ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

初黒星~J1 1stステージ 第6節 ベガルタ仙台vs川崎フロンターレ~

 ここまで2勝3分けで負けなしの仙台。今回の相手は川崎、ここまで披露してきた堅い守備が本物かどうか見極めるのに格好の相手である。

スタメン

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 仙台は前節のマリノス戦からメンバー変更はなし。一方の川崎もメンバー変更がないものの配置を変えてきた(中盤の3枚が正三角形から逆三角形に)。またベンチには小林悠が復帰。

 

前半~うまく守って~

 前半、もちろんボールを握るのは川崎。ということで仙台はどう守ろうかというところ。f:id:khigu:20190813205102p:plain 

 仙台は、4411でブロックを敷く。今シーズンの仙台はこの形が結構多い。ウイルソンが残って、その相方がボランチを監視する形である。今回は相手が仙台のボランチに森谷と大島を当てることで憲剛をフリーにし、仙台の1列目と2列目を自由に使おうという狙いがあったのかもしれない。それに対して仙台は奥埜を憲剛につかせることで最低限憲剛をフリーにさせてはいなかった。その後ろでは、まずは相手にバイタルをやらせないためにスペースを埋める守備をしていた。おかげで1015分は、ほとんど中からやられることなく、きっちり守り切ることが出来ていた。

 そして仙台の攻撃の狙いは2つのスペース。川崎が多くの人数を割くことによってできるCBの前のスペースと、サイドの裏。この2つを上手に狙っていた。相手からボールを奪ってプレスがきつければ一度角田をめがけて蹴り、そのこぼれを野沢、リャン、茂木がセカンドボールを狙い、ショートカウンターにつなげるやり方と、奪ってからウイルソンがサイドに抜け出しサイドの裏で起点を作らせるというやり方である。

 28分の先制点のシーンも仙台のロングキックのセカンドボールを拾っての攻撃だった。全体的にシュートまでつなげていたわけではないが、効果的な攻撃が仙台も出来ていた。

 ということで仙台が1点リードで折り返す。

 

後半~人かスペースか~

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 後半、川崎は船山を入れて、442へ。前半狙われていたスペースのケアのためと、相手の守備の基準点をずらしたかったからなのかもしれない。

 基準点というのも憲剛と大島をダブルボランチにし、出し手のポジションを2人下げさせることで、自由なスペースを確保したのかったのかもしれない。実際後半に入ると、憲剛が2トップの両脇に顔を出すシーンが増え、そこから攻撃をスタートさせることが前半よりも多くなった。

 仙台もこの変更のおかげで、狙いどころを失い、かなり戸惑っていた印象もあるが、まずは前半と変わらず、スペースを消すことで川崎の攻撃に対応していた。

 しかし、それでも次第に川崎は仙台守備を切り開いていく。特に大島のスルーパスから船山が抜け出して打ったシーンはその象徴。仙台はこのシーンの後あたりから前節も行った4141の守備陣形にシフトチェンジ。

 

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 仙台はまずは奥埜とリャンで川崎の出所を見る形にした。これにより、仙台の守備はスペースよりも人に対する意識が強まったように思えた。

 

 一方の川崎はというと・・・。f:id:khigu:20190813205245p:plain

 川崎はこの陣形に代わってもらったことで、川崎はアンカー脇にスペースが登場したことで、狙いが明確になった。アンカー脇のスペースをうまく利用し、ボールを動かしながら仙台の守備陣を動かし、できたスペースで前の4人が勝負するというやり方になった。そして小林、レナトと立て続けに決め、あっさり逆転する。

 仙台は金園を投入し、再度攻撃を活性化させると、ウイルソンのクロスから多々良が豪快に決め、同点に。

 しかし、86分にレナトに左サイドをえぐられ、最後は大久保がプッシュし再度勝ち越し。

 このシーンでは仙台の守備に問題があったように思えた。f:id:khigu:20190813205313p:plain

 このシーンは川崎のショートカウンターからの得点なのだが、多々良がレナトに置き去りにされ、えぐられたとき、鎌田、渡部、石川はボールの位置まで戻っておらず、渡部と石川は人を見てしまい、レナトにクロスのコースを作らせてしまった。このシーンではレナトのスピードに3人が付いていけていないため何とも言えないが、最悪マイナスクロスはしょうがないにして、全力でボールのある位置まで下がるべきだったのだと個人的には思う。まぁ、タラレバだが・・・。

 ということで2-3で今シーズン初黒星となった。

 

最後に・・・

 初黒星だが、リーグを戦っていく中でいつか負けるものなので切り替えである。一度逆転されても、もう一回パワーを出して同点にしたことは大いに収穫。ただ、全体的に奪われ方が悪い癖は直っていないのでそこはまだまだかなと。。

 で、4141についてだけど、渡邉監督の中では2トップのポジションを下げるより、中盤の選手を上げて守らせることで「攻撃の意識」を下げることなく戦うということを実現させようと思っているんじゃないかなと考えている。去年よりグレードアップするためのやり方なんだと思う。

 ただ、4141の守備はまだまだ。アンカー脇のスペースを使われまくっているので、そこは結構問題。うまく連動してそこのスペースを埋めないといけない。モデルはユーベあたりかな?アジアカップの時も日本代表が問題になっていたような・・・。まぁ、とりあえず併用するにはいろいろ勉強が必要そうである。

 

 次はナビスコ挟んで、川崎と正反対のサッカーの山雅。ボールが持てる時間が長くなりそうなので、リスクマネジメントをしっかりがテーマになるかなと思います。