あけましておめでとうございます。このブログもクリスマス、年末年始とサボっていたのでぼちぼち再開したいと思います。今シーズンもベガルタ仙台の試合を中心に、自分なりに思ったことを書いていこうと思っています。今年もよろしくお願いします。
ということで、2015年1発目はアジアカップのイラク戦の感想から。アギーレジャパンになって初めての国際大会。いよいよアギーレの手腕が本当の意味で分かるわけである。
前回のパレスチナ戦で、40と危なげなく勝った日本。2戦目はこのグループ最大のライバルといえるイラク、勝てば決勝トーナメント進出に大きく前進するし、負ければグループステージ突破が怪しくなってくるといった中での試合であった。
結果は10。内容的には物足りないものの、勝ちをしっかりもぎ取れたのはなによりよかったこと。これで決勝トーナメント進出にも大きく前進することができた。
では、感想を。。。
スタメンは前回のパレスチナ戦と同じスタメン。一方のイラクは4231のシステム。とりあえず、カウンター主体らしく、10番のマフムードがやはり攻撃の中心。
前半日本の狙い
前半、10分間の慌ただしい時間帯が過ぎていくと日本がボールを保持し、イラクが44の網を張りそれに対応していくという構図になっていった。
日本の狙いは、前回にパレスチナ戦のように左サイドを中心に攻撃していく訳ではなく、中盤とDFラインの間で乾、本田がボールを受け、そこから攻撃のスイッチを入れていこうという狙いだった。イラクは確かに44のブロックを組むものの人への意識が高く、ボールウォッチャーになりがちで、間に入った選手に対して簡単に前を向かせてしまう傾向が強かった。そのため、乾、本田、そしてたまに入り込んでくる香川に対して全体的に寄せが甘かった。おかげで日本は序盤からボールを握り、チャンスを作れるようになったのである。
先制点のPkを得た場面でも、左サイドから中に入り込んだ乾は相手の寄せが甘かったおかげでボールを受け、サイドをえぐることができた。
先制後もボールを握っていたのは日本。しかし、相手のゴールを脅かすシーンはほとんどなかった。全体的に保持できているものの、一回縦にくさびを入れたりするような効果的なパス交換が出来ていなかった。DFラインからオフェンスのほうまでの距離感が短すぎて逆に窮屈になっているように個人的には思った。
また、暑さの影響かミスも増え始め、自分たちでボールロストしすぐに奪い返す展開も発生するようになった。一見、すぐ奪い返すのはいいことであるように思えるが、暑さもあり、90分という時間で考えると無駄に走っていることになってしまい、逆効果になってしまっていた。それでも守備では、攻撃の中心であるマフムードを吉田、森重がしっかりプレーさせないことでイラクの攻撃を抑えることに成功した。
前半は10で折り返す。
後半今野の投入
互いにメンバーを変えずに後半へ突入。
後半も日本がボールを握る展開になっていくのかなと思ったが、そうでもなかった。さすがにDFと中盤の間を使われすぎたと反省したイラクは、遠藤、香川に対して意識が高かったWボランチに、うまく間のスペースを使われないように並列に守るのではなく、一方が出ていったら一方はやや後ろ気味でカバーするようなポジショニングに修正。言ってしまえば、基礎的なことであるが、おかげでイラクは間のスペースを使われることなく、うまく日本の攻撃を抑えることに成功していく。
いい守備ができると自然と攻撃もよくなるのがサッカーというもの。イラクの得意技であるカウンターが発動し始める。日本は、攻撃の手詰まり感を解消できず、相手に裏のスペースを与えてしまい、サイドから危ない場面を迎えることになってしまう。前半よりもえぐられることが多くなり、いよいよ危なくなってくる。。。
さすがにアギーレもこれにはまずいと思ったのだろう。再度守備のバランスを取り戻すために今野と清武を同時投入し、前半効いていた遠藤と乾を下げる。
試合後、アギーレ本人はシステムをいじらなかったと言っていたが、ほぼほぼ4231へ変更し、守備では長谷部の援護役に今野を、攻撃では中心に香川を据え修正を図った。
今野の投入のおかげでだいぶ守備に慌ただしさはなくなり、中盤にバランスを取り戻すことに成功した。
攻撃では、遠藤がいなくても香川、本田、清武を中心に今野や岡崎がうまく絡みながらチャンスをうかがった。香川、岡崎、清武と左サイドを崩して、最後は本田がポストに直撃したシュートシーンが決まればこのゲームはもっと楽なものになってたはず。。。
けど、最終的にイラクも疲弊してくれたおかげで最後は最終ラインでゆっくり回しながらゲームを殺し、ウノゼロで終わらせたのでめでたしめでたしだった。
最後に・・・
とりあえず、勝てたことがなにより。危ない時間帯を今野の投入で見事に逃げ切ったアギーレの采配はさすがだと感じた。渋く、そしてしぶとく勝ち切ることができるかどうかも大会を通して重要になっていくので、こういう勝ち方ができるようになったのはいいことだと思う。
ただ内容的に不安要素がないわけではない。守備ではトランジション守備でボールを奪いに行くシーンが結構あったが、あれが狙い通りの守備なのかいまいちわからない。またブロックを組んだ時にどういう風に相手をハメていくかが見えてこない。大会を通して守備の意思統一もテーマになってくるかもしれない。
あとは右サイドバックがやや不安か。酒井高徳が不安定な場面が散見されるのでそこが怖いかな?
とにかく次のヨルダン戦で、勝って予選突破を決めたいものである。