねえ!と言わんばかりに前プレ開始。全体を押し上げて前からハメに行こうしていた。しかし、川崎も大島、憲剛を起点に上手にプレスを回避、そしていなしながらゲームを進めた。

 川崎はミドルサードで、パスを回し、相手の穴を探していたが、森谷は那須にうまく抑えられたりと前半のようにはうまく攻めれてなかった。その象徴に前半よりもペナの中に侵入してくる回数、シュートの本数が減っている。ミドルサードでボールを動かせていたものの浦和も最後の最後はやらせていなかったということだろう。

 ということで自然と浦和がボールを持てるようになってくる。川崎を押し込む時間が長くなった。しかし川崎もマンツーマン気味の守備で対抗していた。守備について脆いというのは嘘で川崎の選手は1vs1は本当に強い。ただ、ファウルも多かったが・・・。

 じりじりとした時間が浦和は続いたが、唯一の光明がセットプレー。前半から川崎よりも競り勝ててた。ということで88分に右サイドで得たFKからニアでズラタンが合してなんとか同点。流れの中では川崎に抑えられていたのだが、唯一勝ててたセットプレーで同点にするあたりが憎い。

 ということで川崎はゲームを完遂できず、結局1-1で終わり。

 

最後に・・・

 浦和はしぶといが、日替わり3トップなので去年よりも明らかに前線の迫力がない。興梠が戻れば多少良くなるかもしれないが。ターンオーバーは言葉で表すよりも難しい。

 川崎は、車屋エウシーニョがよかった。ボランチコンビや大久保なんかに目が行きがちだが、このサイドは強烈。車屋vs関根は胸熱だった。ただ、あの3バックなのでやはり今回みたいに高さ勝負を持ちかけられると厳しいかもしれない。角田も忙しそう。

 もっと殴り合う試合を見たかったが、これはこれで面白かった。