ヒグのサッカー分析ブログ

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いい守備からいい攻撃へJ1 1stステージ第15節 柏レイソルvsベガルタ仙台

 前節、新潟を下し、今季初の連勝となった仙台。3連勝を目指す今節は敵地・日立台での柏レイソル戦。

 柏はここ最近採用していた442ではなく、433の布陣を採用。右サイドバックにはルーキーの湯澤。左サイドバックの輪湖がけがしたことで、左サイドバックには中山。センターバックは鎌田と中谷のコンビ。中盤は秋野をアンカー。前線には久々にエデルソンを先発で起用した。

 注目の伊東純也、中川はベンチスタート。前節マリノスに負けたことで、連敗だけは避けたい柏。上位に食いつくためにも大事な試合。

 一方の仙台。先週のナビスコマリノス戦では、内容は悪くなかったのものの、人数をかけたときに攻めきれず、薄くなった守備を付かれ02での敗戦。決勝トーナメントには進めなかった。

 そのマリノス戦で欠場した六反は復帰。金久保は続いて欠場。右サイドハーフには奥埜が入った。それ以外は変更点なし。連勝したことで中位も見えてきた仙台。勝利を重ねることでさらに上の順位へと駆け上ることができるか。

■前半どこに広いスペースがあるか!?

 まずはお互いの攻撃と守備の特徴について。

 柏がボールを保持し、仙台がブロックを築いているとき。

 柏はボールを保持しているときは、アンカーの秋野がセンターバックの間に下りてきて、343を形成する。

 柏は、仙台のブロックのライン間、もしくは人と人の間に顔を出し、ボールを出し引きすることでリズムを作る。そして相手が中央に寄ったところでサイドに展開し、サイドから仕掛けるようなイメージだったと思う。

 そんな柏の攻撃に対して、仙台はここ最近できているラインの高さ、3ラインの距離感を大切にしながら442のブロックを作る。まずは柏のライン間にいる選手(主にFW)にボールが入ったときはしっかり寄せながら対応をしていた。

 仙台はある程度、柏のサイドに対してはボールを運ばせていた。一番やられたくなかったのが真ん中だったので、サイドに出たら、まずはスライドして対応しようという狙いが見て取れた。

 柏は左サイドバックが本職がセンターバックの中山だったこともあり、自力で左サイドから突破してくるケースは少なかった。その分、右サイドバックの湯澤が仕掛けてくるシーンは多かった。そこは石川直樹がしっかり付いていけていたことで、危ない場面を迎えることはなかった。

 柏はボールの出し引き、サイドへの展開は出来ていたのだが、テンポが同じだった印象。いわゆるボールを回すリズムが一緒・一定。縦パスを入れることでスピードが上がるわけではないし、肝心のラストパスが通らない。また出し手と受け手のイメージが合わないで前半はシュートが0本だった。

 次に仙台がボールを保持し、柏がブロックを築いているとき。

 柏は茨田が一列上がって442のブロックを形成する。

 柏の守備の特徴として、ボールサイドに10人がコンパクトに寄ることで数的優位または数的同数を作って、狭いエリアでボールを刈り取ることを狙いとしている。

 しかし、この試合の柏の守備はボールホルダーに対してしっかりプレッシングが掛けきれていない状況が続いていた。

 仙台は、そんなアプローチの甘い柏の守備に対して広いスペースへとボールを運び、柏のブロックにスライドを強制させるようなボール運びをしていた。ポイントはボールホルダーとは反対のサイドバックが大外にいることでボールの逃げ場またはビルドアップの出口として機能していたことである。

 コンパクトな陣形の柏に対して仙台は広いスペースへとボールを展開することで自分たちのペースへと持っていった。またスライドを強いることでブロックに穴が開くようになり、真ん中にもスペースができ、仙台の中盤がより生きる形となった。

