ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

ターンオーバーゼロックス ガンバ大阪vs浦和レッズ

 Jリーグ開幕まであと1週間。ということで毎年恒例のゼロックス。ガンバとレッズの対戦。f:id:khigu:20190813203246p:plain 

 水曜日にACLを戦い、さらに今週の水曜日にもACLがあるため、正直言ってゼロックスに対する本気度もあんまりない気がする。なので、ミッドウィークを意識してか、お互いにターンオーバーを採用した布陣。特に選手層が厚くなった浦和はだいぶ水曜日のメンバーから変更している。

 

前半~浦和の狙いとは???~f:id:khigu:20190813203325p:plain  

 前半、浦和がボールを握る時間がだいぶ長かった。浦和は自分たちでボールを持ってペースを握りたかっただろうし、ガンバも状況に応じてブロックを組むことを優先していたというところに、この展開になった背景がある。まぁ、浦和とやるならば相手にボールを保持させ、奪ったらカウンターが最もな正攻法なので、それにガンバが従った感じだろうか。

 浦和といえば、攻撃時と守備時でシステムを変えるいわゆる可変式システムなのだが、前半の浦和は後ろからのビルドアップ時に可変をあまりしていなかった。基本DF3枚でビルドアップさせ、詰まったら柏木、阿部が援護するような形が多かった。しかし、狙いがあってやっていたかは不明。正直言って後ろで回していても縦パスが入らず、どういうボール循環をさせるかがはっきりしていなかった。おかげでサイドにボールを入れてもガンバはサイドバックサイドハーフで数的有利を作っているため簡単にボールを失うし、中央にいれても梅崎も高木も李もボールを収められなかった。30分過ぎになるとガンバの2トップがそれほどプレスを駆けなくなったので、那須や阿部がロングフィードでサイドへ展開し、そこからアタックしていくことが増えていった。

 反対にガンバのブロックはよくできていた。誰がどのような役割を担えばいいかはっきりしていて、特に縦パスに入ったボールに対して一人が当たって、もう一人がプレスバックしてということが出来ていたし、2トップの一角に赤嶺が入ったことにより、前線のプレスが明確なっていた。浦和がだいぶスローテンポで試合を進めていたこともあるが、いい守備が出来ていたと思う。

 前半は何だが、眠くなるような内容で0-0で折り返す。

 

後半~したたかに~f:id:khigu:20190813203410p:plain 

 後半、浦和は後ろを3枚から2(4)枚に変更。こうすることでサイドで孤立気味だった両WBを槙野と森脇がサポートすることで解消し、攻撃に厚みを加えた。また途中でズラタンを投入し、頂点で窒息しそうだった李を解放。前半同様ロングフィードでピッチを広く展開することでガンバの守備を広げ、できた穴を突いていった。おかげで前半よりは、攻撃らしい攻撃ができ、決定的な場面を作れるようになる。

 

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 しかし、黙って攻撃を受けるだけではないのが昨季のリーグ王者。ここで万応じして、超人・パトリックを投入。パトリックは右サイドに張ることが多く、今回もパトリックに右サイドに張ってもらい、槙野の裏のスペースを徹底的についていく作戦にシフトチェンジした。これが奏功し、66分にパトリックが宇佐美とのコンビネーションで右サイドを破るとコーナーを獲得。そのコーナーをパトリックがすらし、最後は宇佐美がプッシュし先制。

 その後は、浦和の攻撃を抑えながら、したたかにパトリックの裏を狙う作戦に。ラストプレーで槙野がミスパスをし、ボールがパトリックのもとへ行くと、右サイドから中へ侵入し阿部を振り切りゴールし、勝負アリ。

 20でガンバが勝利した。

 

最後に・・・

 ガンバはターンオーバーを使いながらも最後は短時間でパトリックが結果を出し勝利した。ACLを戦ううえでは決して厚い選手層ではないが、こういう選手の使い方ができるのはいい経験になったのではないだろうか。

 一方の浦和も同様にターンオーバーを使ったが、こちらは新戦力がまだまだ浦和のサッカーになれていない印象だった。あまりにも選手を変えて挑んだので今回の試合がどれぐらい今後に向けての参考になったのかはよくわからない。浦和はミシャになって4年目、そろそろタイトルといいたいところだろうが、このサッカーもだいぶ使い古され、今回のガンバのようにある程度研究されている部分も多くなっている。これから優勝するチームになるために今のサッカーがもうひと進化する必要がある気もする。