ヒグのサッカー分析ブログ

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W杯グループC第1節 コートジボワールvs日本

 いよいよ、登場となった日本代表、初戦の相手はコートジボワール。昨年のコンフェデでも試合をしたレシフェのベルナンブーコでのゲームとなった。結果は、1-2。スコア以上に完敗の内容だった。

 ということで、スタメンはf:id:khigu:20190502114034p:plain

 日本は、CBに森重をボランチには遠藤ではなく長谷部、ワントップは大迫とやや守備的なメンバーを揃えてきた。一方のコートジボワールはケガが心配されたヤヤ・トゥーレをスタメンで起用、またドログバがスタメンではなくボニを起用してきた。

 

1. 前半

 開始からコートジボワールがボールを回す展開になる。それに対して日本は、いつものように激しく前から行くのではなく、慎重に少し引いて待ち構える形となる。その後、少しずつ日本がボールを持てるようになると16分に左サイドからのスローインから長友が中央の本田にパスし、本田が見事なコントロールから左足を振り抜き先制に成功する。

 その後も先制点の勢いでコートジボワールゴールに迫るが、決めきることができなかった。ここでもう1点決めていればだいぶ楽だったが・・・。日本の勢いが収まると次第にコートジボワールがボールを持つようになる。しかし日本は、相変わらず慎重になり、プレスをかけず引っ込んだままだった。そうすると次第に全体がズルズルと下がってしまい、ピンチを招くことが多くなった。また、攻撃に転じても香川や本田が簡単なパスミスをしたり、軽率なボールロストが多いため攻撃にリズムが作れなくなってしまった。幸い、失点は免れたものの嫌な流れのまま前半を折り返すこととなった。

 

2.後半

 後半もリズムが作れず、引っ込んだままだった。そこでザックは、リズムを取戻すために遠藤を投入する。この影響で多少はパス回しにテンポが生まれたもののシュートまで持っていく形を作れない。そういう流れの中でついにコートジボワールは、ドログバを投入する。その効果もあってか日本はなお自陣に引いてしまい、コートジボワールペースとなる。そして64分に同点。66分に逆転を許す。どちらの得点も右サイドからのクロスに合したもので、日本が強化試合でやられた形だった。

 ここで、失点について細かく見てみたい。1失点目は、ボールを奪ってから中央で香川が本田にパスをしたところで本田が囲まれ、そこからサイドに展開され、長友が2対1の状況になってしまい、フリーでクロスを上げさせてしまった。2失点目は、コートジボワールが自陣からドログバに向かってロングボールを放り込み、そのセカンドボールをサイドに展開され、クロスを上げられたものである。この2つに言えることは中央から展開されたことと容易にクロスを上げさせてしまったことである。何度もやられているのに修正しないのは残念だった。せめて、クロスへの対処は大会前にやっておくべきだった。

 その後は、大久保を投入したり、本田をワントップにしたり、仕舞には吉田をパワープレーで前線に上げたが、どれも効果をなさなかった。結局不完全燃焼のまま初戦を落とすこととなった。

 

3.最後に・・・

 今日のゲームで一番残念だったのは、負けたことよりも自分たちのサッカーをしていなかったことである。ここまで戦ってきたスタイルを貫くのが今回の大会の1つのテーマであったが、それが出来なかった。そして守備について言えば、日本は後ろで人数が揃っていても失点してしまうチームである。それなら、前線から激しくプレスをかけたほうがリズムを作りやすかったのではないかと思う。

 もう1つ残念なのが、コンディションの面である。強化試合では最後まで走れていたものの、今日はまったく走れていなかった。また、本田や香川といった選手に多くのミスが見られたのは、コンディションの問題もあると思う。(雨でピッチの状態がよくないのもあったが)

 とにかく次までにやることは単純で、再度自分たちのサッカーを取り戻せばいいだけである。そうすれば、自然と体も動くようになるだろう。次のギリシャも初戦を落としているので、前からくると思う。そうすれば、自然に後ろにスペースが生まれ、チャンスが増えるだろう。

 まずは切り替えて、次のギリシャ戦までしっかりとした準備をすることが今一番大切なことである。