ヒグのサッカー分析ブログ

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久々の勝利と残留決定J1 2ndステージ第14節 サガン鳥栖vsベガルタ仙台

 前節、勝てば残留という状況だった仙台だが、残留争いに巻き込まれている名古屋に敗戦。これで公式戦は6試合勝ててない状況になってしまった。今節の相手は鳥栖。この厳しい状況を切り抜けると同時に、残留を勝ち取ることができるかどうかという一戦。

 2ndステージの鳥栖は、フィッカデンティのサッカーが浸透したことで結果が結び付いてきている。一時は2ndステージ2位まで上り詰め、優勝争いに絡みそうな勢いだったが、ここ最近は3試合勝てずに優勝争いからも脱落。残留も決まっており、難しいモチベーションの試合となった。

 スタメンでは出場停止明けの豊田がスタメンに復帰。前節ゴールを決めた富山が豊田の相棒に。出場停止のキム・ミヌの代わりに早坂がインサイドハーフに名を連ねた。

 一方の仙台。名古屋に負けたこと以上に内容が酷過ぎた前節だった。まずは内容の改善が必須になる。今節のスタメンは名古屋戦と変わらず。ベンチには久々に金園が復帰。残留を勝ち取るとともに、久々に勝ち点を40に乗せたいところ。

■前半相手のどこにスペースがあるか、または作るか

 前半の内容を見ているとお互いにやりたいこと、目指しているところは似ているのかなと感じた前半だった。似ているというのは方向性の話でデティールの部分では全然違うけど。

 鳥栖も仙台もボールを保持した攻撃を構築したいということ。そして堅い守備を持つことという意味ではお互いにやりたいことが近いように思える。

 

 まずは鳥栖から見ていく。前半の内容は全体的にボールは握れる時間はあるけどシュートまで持っていけないという印象だった。

 鳥栖は頑なにキーパーから繋いでいく姿勢を見せる。仙台の守備がセットさてた状態でもゴールキックは基本的にセンターバックへと預けていた。

 鳥栖のビルドアップはセンターバックが左右に広がってボールをもらうことからスタートする。高橋義希が2トップの間にいることで2トップをピン留めし、センターバックにフリーでボールを持たせることがビルドアップのルールだった。

 鳥栖のビルドアップは左右で違っていた。左サイドではインサイドハーフの福田が降りてきて、左サイドバックの吉田が高い位置でボールを受けるポジショニングしていた。吉田は鳥栖の攻撃におけるキーマンなので高い位置にポジションを取らせたいのだろう。

 反対に右サイドは、藤田がボールを受けると早坂が中から外へ移動し、その間にトップ下の鎌田が降りてきてボールを受ける、またはサイドの早坂に預ける。富山が裏へ抜けるといったパターンを持っていた。

 鳥栖の攻撃は基本的に右サイドが多かった。それは人のかかわりが多かったからというのが主な要因だと思う。左サイドでは福田がボールを受けられても吉田にボールを届けることが少なかった。

 そんな鳥栖の攻撃に対して仙台は人の移動のときにマークをしっかり受け渡すことで対応していた。特に仙台の左サイドでは、サイドにボールを誘導させ、早坂にボールが入ったらしっかり奪いに行く守備ができていた。

 一方の仙台は、ピッチを広く使うことをこの試合のテーマとしていた。鳥栖のシステムは4312なので、単純に考えれば中は堅いけど、外は手薄である。よって仙台はシンプルにサイドにボールを運ぶことで、時間とスペースを作り全体を押し上げることに成功していた。

 この試合はいつもと違い、ビルドアップ時は三田や晋伍が降りてこず、最終ラインの4枚がそのままの形でビルドアップを行っていた。三田や富田が降りて通常通り3枚でビルドアップすると鳥栖も2トップと鎌田で3枚で当ててくるとからと予測したからだろう。4枚でビルドアップすることでサイドバックに時間ができ、スムーズに押し上げることに成功した。また、中盤で奪ったボールをボランチが横に展開することでしっかりとマイボールにして高い位置に運ぶこともできていた。

 そして前進させて次なるポイントはサイドの裏。特に左サイドでハモンが流れることで相手の深いところまで侵入し、ハモンのキープから攻撃を仕掛けることができた。この試合では奥埜とリャンがポジションを変えてプレーしたが、奥埜はハモンとうまく連動しながらシュートまで行くシーンを作っていった。

