ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

盤石アジアカップグループD第3節 日本vsヨルダン

 勝てば文句なしにトーナメント進出が決まる日本。地上波は「負ければ敗退の危機!!」なんてだいぶ煽っていたけど、そんなのは杞憂に終わりましたね(笑)20で危なげなく勝って1位通過。ここまで盤石の戦いを見せていよいよ次のラウンドに進むわけでございます。

 ということで、ヨルダン戦の感想を。。。

 

 スタメンは、3試合とも変わらず。内容も結果も悪くなければ変える必要はない。一方のヨルダンは、4312でスタート。ヨルダンに対してはいい印象もあれば、嫌な印象もあるといった感じだろうか。なお、監督はイングランド人。

前半3vs3と横幅

 試合が始まるとともにスタートしたヨルダンの日本対策。

 日本はアンカー・長谷部が最後尾に下がってビルドアップを開始するのだが、ヨルダンは前のトライアングルが3枚を監視する形を取ってきた。この策をどっかもやったなと思ったら、11月シリーズでオーストラリアも同じような形で対策してきたなと思いだした。噂によると3枚でビルドアップする相手に前線3枚がマークする方法は別に変わったことではないらしい。いつも見ているJリーグでは見られないけれども・・・。

 ということで、お約束通りに展開に日本は持っていく。セントラルハーフ(主に香川、時々遠藤)が一枚下りてきて、4vs3の状況にすることである。別にこれ以外にも方法はあるだろうが、一番ベターな方法だと個人的には思う。これで後方のビルドアップは改善された。

 前線を見てみるとヨルダンは守備が中央に寄っている印象だった。よって最初は中で待っていた乾がだんだん外で待ち受けるようになる。日本は、SB+乾が外に張ることで、そこを起点に攻めようとした。10分過ぎになると後方からサイドへのロングボールを多用し、ヨルダンの守備を引っ張り、空いた中を使うか、サイドをえぐるような狙いが見えた。本田は香川が空けたスペースにいることが多く、今日もほとんどは左からの攻めが中心だった。

 そして先制点も左サイドから生まれた。

 この図の前に狙い通りに吉田が長友へ斜めのロングパスを送っている。それはミスになっていしまうのだが、相手にチェックをかけた乾のおかげでセカンドボールを拾うことに成功。遠藤、長谷部、香川が三角パスを回し、長谷部が乾へ縦パス。この時、本来は縦を切らなければいけないユーセフ(23)が長友へ意識がいったためやすやすと縦へ入れることができた。そのあとは乾から岡崎、岡崎のシュートのこぼれを本田が右足で今度こそ流し込み先制した。多くの人数が同サイドにいることで相手を崩したシーンだった。ザッケローニ時代の遺産ともいえる得点だったともいえる気がする。

 前半はとりあえず10で折り返す。

後半試合巧者

 勝たなければ意味がないヨルダン。後半スタートから一気に2枚代えをする。

 10、16を投入し、システムも442(4231?)へ変更。

 点を取りたいヨルダンは、前半は待ち構え縦には厳しくいく守備のスタイルだったが、後半はなりふり構わずプレスをかけまくっていた。最初の1015分は、前プレもかかり日本ゴールを脅かすシーンもあったが、しだいに燃料切れに。そうするとボールを握れるのは日本。その後は再度、日本がボールを握る時間帯が続いた。それでも日本も相手を崩しきるまでには至らない。岡崎が前半よりもサイドに動いてボールを受けたりする工夫があったりしたけど、なかなかバイタルエリアからペナルティまで入り込んでいくことはできないし、ラストパスのところで合わなかったりという展開が続いていった。けど、ヨルダンもヨルダンでチャンスを作れていなかったので、お互いさまという感じだった。

 そんなこんなで時間は過ぎ、日本は79分に岡崎から武藤へスイッチ。武藤が言われたのはおそらく岡崎同様サイドで起点を作ることと、前線からのチェイシングだったと思う。

 で、采配が的中。後半から出てきた清武が右SBの裏に走り込んできた武藤へスルーパス。武藤はゆっくり時間をかけ、グラウンダーのクロスを上げると走り込んできた香川が押し込み、勝負アリ。

 久々の得点もあって20で勝った。

最後に・・・

 盤石の勝利。前回あげれなかった追加点も上げれたし、内容、結果と共にいいゲームだったと思う。

 これから決勝トーナメントであるが、不安があるとすれば前回も書いたように守備面。どうしても中盤が空いてしまうシステム、メンバーなので、結構守備には穴がある。その穴を今大会で突かれなければいいなと個人的には思っている。

 そしてそれに伴い、アンカー・長谷部が持つかどうか。今大会は中盤の底で広範囲にわたって守備に攻撃に走り回っているためにちょっと心配。今野がけがをしてしまったために変わりはCBの森重だけになってしまっている。いざというときにどうするか、アギーレの手腕も楽しみだが、優勝を狙うのならばアンカー問題を解決しなければならないだろう。

 ここまで盤石な戦いをしているだけに、不測の事態に陥ったときどうするか、楽しみであり、心配でもあります。