ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

自分たちが苦しまないために~J1 2ndステージ第4節 ベガルタ仙台vs柏レイソル~

 2ndステージが開幕して3試合で1分2敗で最下位の仙台。これ以上ホームで負けられない今節はここ最近2連勝とようやく明るい兆しが見え始めた柏との対戦となった。

スタメン

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 仙台は両サイドバックを変更。ケガから復帰の石川直樹と多々良。それ以外は変更点なし。一方の柏は前節からの変更点はなし。ベンチに新加入のエデルソンが入っている。

 

前半~守備の基準、狙いどころ~

 前半からボールを握ったのは柏レイソルf:id:khigu:20191217215848p:plain

 今日の試合のマッチアップ上、どうしても茨田のポジションが気になる仙台。まずはFWの守備の基準点を茨田のラインに設定。CBに対しては基本的にボールを持たせていた。

 変化する柏。すぐさま茨田が下りてくる。f:id:khigu:20191217215910p:plain

 後ろは3枚。代わりに間から顔を出す大谷。茨田が下がったことである程度ボールを握れるのだが、握っているだけ。ブロックの外で回す時間が長かった。原因は武富、クリスティアーノが受けれないことである。間で顔を出そうとするのだが、今節スタメンに起用された多々良、石川が抑える場面が続く。効果的な攻めがあまりなかった。せいぜいセットプレーのクリスティアーノくらいで決定機をなかなか作れない展開だった。

 

 仙台は、相手にボールを回されているときは、ゾーンのブロックを維持し、なるべく飛び込まずにスライドを徹底しながら対応していた。今節サイドバックに多々良、石川を起用したのは、相手のウイングへの対応だったのかもしれない。今日の仙台は中盤でのボールの争い、セカンドボールの争いで勝っていたこともあり、2次、3次攻撃へと繋げていた。

 仙台はボールを奪うと、相手のサイドバックの裏のスペースに蹴り、そこを起点に攻撃することがベースだった。それ以外にも433の定石であるアンカー脇を野沢、リャンが狙ったり、ウイングとサイドバックの間のスペースで仙台のサイドバックが受けることで、そこを起点に攻めていた。コーナーもかなりの数を得られたが、決定機に繋がったのは1回ぐらい。

 あとは、カウンター。茨田やCB陣がビルドアップ時にミスすることが多く、それを奪ってカウンターへつなげていたが、肝心のフィニッシュまで持っていくシーンがほとんどなかった。

 

 そんな前半は0-0で折り返す。

 

後半~バテバテでチグハグ~

 後半も柏がボールを回す展開になる。後半の柏は茨田が改めてCBの前でポジションングすることが多くなった。というのも後半の柏のパス回しは「縦」のパス交換が増えていった。縦パスでボールを出し引きすることで、相手を圧縮させ、スペースを作っていくような展開に柏は持っていった。おかげで仙台の選手を動かすことができ、スペースが生まれ、前半よりもペナルティエリアに侵入もしくはシュートまで持っていく回数が多くなった。

 

 一方の仙台は、攻撃がよりチグハグになった印象だった。無駄な縦パスが多く、簡単にボールをロストし、相手ボールになる展開が続いていった。夏の連戦のせいなのか、後半は全体的に体が重く、思考力も下がってしまったことで、雑なパス、淡泊な攻撃の連続になってしまった。前半同様に相手のミスで得られたカウンターもことごとく奪い返され、逆カウンターを発動させる始末になっていた。

 それでもハモンを入れることで攻撃が活性化し、ボールを握れる展開になっていったが、最後のところがこの試合を通して合わなかった。

 

 そして87分に柏の右コーナーをクリスティアーノに決められ、ジ・エンド。ホーム戦3連敗を喫することになった。

 

最後に・・・

 夏が苦手な仙台であるが、今年も例外ではないようだ。ただ、今回の問題はそこではなくて、ここ最近の試合の(特に前線と中盤)メンバーが固定化されてしまっており、変わって出場するメンバーもだいたい一緒という状況が続いていることである。現時点でもスタメンを見れば、確かにベストな選考かもしれないが、夏場ということもあり、疲労が蓄積し、ベストなパフォーマンスが出来ていない状態になっている。選手を入れ替えることで状況打破を図りたいところであるが如何せん、駒が足りないのも現時点でのメンバー固定の原因ともいえる。なので今いるメンバーで新しい化学反応を作る必要性はあるかと・・・。

 渡邉氏は、毎試合それ相応の対策を練っているので大崩れはしない。あとは今のメンバーをいかに最大限活用できるかが鍵となりそう。今は我慢の時期なので、しぶとく闘うしかない。次はミッドウィークにFC東京戦。また連戦であるが、粘り強く戦うことを期待したい。