 26分の先制点は、鳥栖のビルドアップのミスからの得点。しっかりプレスバックし、ボールを奪い取った西村を評価したい。トランジションになったところだったので鳥栖の守備は準備ができておらず、センターバックの間にギャップが生まれてしまった。ハモンが1対1を冷静に決めて先制。

 失点前からうまくビルドアップができていなかった鳥栖。左サイドでも福田が高い位置を取り、吉田と二人の関係でサイドを突破してクロスまで持っていくシーンを徐々に増やしていく。吉田の右足のクロスはかなり精度が良く、怖い存在だった。前半は合わなかったが後半はここがポイントになるかなというところで前半が終了する。10で仙台リード。

■後半フィッカデンティの修正とハモン・ロペス

 鳥栖は後半、4312から442へとシステムを変更する。

 狙いは仙台と同じシステムにしてプレスを掛けやすくすること。前半は仙台のサイドバックのところで時間とスペースを与えていたところで、ピッチを広く使われるシーンが多かった鳥栖。まずはそれを減らすことで、仙台の流れから自分たちの流れへと引き込もうとした。

 後半は鎌田が左に登場したことで、左からの展開がスムーズになる。また後半始まってすぐに富山→カビルにし、前線から落ちてきてボールを引き出すカビルの存在によって、鳥栖は徐々に流れをつかみかける。

 しかし、追加点は仙台。55分。相手陣地右サイドでファウルを受けると晋伍が素早いリスタートで藤村へ展開。藤村のファーへのクロスに合わせたのはハモンロペス。リスタートから追加点を奪ったことでスコア的には楽にゲームを進めることができた仙台だった。

 だが状況は鳥栖ペース。前半の最後のほうにあった吉田からクロス爆撃が後半に入ってより一層強くなった。さっきも書いたように442にしたことで攻撃がサイドからのシンプルなものになったからである。

 そして鳥栖も1点返す。63分にコーナーの2次攻撃からキムミンヒョクのアーリークロスに豊田が合わせて1点差に詰め寄る。気にしていたクロス爆撃による失点。

 その後も鳥栖のクロス爆撃は続く。前半もクロスからの攻撃が狙いだったのだが、そこまで持っていくのに苦労していた。というより少し凝りすぎていたように思う。

 前掛かりになる鳥栖に対して仙台は中を固めながらしっかり守る。そして75分に追加点。鳥栖の左からのクロスが誰にも合わずに仙台のボールに。自陣中央から奥埜がハモンへロングフィード。ハモンは右サイドから得意の形で谷口を振り切り左足の強烈なシュートでハットトリック達成。

 80分には鳥栖も吉田の右足のクロスを義希が合わせて1点差。

 その後は、鳥栖のパワープレーを必死に仙台が跳ね返す展開になる。ラスト10分は危ない場面もあったが集中して守り切り、32で勝利。久しぶりの勝利と共に残留も決定。勝ち点も40まで到達させた。

■最後に・・・

 後半、フィッカデンティが442にし、シンプルな攻撃をしてきたことで少し耐える時間が長くなったものの最後はなんとか勝ち切ることができた。横からの攻撃に2失点してしまったことは反省だが、まずは勝利したことを素直に喜びたい。

 この試合の仙台の得点はすべてトランジションからのものだった。1点目は中盤で奪ってのカウンター。2点目は早いリスタート。3点目は前掛かりになった相手にハモンの質的優位。どの得点も鳥栖の守備が整っていない状態で仕留めたということは評価できるのではないか。

 また西村がここ数試合で急激に良くなっている。1点目は起点となり、2点目は自身がニアに飛び込むことでファーのハモンがフリーになれた。攻撃だけではなく、守備でも奮闘してくれたことはとても良かった。残り3試合のうち1試合でもいいからこの頑張りがゴールという結果に結びついてほしい。

 

 今節で無事残留は決まった。残り3試合をどのように戦うかは来季に向けて重要になってくる。もちろん単なる消化試合に終わってもらっては困るわけで。残り3試合すべて勝てば勝ち点は49。この数字で終わることができれば今シーズンは十分の成績だろう。まずはこれを目指してほしい。天皇杯もなくなってシーズンが早く終わるのだから、その分、最後までリーグ戦を必死で戦ってもらいたい!

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