ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1第16節 ベガルタ仙台vs名古屋グランパス

 今節、仙台はホーム・ユアスタに戻り名古屋を迎え撃つことになった。土曜日の再開初戦は互いにドロー発進となったが、仙台はアウェイの柏でピッチコンディションが悪く、難しい条件の中勝ち点1を持ち帰る形となり、一方の名古屋はホームで徳島に11のドローと勝ち点2を失う形で今節を迎えた。

 互いに攻撃に課題を残すチーム同士で、点をいかに取るかがポイントとなったが、終わってみれば3-3の打ち合いである意味夏らしいゲームとなった。

 

 スタメンは・・・f:id:khigu:20190502120315p:plain

 仙台は前節欠場となったリャンとウイルソンが復活し、今シーズンのベストメンバーと言える布陣で臨んだ。しかしその一方でケガに相次ぎ、ベンチには2種登録の佐々木匠が16歳ながらベンチ入りをした。名古屋は、闘莉王が欠場で特別指定の大武が3バックの真ん中に入った。また、2トップの一角に松田を起用した。

 

1.前半

 前半の互いの狙いは明確だった。仙台は、前節と同様に相手が3バックであったため、まずは3枚の両脇と裏を太田やウイルソンが狙いながらチャンスを作ろうとしていた。今節はウイルソンが復帰したため裏に抜ける人数が増えたことで、攻撃のバリエーションを増やすことに成功した。また、太田がダイヤゴナルで右から左にフリーランして抜け出す動きも見られた。

 一方の名古屋はレドミと2トップを中心に縦パスを入れて崩そうとしていた。この中断期間でかなり攻撃の練習をしたようで、西野氏が本来やりたいような縦の崩しが見られた。それに対し仙台は、前節同様にチャレンジ&カバーをしっかりしながら対応していた。名古屋の攻撃は中央に集中するため仙台もまずは、縦に入れさせないようにパスコースを切り守っていた。

 そんな中19分に仙台がゲームを動かすことになる。横からボールを受けた武井が中央からロビングで相手の裏にボールを送ると、相手の連係ミスで赤嶺がフリーで抜け出しシュートを決めた。よく見るとオフサイドのようにも見えるが副審は旗を上げなかった。高い名古屋のラインをうまく掻い潜ることができた。

 その後は、互いにやり方を変えずに戦っていた印象だった。名古屋もリスクを負って攻めるよりも、まずはカウンターからの失点をしないようにゲームを進めていた。ということで、仙台1点リードで折り返すこととなった。

 

2.後半

 後半頭から名古屋が2枚代えをし、修正を図る。f:id:khigu:20190502120347p:plain

 佐藤、永井を代え、小川、玉田を投入し、システムを442へと変更する。

 名古屋はシステム変更で2つの修正を図った。まず1つは仙台の狙いであった3バックのサイドのスペースを4バックにすることで消すことである。そしてもう1つは、より中央で崩すために、足元でおさめられ、なおかつ下がってスペースを前線にスペースを作れる玉田を投入し、また2トップのすぐ下にレドミと小川を配置することで多くのパスコースを作った。おそらく、西野氏は仙台が名古屋のボランチに対して無理にプレスをかけることはないと見たので、このような配置にしたのだと思う。また、ボランチがボールを持てるし、中央に人が集まるためSBがスムーズに上がれるようになった。

 仙台は、前半狙いとしていたスペースを消され、狙いが定まらなくなった。カウンターで攻めれるもののシュートまでなかなか持って行けず、ペースを握ることができなくなっていった。そうなると名古屋に押し込まれるシーンが増え、全体的にブロックが下がってきてしまう。そして58分に菅井のクリアボールが甘かったところを田口に拾われ、素晴らしいミドルシュートを突き刺され同点にされる。

 しかし、仙台も67分にウイルソンが右から強引に突破しようとしたところを倒されFKを得るとそれを菅井が決め、勝ち越しに成功する。が、すぐにレドミの右コーナーから矢野に決められ同点。

 83分にさっきと同じように今度は左サイドからウイルソンが突破しようとしたところを矢野が倒しFK、それを二見が決めて再び勝ち越す。しかし、のこりアディショナルタイムを乗り切れば勝てるはずだった90+2分にレドミに強烈なミドルを決められタイムアップ。仙台が3度リードするも名古屋があきらめずに追いつきアウェイで勝ち点1を獲得することになった。

 

3.最後に・・・

 仙台は前節もそうだが相手に対策を立てられると攻めれなくなってしまう。おそらくそういうときは遅攻でもう少しボールを回したいのだろけれども、なかなか相手からボールを奪えない展開が続き、我慢を強いられる状況が続いている。今節は確かに足が止まってしまって3失点をしてしまったのだが、体力や走力だけでなく、ゲームの中でもう少しボールを握れる展開が欲しいところである。そうすれば休み時間もできるし、90分通して走れると思う。

 今回はリードして追いつかれる展開でいい内容ではなかったが、そう悲観することもない。自分たちがピッチ上で今何をすべきかという判断が11人全員ができているし、こうしようという狙いを持っていやっている。あとは、夏場の90分をどのように乗り切るべきなのか、頭をしっかり働かせてプレーできるかがポイントになっていくだろう。

 連戦ラストはアウェイF東京戦。おそらくまた暑い中でのゲームだろうから選手交代を含めてどう90分を戦うのか、渡邉監督の采配に期待したい。