ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

【オフ企画】仙台の堅守とは何だったのか?#1 ~2011年第8節 ベガルタ仙台vs浦和レッズ

 新年明けましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします!

 ということで、オフ企画です。テーマは「仙台の堅守とは?」です。昨シーズンは、「堅守賢攻」を掲げたわけであるが失点数は48と、14年よりも若干は減ったものの、未だに堅守復活とは言えなかった。

 ということで、仙台の堅守はいったい何だったのかを成績が良かった11年、12年の試合を分析しながら思い出していき、そしてこれから仙台に何が必要なのかを考えていこうじゃないか!という企画です。

 まぁ、オフ企画と言いつつ、暇つぶしなんです(笑)暇があったら見てください(‘ω’)ノ

 ということで第1弾は2011年シーズンの第8節、vs浦和レッズ戦を取り上げます。震災後、初のホームゲームの試合です。

 この年の仙台は、4位。失点数は25。昨シーズンの王者の広島が失点数が30なので、どれだけこの数字がすごいかがわかる。

 11年シーズンの開幕に当たって仙台はセンターラインを中心に補強。チョ・ビョングク、角田、松下、柳沢らが加わる。マルキーニョスが居たことはきっと幻だ。

 この試合のスタメンでは、角田と高橋義希がダブルボランチだった。そんな時代があったなと。2トップは赤嶺と太田である。

 一方の浦和。当時の監督はじゃない方のペトロビッチ。この年は、まさかの残留争いに巻き込まれ15位でのフィニッシュだった。永田とスピラノビッチセンターバックって、と思ってしまう浦和のスタメンである。

■距離感と数的優位

 

仙台の守備ブロックは、典型的な442のブロックであった。

 特徴は、1列目(2トップ)は基本的にはセンターバックは放棄し、ボランチを見ながらの位置取りであった。プレッシング開始エリアは、相手が自陣へボールを運んで来たら、いわゆるハーフウェーラインを越えたらである。基本的に中央閉塞で、外にボールを追いやるというゾーンディフェンスの基本事項に沿った守り方だった。中央に入った場合は、センターバックボランチが素早くサンドして、ボールを刈り取っていた。

 

 サイドに流れた時、対峙は常にサイドハーフサイドバックで数的優位または数的同数を作ることが求められている。この試合を通して多く見られたのが、仙台のサイドハーフサイドバック対浦和のサイドハーフサイドバックというシーン。これは仙台が誘っているエリアに浦和が誘導されていることを意味している。よって仙台はこのエリアでボールを奪うか遅くする場面を作り出す。

 

 よく守備ブロックを形成するのに言われるのが、「距離感」という言葉。要は、常に相手を囲い込んだり、集団でボールを奪えるような状況を作り出せるかがポイントになってくるからである。この点に関して仙台は、絶妙な距離感で守備ブロックを形成していた。442の3ラインの距離感はだいたい2530mで、どのエリアでも数的優位または数的同数を作れる状況を自らで作っていた。

 このような守備をやれたのは、ある程度攻撃を捨てて、まずは守備のオーガナイズを確立させようというところからチーム作りを始めたからである。では、仙台はどのように攻めていったのかを見ていく。

■太田起用のわけ

 仙台の守備ブロックは、いわばバイタルエリアを基準に低めに設定するのが11年バージョンの守備であった。ということで、どうしても奪ったボールを相手ゴールまで運んで行くのは距離が遠くなってしまう。この問題の解決策が太田のフォワード起用であった。

サイドハーフである太田を2トップの一角に添え、奪ったボールをサイドの裏へロングボールで太田に走らせて、陣地回復という手法を仙台は主に使っていた。この作業は赤嶺も行っていた。奪ったボールをサイドへ蹴り、フォワードがおさめて全体が押し上げ、2列目のリャンや関口が絡んでいくシーンを仙台は何度も見せていった。もちろん、サイドの裏へ蹴るだけではなく、2列目で自由に動くリャンに預けてカウンターも多かった。浦和が後半に押し込み始め、中盤とDFラインが間延びし始めると、それ見逃さずにリャンや関口がそこで受けてカウンターを発動する場面は多々見られた。カウンターの開始は時と場合による。

 遅攻の場合は、サイド攻撃が中心。リャンや関口が自由に動き、サイドバックも絡んで、サイドで数的優位を作ってクロス、または切り込んでシュートするシーンが多い。

 このような攻めのパターンが11年バージョンの仙台では見られた。

■最後に・・・

 このゲームは、ご存知のとおり10で仙台が勝利する。このゲームを改めて見返すと、仙台のDFラインが低い位置でコンパクトにまとまっているのがすごく分かる。そこから湧き出るようなカウンターも魅力的だった。この当時は、すべてに手を付けるのではなく、まずはJ1で通用するような守備をということで、このようなサッカーをしていたはずである。それがうまくハマったというのが、このシーズンの失点数と順位なんだと思う。こうやって見ると本当に整理された守備で、やることがハッキリしているのでチームとして統一しやすかったと思う。

 またビョングク、角田と対人で負けない選手を補強したことで、中央では本当に負けないチームになっていったのが、よくわかるゲームでもあった。

 

 今回はこんな感じです(笑)まぁ、ゆるくこの企画をやっていこうと思います(‘ω’)

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