ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

ここまでのハナシとこれからのハナシ

 2ステージ制になった今シーズンのJリーグ。先週の土曜日でまずは1stステージが終わった。我が心のチーム・ベガルタ仙台は大方の下馬評を覆し、7位で1stステージをフィニッシュした。

 ということで今回は仙台の1stステージを簡単に振り返るとともに、2ndステージはどうなっていくであろうか、どうなってもらいたいのかをぬるっと書いていこうというわけであります。

ここまでのハナシ

 今シーズンはオフに多くの主力が抜け、また新しいベガルタとしての第一歩のシーズンとなった。今シーズン、渡邉監督が掲げたテーマは「堅守賢攻」、「球際・切り替え・走力」といったものであった。

 新しいチームのもと始まった今シーズンは開幕から最初の5試合は2勝3分と上々のスタートだったが、第6節川崎戦から第10節F東京戦まで5連敗、その後浦和に引き分け、新潟に勝ったものの甲府に敗れる。しかしその後立て直し、3勝1分で1stステージを終わらせ7位(5勝6分5敗、勝点23)でフィニッシュした。

 開幕当初は、新加入の渡部、鎌田のCBコンビを中心にしっかり守り、攻撃ではウイルソンが点を取ることが出来ていたので、いいスタートが切れていたが、ボランチの富田、リャンのところに守備の綻びが見え始めたあたりからチームは急降下し始めた。この間にも渡邉監督は相手に合わせて4141のシステムに変更したりと、それなりの準備と工夫を見せていたが、なかなか結果に結びつくことが出来なかった。

 チームがまた上昇し始めるきっかけとなったのは、韓国人ルーキーのキムミンテをボランチで起用し始めてから。ミンテは昨シーズンまでで言ったらタイプ的には角田誠タイプ。187の大柄な体格で中盤に君臨する。この起用により、ここまで自分らしい役割ができず、どこか窮屈そうだった富田が、中盤で狩人に復活。ミンテがいることで、また前の位置からガンガンボールを狩りに行けるようになった。そしてリャンもボランチから1列上がることで、リャンも生き生きとプレーし始め、2列目になってから2点決めることができた。

 またそれまでは守備のタスクが多かったFWも、ミンテが入り中盤の守備が整理されたこと、そして1試合12前後走るミンテのタフな働きで、だいぶタスクは減ったし、奥埜や金園といった選手がゴールを決め、序盤で課題だったウイルソンへの依存度もかなり減ることに成功できた。

 ミンテ起用後は4勝2分1敗、得点は16点(27点中)、失点は6点(20点中)である。ミンテの存在も大きかったが、ミンテが起用されることで、周りの選手のポジション、プレーも整理され、このような成績に繋がったといえよう。

 ここまで振り返ると「キムミンテ起用以前・以後」が仙台の1stステージの1つのターニングポイントであり、新しいベガルタの軸が見えた半年だった。

これからのハナシ

 さて、これからの2ndステージである。スタートは7/11のホーム・広島戦から。

 夏である。仙台の苦手な夏がやってくる。問題はここからである。この厳しい夏の試合をどう戦っていくかで、2ndステージ、ひいては年間の順位が大きく変わっていく。ついでに去年はW杯中断明けから、結果がなかなかついて来ず、夏場には5連敗を喫し、残留争いに飲み込まれてしまった。

 今年は去年と違ってある程度勝ち点を積み重ねているし、チームとして軸がはっきり見えてきたので、去年よりはアドバンテージがある。ただ、順位を見ると下とはそう大きく離れているわけではないので、3試合くらい勝てない試合があると一気に順位を下げてしまう可能性がある。

 この夏場は連戦もあり厳しい日程ではあるが、何とか上に食い付いて、最終的には7位以上の成績でフィニッシュしてもらいたい。そのためにはチームの総合力が問われる。サブを含めた選手全員の力が必要になってくる。

 野沢、リャンがいる2列目は2人ともオーバー30なだけに金久保や茂木といった選手の底上げは必須だろうし、チーム的にも運動量が求められ、特にFWには守備のタスクが大きいので、そこでバテて得点が取れないようにならないためにも、チームとしてどうしていくかを考えないといけないだろう。2ndステージのポイントはとにかく「夏場の戦い」にあると個人的には思う。 

 

 渡邉監督は今年は「勝ち点50」を目標に設定した。半分終わって23なので、決して悪い数字ではない。チームは着実に成長している。そして多くの選手が着実にレベルアップしている。

 今シーズンは久しぶりに見ていてワクワクできている。それは結果だけではなく、チームそして選手の成長や進歩のところでだったりする。昔J2時代にリャンや菅井、富田がそうだったように、今は奥埜、二見、茂木がそうである。チーム、選手の成長を苦楽を共にしながら楽しめる今シーズン。2ndステージも大いに期待したい。