ヒグのサッカー分析ブログ

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W杯グループC第2節 日本vsギリシャ

 初戦でコートジボワールに敗れてしまった日本。負ければ終わりのシチュエーションで挑んだギリシャ戦だった。ギリシャも同じシチュエーションでまさしくサバイバルマッチとなった一戦。結果はスコアレスドローとなり、互いに決勝トーナメント進出の可能性を残したものの厳しい状況になった。

 

 スタメンは

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 日本は、初戦から2つの変更があった。1つはCBに森重に代えて今野を起用、そして香川でなく大久保を起用し岡崎を左のSHにし大久保を右SHにした。

 一方のギリシャはワントップにミトログルを起用した。

 

1. 前半

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  まずはギリシャの特徴から。ギリシャは素早く両WGが下り4141になる。そしてアンカーのカツラニスが本田をマンツーマンしていた。日本のDFラインからのビルドアップにはプレスをかけずにボランチに入ったあたりからプレスを開始していた。そしてボールを奪ったら、両WGが駆け上がりカウンターを仕掛ける形になっていた。

 一方の日本。まずは岡崎を起用した理由として、相手の右SBを封じることが狙いだったと思う。香川だとどうして守りに難があるので岡崎に左サイドをケアしてもらおうという感じだったのではないか。(香川のコンディションの問題もあったが)また岡崎がトロシディスを引っ張ることで長友がもらうスペースができていた。また本田にアンカーが付きっぱなしだったので、本田が下りてくると自然とアンカーのところにスペースができ、そこに大迫や大久保が顔を出してボールを引き出していた。

 前半は、日本が前回の反省を生かし自分たちのサッカーを取り組もうとしていた。守備では早い切り替えでボールを奪取するシーンもあり、決して悪くはなかった。しかし、バイタルにボールが入ってもそこからペナルティエリア内に侵入することがなかなかできなかった。ミドルシュートが悪いわけではないが、あと少しチャレンジが足りなかった。

 そして試合は思わぬ展開になってしまう。アンカーで本田をマンマークにしていたカツラニスが退場になる。一人退場になったのはいいが、本田のマンマーカーがいなくなったことでギリシャが4-4-1に変更し、再三使っていったアンカーのスペースが逆に消えていしまうことになった。そして崩しきれないまま前半を折り返すことになる。

 

2.後半

 日本は後半の頭から予定通り遠藤を投入する。ギリシャは10人になってより守備的になったものの、幸いなことに遠藤にも中盤がプレスをかけてくれたので、バイタルにスペースが生まれ前半と変わらず、侵入することには成功した。しかし、相変わらず崩しきれない。そこで香川を投入し、なお攻勢をかける。20分過ぎになるとさすがにギリシャもバテ始め、プレスが遅くなりチャンスを作り始めたが決めきれなかった。そして0‐0のままラスト10分になると、ギリシャも「中を固めてしまえ作戦」を決行し、完全に引きこもる。そうなるとこの壁を崩すのは難しくなる。最後に初戦同様、吉田をパワープレーで上げたが実らず。結局崩しきれないまま手痛い引き分けとなってしまった。

 

3.最後に・・・

 このゲームを全体的に振り返ってみると疑問符がいくつかつく内容だった。特に後半の内容には不満な点が多い。遠藤、香川を投入したにもかかわらず、サイドからのクロスで応戦しようとしたこと。(大迫を下げたのに!)また、相手がばてているのに我慢強くボールを回せず、焦ってシュートまで持っていこうとしたこと。三枚目を使わなかったこと・・・。いろいろあった。今の代表はどこか歯車がかみ合っていない。どこかで明らかにズレが生じているような気がする。

 しかし、そんなことを言ってもすぐに次の試合がやってくる。次は突破を決めているコロンビアだ。コロンビアがどういうモチベーションで来るかわからないが、多くのサポーターが見守る中なので勝利への使命感があるに違いない。次の試合に求められるのは突破したいという強い気持ちと、もっとW杯での冒険をしたいという探求心、野心である。日本の底力を見してもらいたい。