ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1 第23節 アルビレックス新潟vsベガルタ仙台

 先週はインターナショナルマッチデーということでお休みだったJリーグ。2週間ぶりに開催されるJリーグである今節、清水に勝利したものの、その後は連敗と調子が悪い仙台は、同じく連敗中の新潟との対戦となった。両者の勝ち点差は3、ここで勝利することで新潟に追いつき、さらに上位へと食いつきたかったが、結果は0‐1での敗戦。仙台は3連敗となり、今節順位の近いチームが数多く勝利したことで、逆にいよいよ残留争いへと巻き込まれることとなった。

 まずは、試合の感想からf:id:khigu:20190502122136p:plain

 仙台のスタメンは、ウイルソンが出場停止で角田がケガで欠場。前節から433へとシステム変更し、この試合へ臨んだ。

 一方の新潟は、出場停止から大井とレオ・シルバが復活。新潟に欠かせない2人がセンターラインに君臨した。

 

 まず、仙台が433に変えた意図と狙いから考えていく。f:id:khigu:20190502122228p:plain

 新潟の生命線は、レオと小林のドイスボランチである。この2人のバランスがこのチームを支え、また高い位置からのプレッシングさせるための肝となる。まずこの2人を抑えるために、仙台のインサイドハーフであるリャンと武井が監視する形を取る。従来の442よりインサイドハーフの後ろにアンカー(富田)がいることで高いポジションを取れるので、より高い位置からドイスボランチに対してプレスをかけれるようになった。また、攻撃の狙いとしては、新潟の両SB(大野と松原)が攻撃時には高い位置取りをするので、そこを仙台の両WGである太田と武藤が突いていき、ショートカウンターを狙っていくという狙いがあった。攻撃の部分やアンカーの位置取りは違うもののこの間の日本代表もベネズエラを相手に同じような守備の狙いでやっていた。

 前半はこれが何度か成功する場面が見られ、また赤嶺が前線で頑張ってポストプレーに徹しチャンスを作るものの、相変わらず最後の精度を欠き、シュートシーンまで持っていくことが少なかった。ただ、守備面では、前節、前々節の反省を生かし球際に対して強くいける場面が増え、全体的にハードワークできていたように思える。

 一方の新潟も富田の両脇のエリアをポイントにし、仙台の守備を混乱させようと試みたが、こちらも決定的な場面を作れず、互いに今シーズン得点数が少ない同士を象徴するかのような試合内容の前半だった。しかし一方では、守備の集中力が途切れない緊張感のある内容だったともいえる内容だった。

 

 後半スタートから雨が降り始め、次第にその雨足も強まり、最終的には画面が白くなるほどの状況で、ピッチに水が浮かび始めてしまった。そんな中での後半、前半とは打って変わって新潟が押し込む展開となった。キーマンとなったのは新潟の指宿。前半の赤嶺のポストプレーに負けじと体を張ったプレーが増えていく。また、前半の途中から上本のポジションに移動したことで、空中戦があまり得意ではない上本とのミスマッチを作らせ、そこをポイントに押し込みようになる。このあたりから仙台は、無理にカウンターにつなげようと前半と変わらず繋ぐので、ミスが起こり新潟に波状攻撃を食らうことになる。そして、77分にFKを与えるとレオがきっちり決め、ついに新潟が先制する。仙台は、その後広大、鈴木を前線に投入しパワープレーで得点を狙いに行くが決めることはできず、試合終了となった。

 

 正直な話、この試合は最低でも勝ち点1拾えたゲームであった。前半も決してやられた場面はなく、いい守備ができていた。しかし、後半ピッチの状況が変わったにもかかわらず、その状況にあったプレーができておらず、最終的に押し込まれる展開となってしまった。選手には柔軟に対応する能力が必要だし、時には割り切る賢さが必要だった。仙台は今節そういうところが明らかに足りないところだった。

 また、攻撃はそうとう課題が残り深刻だった。孤立する場面が多く、また判断ミスやイージーパスミスが多く、カウンターで戻る場面が増え、守備も耐え切れなくなってしまう。仙台は元々そんなに技術の高い選手が多いわけではない。だからこそ難しいことをせず、よりシンプルにまたダイナミックなプレーをしていくべきなんだと思う。守備の負担を減らすには攻撃の時間を増やすことが大事になると思う。

 

 これからの11試合、まずは目標を「残留」に定め戦うべきだと思う。ここまで来たらある程度の割り切りが必要で、コツコツ勝ち点を積み上げていくことが大事。渡邉監督もまだ新米監督だし、その辺はサポーターも寛大な目で見ないといけない。現実にある状況に目をそらさず、1つずつやって行けばいい。今シーズンは久しぶりにヒリヒリしたシーズンを最後まで過ごすことになりそうだ。これもまたサポーターだからこそ味わうことが出来るのであるな(笑)