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W杯 グループF第1節 アルゼンチンvsボスニア・ヘルツェゴビナ

 メッシを擁し、今大会こそ優勝を成し遂げたいアルゼンチンと、32か国中唯一の初出場チームのボスニア・ヘルツェゴビナとの一戦。互いに持ち味を出した試合だったが、2-1でアルゼンチンがボスニアに勝利した。

 

 スタメンはf:id:khigu:20190502113117j:plain

 アルゼンチンは3バックを採用し、イグアインやガゴを温存した。ボスニアも相手がアルゼンチンということで、4-2-3-1を採用し、2トップの一角であるイビシェビッチの代わりにボランチに本職がCBのベシッチを起用し守備的なシステムとした。

 

1. 前半

 開始から試合が動く。3分に左からのメッシのFKをボスニアのコラジナクがオウンゴールしてしまい、アルゼンチンがあっさりと先制をする。

 

 その後はアルゼンチンがボールを握る展開となる。アルゼンチンがDFラインでボールを持った時、メッシが中盤まで下り、M・ロドリゲスが裏に抜けたりする場面が目立った。しかしボスニアもその辺は研究していて、メッシにボールが入ると、まずはベシッチがメッシにアプローチをかけ、タイミングよくピャニッチやスパヒッチとサンドしてボールを刈り取って行った。おかげでボールは持てどもメッシのところでつまるからシュートまで持っていくことができなかった。

 反対にボスニアは、ボールを奪った後に分厚い攻撃でアルゼンチンゴールを襲う。しかし、FWがジェコだけなのでどうしてもフィニッシュまでもってけなかった。

 前半は互いに決定機を作れず、アルゼンチンリードで折り返す。

 

2.後半

 リズムに作れないアルゼンチンは、温存していたイグアインとガゴを後半頭から投入する。

 アルゼンチンが自分たちのリズムにするためにしたのが、メッシの自由化であった。f:id:khigu:20190502113323j:plain

 まずは、イグアインを入れて2トップにすることでメッシをマークしていたスパヒッチを抑える。次にガゴを中盤に入れ、ガゴにやや低めの位置をポジションを取らせることで、ベシッチに迷いを生じさせた。ベシッチがガゴに行けばメッシが空くし、メッシにつけばガゴが空きそこから展開されるし・・・、といった状態になった。ボスニアを混乱させるとメッシが生き生きとプレーし始める。そして65分にメッシらしいドリブルからのスーパーゴールを決め、リードを2点とした。

 こうなったら攻めるしかないボスニアイビシェビッチを投入する。もともと攻撃力があるだけにバテたアルゼンチンを攻め込むことに成功する。そして85分にイビシェビッチが決め、1点を返す。しかし、同点にはできず、アルゼンチンが初戦を勝利で上げた。

 

3.最後に・・・

 前半先制をしたもののリズムを作れなかったアルゼンチンが、交代で見事に流れを引き寄せたのは素晴らしかった。2トップがCBを抑える発想はとても面白いし勉強になる。そしてガゴは、パスの配給が見事だった。課題を挙げるとしたらラスト10分の守備だろうか、FWの3人が攻めず疲れし、間延びしてしまっていた。もともとそんなに守備が強いわけではないので、ボスニアより強力な攻撃陣に守り切れるかが1つポイントになるだろう。

 一方のボスニアの攻撃力は本物だと思う。ジェコとイビシェビッチは強力だし、中盤にはミシモビッチもいれば、ピャニッチもいる。残り2試合も攻撃的な姿勢で行けば勝てないわけではない。十分に上のラウンドに進めるポテンシャルはある。

 両方とも今後が楽しみなチームだ。