ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

強化試合3試合を見て

 いよいよ、待ちに待ったW杯が始まる。そこで、このブログもW杯期間中は、日本代表のことだけではなく、その他の試合の感想も書いていこうと思います。

 というわけで、今回は日本代表がW杯直前に行った強化試合について自分なりに思ったことを書きたいと思います。

 

 まず、この3試合を見て感じたことは2点あった。一つはやはり攻撃は、世界でも十分に太刀打ちできるということを再び認識できたこと。二つ目は、最後までザッケローニは守備に修正を加えず、本番を迎えることを決断したということである。

 まず一つ目の攻撃については、この3試合を通じて本田が決して良いコンディションではないにも関わらず、8点奪えたということを見れば、この4年間で攻撃は十分に太刀打ちできる程に成長したという証明である。また、大久保が加わったことでより攻撃にバリエーションが増えた。ザンビア戦の得点はさすが大久保というシーンだった。ぜひ、本番でも決めてもらいたい。

 そしてなにより、香川のコンディションがいい。今季はクラブで無得点で心配したが、しっかりW杯に向けてコンディションを上げてくれた。相手と相手の間に入り受けることに加え、サイドからのインに入ってくるプレーにも切れ味がある。大いに期待したい。 

 しかし、そんな攻撃陣で心配なのは本田と遠藤。本田は試合を通して徐々にコンディションが戻っているように思えるが、それでも本来のコンディションからは程遠いと思う。そして、遠藤も年齢も34になり、90分フルにプレーができるか疑問である。また、ガンバの成績も上向かず、それに伴い遠藤のパフォーマンスも低下しているように思える。日本の心臓だけに心配な要素の一つある。

 そして、二つ目の守備についてである。コンフェデやその後の強化試合で失点が多く、課題を残していた守備だが、最終的に大きな修正を加えず、今まで通りのやり方で戦うこととなった。これだけ失点が多くても変えたり、修正を加えないあたりはザッケローニ氏の信念が見える部分である。これがいいことなのか悪いことなのかはさて置き、個人的にはこのようなまっすぐな信念を尊重したい。おそらく彼自身も守備のついては、不安を感じていると思うが、それ以上に攻撃に重きを置きたいということだろう。

 しかし、一番怖いのはザンビア戦のように、打ち合いになった時である。ザンビア戦では打ち合いを制することができたが、本番になれば、あれよりも強力な攻撃陣と対峙することになるのである。その時に守れるかどうかである。ここ最近の試合を見ていて心配なのは、サイドから攻められたときの守備である。相手に簡単にクロスを上げさせるシーンが多く見受けられるし、中の選手に対しても、体を寄せきれていないシーンが目立った。いかに体を張って守れるかがポイントである。

 

 

 以上のことを踏まえて初戦のコートジボワール戦について、少し触れたい。f:id:khigu:20190502113921p:plain

 予想されるスタメンは以上のようになると思うが、3つほどまだ分からないポジションがある。一つはCBが森重か今野かというところ。強化試合では様々な組み合わせを試したが、個人的には吉田とコンディションがいい森重のコンビがいいと思う。今の今野のコンディションは遠藤同様にすこし低下しているように見える。長年、吉田と今野で組んできたが、今は森重のほうが無難な選択だと思う。二つ目はボランチ。強化試合で3試合に先発出場した山口は確定だが、そのコンビが誰になるかというところである。普通ならば遠藤だが、青山や長谷部という選択もある。欧州遠征から採用している「後出し遠藤」でも面白いと思うが、序盤から主導権を握りたいと考えれば遠藤が先発になると予想する。最後はワントップ。大迫か柿谷というところだが、個人的には大迫を推したい。強化試合ではノーゴールだったものの、代表のFWの中で一番ボールが収まり、奥行きを作れる選手だと思う。体の強いコートジボワールのDFとやるには大迫のほうがよい。そして、相手が疲弊した時に柿谷を起用したほうが効果的だと思う。

 また、ポイントとして、交代の3枚をどう使うかも重要になってくる。現段階だと内田と遠藤が90分でれるか心配なので、実質自由に使えるのは1枚となる。この1枚をどう使うかが大事となってくる。

 そして、相手のコートジボワールだが、やはり強力な攻撃陣は脅威である。ドログバヤヤ・トゥーレはもちろん怖いが、一番厄介なのは、ジェルビーニョである。とにかくスピードのある選手だが、怖いのは前線からのプレスをかいくぐられ、彼に広大なスペースを提供させることである。彼を抑えることができるかどうかもポイントの一つであろう。 

 いよいよ、本番である。今までやってきたサッカーを展開し、世界をあっと驚かせることができることを大いに期待したい。