ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

はじめの一歩~J11stステージ 第1節 ベガルタ仙台vsモンテディオ山形~

 ついに開幕したJリーグ。今年はどんなシーズンになるのだろうか。というわけで、仙台の開幕は「みちのくダービー」、相手はライバル・山形である。f:id:khigu:20190813203620p:plain  

 このオフで大幅な選手の入れ替えが行われた仙台は、スタメンに仙台ユース出身でルーキーの茂木を先発に起用。CBには柏から来た渡部、FWはハモンと長崎からレンタルバックで帰ってきた奥埜。スタメンの平均年齢は27.7歳で昨年より若くなり、年齢のバランスもよくなった。

 一方の山形。3バックの中央には仙台から獲得した渡辺広大ボランチには柏時代に石崎監督の下でプレーしていたアルセウを起用。それ以外は昨年からいるメンバーで構成だった。

 

前半~今年の仙台の特徴は??~

 この試合、ダービーということもあって局面局面で潰し合いが多く、互いにチャンスが多かったわけではなかった。しかし互いにチェックが激しく、切り替えの早いゲーム展開で面白い内容だった。

 その中で、前半は仙台が今シーズンから挑もうとしているものが見えた。

 まず一つは、守備時の切り替えの早さ。優勝争いを繰り広げていた2012年のシーズンでは、この切り替えの早さと、高い位置からのプレッシングでボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けていたが、近年ではそのアグレッシブさがなくなり、切り替えも遅く、プレスも中途半端なかかり方だった。今シーズンはこのような反省も踏まえ、まず「堅守」復活を目指すわけだが、その中でも重要なのは「切り替え」の部分。ここがしっかりしてないといい守備ができない。

 今節では、この切り替えの早さが多くの場面で見られた。取られたらまずはファーストDFがチェックをかけ、そのあとに二の矢、三の矢とプレスをかけていた。全部の場面でボールを刈り取れたわけではないが、全体が共通してやれている印象があった。

 一方の山形も切り替えが早く、多くの人をかけてプレスをかけていた。よってこのゲームが潰し合いのような展開になったのだと思う。

 次に仙台のボールの回し方。山形戦ではチームとして共通したボールの循環の仕方が行われていた。CBまたはボランチから、下りてきたFWに預け、フォローしてきたサイドハーフに落とし、空けたサイドのスペースをSBが使い、そこへ出していくというパターン。一度相手を中央に集めさせることでサイドにスペースを作り、そのサイドからえぐる、もしくは早い段階で上げるのである。

 前半36分のシーンを例に挙げてみる。f:id:khigu:20190813203817p:plain

 鎌田から縦パスを受けた富田は、前を向き、下りてきた奥埜へさらに縦パス。奥埜は後ろから来た広大を振り切り前を向く。この時、近くには茂木、リャンがいて、もし向けなかったとしてもそこに落とせる距離に仙台の選手がいる。

 前を向いた奥埜は大外から上がってきた菅井へスルーパスし、菅井はダイレクトでハモンに流すが、ハモンのシュートはミートせず、左へ反れていった。

 このシーンでもわかるように、仙台は中央に多くの人を集結させ、山形の選手を引き寄せている。そのおかげで、菅井には裏へ走るスペースがあった。この試合では山形が、3バックだったため、サイドに多くのスペースがあったことは留意すべきだが、仙台はこのような狙いを持ってやっているシーンが多かった。

 ただ、相手が4バックだった時や、赤嶺を失い、高さがなくなった仙台がサイドからどうチャンスを作っていくかということは、今後考えていく必要がある。

 3つ目に、コーナーの守り方がマンマークからゾーンへ変更したこと。昨年はセットプレーからの失点が多く、また角田や赤嶺といった空中戦に強い選手がいなくなったためゾーンへ変更したと思われる。この試合では、うまくこの守り方が機能していたと思う。これから手ごたえを感じていけば、さらに強固になるだろうが、ゾーンは研究され弱点を突かれたり、いいキッカーがいると簡単にやられてしまうので、危険ではある。まぁ、もう少しやってみないとわからない面が多そう・・・。個人的には、ゾーンで守る仙台を見るのが初めてなのでやや怖い(笑)

 

 という今年の仙台が垣間見えたところで前半終了。

 

後半~不幸中の幸い~

 後半も流れは相変わらずの潰し合いに。。お互いに攻撃の糸口が見つけられず、枠内にもシュートが飛ばない状況。。。

 そんな中、意外な形でゲームが動く。63分に野沢が山田に対して後ろからスライディング。前半に一枚もらっていた野沢に対してもちろんイエローで退場。これでゲームの流れがぐっと変わった。仙台は慌てて、奥埜を左に持っていき、撤退守備を開始する。そして山形が責め立てるのだが、山形にとっては逆に困った状態になったような気がする。60分まである程度ゲームプラン通りだったはずで、おそらく仙台が点を取りに来る70分過ぎからが、得点のチャンスだと思っていたはずだ。なので、虎視眈々とその機会を待っていたのに早い時間帯で来てしまった、しかも自分たちがボールを持つという状況で。ということで攻めのイメージがあまりない山形はサイドを中心に攻めていた。仙台はそれを何とか跳ね返し、耐えしのぐ。リャンと富田のところがガバガバに空いていたのでそこを突かれたらまずいなと思っていたが、あまり効果的なボールが入ってこなかったので助かった。

 仙台はハモンに代えウイルソンを投入。これがドンピシャで当たった。81分、関のロングキックをウイルソンが収め、奥埜、菅井とつなぎ、裏のリャンに通そうとしたが跳ね返され、セカンドボールを富田が頭で裏へ通すとリャンが抜け出し、ウイルソンへパス、これを沈め10人の仙台が先制。

 上手に守ってしのぎ切りたい仙台は全員が自陣へ引き、守りを固める。そして90分に山形のコーナー(山岸が来た!!)を跳ね返した仙台、クリアが後ろの山田へ来るとすかさず菅井が猛烈なプレスでボールをかっさらい、ウイルソンへパス、山岸を冷静にかわし、2点目。

 これで勝負アリ。4年ぶりのダービーは仙台に軍配が上がった。

 

最後に・・・

 ダービーはいつもより結果が求められるだけあって、勝ててよかった。とりあえずはじめの一歩を踏めた。実は後半、10人になっても仙台はセカンドボールをとる回数が減らなかった。これが1つの勝因に思える。守備一辺倒にならずに済んだのは仙台がハードワークし続け、セカンドボールを拾っていたからである。

 また、トップコンディションではなかったウイルソンが得点したのは大きいし、それと同じくらいハモンがあれだけ守備に攻撃に走れる選手になったのは頼もしい。あとはウイルソンを見習いプレーの精度を上げていけばさらに化けてくる可能性がある。

 次は柏。思っていたよりチームが完成しているので、今回の試合よりも苦労するのは間違えない。ただ、どこかにボロはあるのでそれを見つけ出せるか。アンカー脇をうまく支配すればゲームの流れをつかめるかもしれない。

 

PS

 3週間ほど消えるので、ブログお休みします(‘ω’)ノ

 次は4月の清水戦あたりを予定しています!ではでは!!