ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1 第21節 ヴィッセル神戸vsベガルタ仙台

 中断明け、ようやく勝利を挙げることができた仙台。今節は、前回対戦で43の打ち合いを演じた相手・神戸。しかし、ピッチコンディションの悪さと、関西の暑さにやられ、仙台が先制するも後半に逆転され2-1で神戸が勝利を収めた。90分を通してみれば、妥当なスコアだったと思う。

 

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 ということでスタメンだが、仙台は前節勝利した清水戦と同じメンバーで挑んだ。

 一方の神戸は、サイドの選手にケガ人が多い中、両SBに本来ボランチの大屋と橋本、左サイドハーフに新加入の枝村が入った。

 

 前半は、互いに仕掛けるというよりまずは失点しないようにという気持ちが強い内容だった。神戸は、仙台の高いDFラインに対し、まず裏へロングボールを入れていく攻撃を続けた。しかし、うまく抜け出せることができず、チャンスにあまりならなかった。それでも神戸が裏をついていたのはいくつかの理由があったのだと思う。1つ目にピッチコンディションが悪い中で、イージーなミスをしないために一番シンプルな攻撃を選んだこと。2つ目に暑さに弱い仙台が相手などで、仙台のDFラインを裏へ蹴ることで走らせる格好になり、結果として仙台がどこかの時間帯で足が止まるのを誘う攻撃をしていたということである。仙台も裏を蹴らせるのが分かっていたもののラインを下げてしまうと全体が下がらざるを得なくなり、どんどん神戸ペースでになって行ってしまうため、難しいところだった。

 仙台は、前節同様に野沢経由で攻めに出たかったが、神戸もスカウティング済み。野沢をしっかり押さえ、武藤にも裏へ走らせないようなケアをしっかりしていた。なので、武藤が左に広がり、また太田の突破も加えサイドからチャンスを作るシーンが多かった。特に左は武藤、野沢、リャンが絡むので何回かいい場面が作れた。

 そして36分に仙台が先制、野沢の左からのコーナーをニアで鎌田が合わせる。どちらも主導権が取れない中で先に仙台が自分たちの武器で点を取った形となり、このまま前半を折り返す。

 

 後半になって、やはり神戸のロングボール作戦がジャブのように効き始め、仙台のプレッシャーが弱まりだすと、52分に森岡が下がってボールを受け、そこから裏へ走り出したペドロ・ジュニオールへ絶妙なスルーパスを出し、抜け出したペドロがしっかりと流し込み神戸が追いつく。その後も神戸がチャンスを作る時間帯が続き、67分にチョン・ウヨンの右コーナーから途中出場だった岩波が合わせ、神戸が逆転に成功する。その後は仙台がウイルソン、柳沢、ハモンを投入して、同点に追いつこうと猛攻を見せたが、神戸ももともと各々の守備意識が非常に高いチームなので集中した守備を見せていた。仙台も惜しい場面はいくつかあったものの結局ゴールを割ることができず、2-1で神戸が勝利を挙げる結果となった。

 

 前半の狙いについて自分の言っていることが正しいとすれば、神戸はほぼプラン通りの戦いを90分したことになる。先制点を奪われたのは余計だったが、後半に巻き返せる自信はあったと思う。それだけの攻撃力はあるわけだし。また、前回対戦で見た時も今回も、やはり森岡亮太はいい選手だと思った。22歳ではあるが、とても落ち着きがあり、周りも使えれば、自分でも行くことができる。特に同点ゴールのアシストのスルーパスは誰でも出せる技ではない。技術が高く、判断能力に優れた森岡をぜひ代表で見てみたいというのが個人的な希望である。

 一方の仙台。今節は先制したものの逆転されるという形での敗戦。特にプラスの収穫もなくただ負けた印象がある。やはり今節も暑さにやられた感じだった。神戸のスタジアムは風が通らない構造なので、気温がそんなに高くなくても蒸し暑い状況であっただろう。またピッチも悪かったため、技術が決して高くない仙台の選手には厳しいものがあった。こういう試合にこそ赤嶺みたいに肉弾戦で何とかできるFWがいたらと思ってしまう・・・。とにかく重要なのは次に向けて切り替えることだと思う。前節勝てて、今節負けたのには何かしら出来たことと出来なかったことがあったはずだ。まずはそこを考え、今週のトレーニングで確認すべきである。

 次は、マリノス。8月ラストゲームを勝利で飾り、秋からの試合に勢いをつけてもらいたい。