 仙台の攻撃は主に右サイド。大岩、奥埜、ハモン、ボランチが絡むシーンが多かった。またハモンがサイドに流れたら奥埜が中へとポジションするなど、工夫されたポジショニングが見られた。

 先制点は32分、仙台。きっかけは自陣左の深い位置から野沢が逆サイドの広いスペースへとロングボールを送ったところから。そのボールを奥埜が収めると、大岩へ。大岩のクロスを失敗に終わるがハモンが拾い、左の石川へ。石川はカットインしながらリャンへ縦パス。リャンが切り返して上げたクロスをファーで三田が合わせ先制。

 多くの人数が絡んだ得点だった。狙いだった広いスペースへの展開から始まった先制点。最後にボランチの三田が決めたことは狙いとしてやれているものが垣間見れた部分だった。

 

 前半は、仙台はいい守備からペースを握り、先制点まで取れた理想的な試合運びだった。10で折り返す。

■後半集中力を保った守備と効率的な追加点

 後半、前半の接触プレーで脳震盪を起こした三田に代えて藤村を投入。

 前半ではお互いにボールを持つ時間合ったものの、後半は柏が長い時間ボールを保持する展開が続いた。

 要因は2つ。1つは、前半甘かったプレッシングをより厳しくしたから。後半の柏は素早い切り替えで、仙台の選手に時間を与えることが少なくなり、セカンドボールも拾えていた。

 もう1つは三田から藤村に仙台が変わったこと。三田はボランチの位置でボールを捌けるし飛び出しも行えるし、守備でも球際でファイトしてくれる選手である。それに比べると藤村はやはりスケールダウンをしてしまう。特にボールを捌くことに関してはまだまだの印象。よって仙台はボールを握ることよりもまずは前半から継続して守備をしっかり行うことをメインとしてゲームを運んでいた。

 この2つが柏がボールを長く保持していた要因である。しかしチャンスが出来ない。シュートは打てるようになったが、ほとんどがエリア外だし、やっぱり肝心のラストパス、スルーパスが合わない柏である。中川や伊東を投入して流れを変えようと試みるがうまくいかなかった。

 一方の仙台は、どうしても攻撃へと出ていく機会は減っていく。それでも柏のミスと自分たちの集中力を保った守備が継続してあったので、危ない展開ではなかった。

 追加点は72分。PK。後半に入ってようやく人数を掛けれた攻撃から。大岩から奥埜へパス。抜け出した奥埜のシュートは中村に阻まれるも、そのこぼれを晋伍が拾い、キーパーをかわそうとしたところで、中村が倒してPK。これをハモンが冷静に決めて追加点。

 その後のハモンはスーペル。いつものように左サイドで起点を作り出すハモンは無双。特に伊東純也を抜いたシーンはサポーターを煽った場面も含めて、自信と成長を感じさせるものだった。

 その後柏は田中順也を投入して442へ変更。しかし決定機を作れない柏。とにかくシュートが枠に飛ばない、最後でクリアされるの連続。終盤に得た2つの直接フリーキックも脅かすシーンとはならなかった。とことんダメな柏。ダメな日はこんなもんだと言いたくなるような試合展開だった。

 結果20で仙台勝利。見事に3連勝を飾った。

■最後に・・・

 柏に勝って3連勝。2年ぶりに3連勝。勝ち点20の10位まで来た。ここに来てようやくやりたいサッカーが出来ている仙台。今節が象徴的だったように、やはり守備の改善がこの成績に繋がっている。等々力・川崎戦以降で失点数が減っただけではなく、選手の守備時の距離感や集中力はかなり良くなっている。サッカーにはいい守備からいい攻撃という言葉があるけど、今の仙台の好調の要因に「守備」があることは間違いない。

 1stステージも残り2試合。1桁順位も見えてきた次の相手は曲者・甲府。昨年崩せなかった甲府の守備から点を取れるようになったら成長の証。次節もいい守備からいい攻撃が出来るような、そんな試合を期待したい! 

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