ヒグのサッカー分析ブログ

ベガルタ仙台の試合分析が中心です。

J1第12節 ベガルタ仙台vsヴィッセル神戸

 GW連戦の3試合目、仙台は昇格組唯一の好調神戸をホームで迎えた。結果は4-3で今季ホーム初勝利で今季初の連勝となった。

 神戸とこんな打ち合いになると思わなかった。しびれる展開だったな(笑)

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 仙台は菅井と赤嶺がスタメンから外れた。どちらもケガ持ちで、赤嶺はベンチに入ることができたが、菅井はベンチ外となった。その影響で、ポジションを前節から大幅に変えることとなった。

 

 前半はその影響か、神戸のペースで45分間戦うこととなった。開始から前プレをかけてきた神戸に対し、真正面から受けてしまったため仙台は落ち着いてボールを持てず、クリアをしても増川、岩波の高さにはじき返され神戸がボールをセカンドボールを取る展開が続く。そして7分にCKから一番気を付けなければならないマルキーニョスにフリーで決められる。あのシーンを見るとマークは鎌田か広大だが、やはりあそこはやらせてはならない。

 その後も神戸のペースは続く。赤嶺がいないために高さで競り勝てず、ウイルソンも武藤もボールを引き出しに降りてくるため全体のラインが低くなっていった。それに加え神戸のプレスが激しいためどんどん神戸にペースを握られてしまった。悪循環が続いていった。

 そして26分にP・ジュニオールにやられる。広大がクリアミスしたのもあるし、角田が森岡に対して激しくいけなかったし、武井はP・ジュニオールを完全にフリーにさせてしまった。守備陣の軽さが露呈した失点だった。

 前半は神戸の強さを感じた45分間だった。神戸は助っ人を含め全員が守備意識が高く、また全体の距離感がいいためすぐにショートカウンターが打てていた。奥井の的確なオーバーラップ、それに呼応するP・ジュニオールのいやらしいポジショニングからのドリブル、森岡のテクニカルなプレーと冷静さ、小川の積極的なダイヤゴナル、マルキのキープ力と、神戸はJ1トップクラスの攻撃陣だと思う。本来だったら、ボランチシンプリシオがいるわけだから到底昇格組とは思えない(笑)

 

 というわけで後半、仙台は赤嶺を投入して以下の配置に修正する。

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 ハーフタイムに渡邉監督から檄が飛んだ仙台は前半のプレーから一転する。球際に強くいけるようになり、神戸に思うようにプレーさせなくする。そして赤嶺を投入したことで、前線にポイントができて全体のラインが押しあがるようになる。そして55分にウイルソンがPKをゲットし、自らが冷静に決め今シーズン初ゴールで1点返す、その数分後にはバランスが崩れた神戸の裏を赤嶺がスルーパスし抜け出したウイルソンが冷静に決め、同点とする。ウイルソンにあのようなシーンでゴールが決まるということはコンディションが徐々に戻ってきたという証拠である。

 だが、71分に仙台のエアポケットから最後は小川が流し込み再び神戸が勝ち越す。仙台は最近あのような失点が多い。反省しないといけない場面だ。

 しかしその直後に追いつく。PA内にリャンが侵入してきたことで、マークがズレ、最後はリャンのシュートのこぼれ球を太田がきっちり決め同点にする。一見簡単そうに見えるが体の向きを変えてダイレクトで打ったからこそのゴールだった。

 そして、またその直後に関からのパントキックが奥井のミスを誘い、それに反応した武藤が、難しい角度からここしかないというファーのポストに当たってのゴールを決める。幾多となくチャンスを外してきた男がついに決めてくれた。何よりも嬉しいゴールだった。武藤には今シーズンは覚醒してもらいたい。

 終盤は危ない場面があったが、ここ最近絶好調の関のファインセーブもあり、今シーズンホーム初勝利挙げることができた。

 

 余談だが、この勝利は、この試合に来ていた岡山一成の存在なしには成し得なかったかもしれない。ハーフタイムにああいうこと言ってくれたからこそあの一体感は生まれなかった。岡山はこのチームに忘れていた「共闘」という部分を思い起こさせてくれた。岡山には本当に感謝である。

 サッカーは1つの言葉、采配で大きく変わるものだと実感したゲームだった。前半と後半であれだけ変われたのも監督の檄、そして早い段階で手を打ったからこそだと思う。そしてサポーターの自分がいうのもあれだが、関のロスタイムのビックセーブは日ごろの関の努力とサポーターの力が阻んだものだと思う。サッカーはどんな些細なことでも展開が変わる、だからこそ面白いのである。

 

 話は戻って、冷静に振り返ればやはり反省点が多いゲームだった。前半の内容はもう一度きっちり反省、分析をしなければならない。特に守備の緩さは大いに修正しなければならない。そしてここ最近は入り方が悪いゲームが続いている。前節、前々節と失点はしなかったものの入り方はいいとは言えなかった。その辺をしっかり修正しなければ今回のゲームのように先手を取られることになる。

 一方で、攻撃は4点決めたこと。そして得点者がどれも今シーズン初ゴールだったのはよかった。ウイルソン、赤嶺、武藤と決めてもらいたい選手がこの時期にゴールを決めていることはなにより。あとはコンスタントにゴールを量産してもらいたい。

 

 中断まで残り2試合。C大阪、広島と難敵が続くがぜひ乗り越えて、中断前までに降格圏を脱出したいところだ